アパート経営とマンション経営 10の違い

資産形成や老後のためにと不動産投資を考える人が増えています。さまざまな不動産投資がある中で、初心者でも取り組むことができるとして注目されているものに、マンション経営とアパート経営があります。
この2つは「同じようなもの」と思っている人も多くいますが、実はまったくと言っていいほど違うものです。ここでは、この2つの違いを各項目にわけて比較、解説していきます。
なお、ここでいうマンション経営は、ワンルームマンションに代表される小規模な物件を区分所有するケースを指し、アパート経営は6~8部屋のアパートを丸ごと所有する1棟投資と呼ばれるものを指します。

1.投資額

投資をする地域によって差はありますが、同じ地域で物件を購入する場合、マンション購入に比べ、アパートの方が高額になります。なぜならアパートは「土地と建物」を購入するからです。マンションは投資額のほとんどが「建物」の価格で、土地はマンション敷地をオーナー数で割るので、小さいものになります。
ただし地域の差を加味すると、都心のマンションを1戸購入するのと、地方都市のアパート1棟を購入するのは同じくらいということもあります。

2.資産価値

アパート経営の場合、年月が経ち建物の価値がなくなっても土地が残るため、資産がゼロになることはありません。マンション経営の場合、土地の持ち分が小さいため建物の価値がなくなると資産価値はないに等しくなるケースもあります。

3.利回り(収益性)

収益性はアパートの方が高く、新築で7~8%、中古で9~10%と言われています。一方、マンションは4~5%程度と言われています。

4.空室リスク

不動産投資をした場合、入居者がいなければ家賃収入はありません。マンションを1室だけ所有している場合、そこが空室になると家賃収入はゼロになるのです。ところが、アパート経営の場合、部屋が6つあれば1部屋空いても約17%の減収に抑えることができます。
またマンションの場合、空室になっても共益費や管理費を払い続けなければならないため、実際にはゼロではなく、マイナスになってしまいます。

5.耐久性

アパートは木造が多く、鉄骨造りのマンションに比べると老朽化のスピードが早くなります。外観が劣れば、家賃を下げなければ入居者が見つからず、空室率が上がってしまうリスクがあります。また内装も修繕費やリフォームのサイクルが早くなり、修繕コストがかかります。
その点、マンションは耐久性が高く家賃を長く安定させることができるほか、修繕コストもアパートほどかかりません。

6.火災や天災のリスク

木造アパートは耐火性に劣るため、一度火災が起こるとアパートが全焼してしまうリスクが高くなります。そのため火災保険料も高く設定されています。また地震などの天災による被害も、マンションよりもアパートの方が高くなりがちです。

7.意思決定スピード

アパート経営の場合、その管理はオーナー一人で行うためメンテナンスや改修工事などが必要だと感じれば自分で決めて行うことができます。
ところが、マンションの場合所有しているのは一室に過ぎず、共有部分に関して何かをやりたいと思っても勝手にやることはできません。管理組合や管理会社に相談したり合意を得たりする必要がある上、思い通りにはならないことも多くあります。

8.節税効果(赤字経営になった時)

マンション経営では、減価償却費を含めて必要経費として認められている項目が多く、赤字になった場合、サラリーマンとして得る収入から損益通算して、所得税の還付を受けることができます。
アパートも赤字になれば還付を受けることができますが、投資額に土地価格が含まれるため減価償却費の占める割合が低くなり、この効果は限定的となります。

9.管理面

不動産投資をすれば、その管理をする必要性が出てきます。マンション経営の場合、その不動産を提供している不動産会社やグループ会社が賃貸管理システムを提供しているケースがあります。そこに委託すれば、雑多な管理業務の手間は大幅に削減されます。
アパート経営で管理会社を活用したいと思う場合、管理会社を探すことからはじめなければなりません。中には厳しい審査を受けなければならないこともあり、面倒だと感じることも多くなります。

10.出口戦略

マンション経営の場合、どこかのタイミングで売却するのが一般的です。耐久性が高いため、価値の下落率は低く、条件によっては購入時よりも高額で売却できることもあります。
アパート経営の場合、木造で耐久性が低いため購入時より安価で売却することになる可能性もありますが、立地によっては土地の価格が上昇し、購入時より高く売却できるケースもあります。また、一旦アパートを取り壊し賃貸併用住宅に建て替えたり、他の施設にしたりすることもできます。

失敗しないためには、条件や適性を見極めて選択を

失敗しないためには、条件や適性を見極めて選択を
このようにアパート経営とマンション経営には、数々の違いがあります。どちらにもメリットとデメリットがあり、一概にどちらがいいと言えるものではありません。それぞれの人が持つ条件や適性によって判断することが重要となります。
例えば、離れた地域に投資用物件を購入する場合、管理会社に任せられるマンション経営の方が向いているでしょう。逆に、自分の目の届く範囲で不動産経営をしたい人は、イニシャルコストが多少高くても経営リスクが分散できるアパート1棟投資がいいでしょう。
投資金額などの条件だけでなく、不動産経営にどこまで関わりたいのか、専業なのか副業なのか、入居者や近隣の人とどういった関係を築きたいのかといった内面的な条件や希望も含め、自分に最適な不動産投資を見極めるようにしてください。