アパート経営にかかる3種類の修繕費とは

アパート経営において、家賃から経費を差し引いたオーナーの収益はどの程度あるのでしょうか。アパート経営にかかる経費では、管理費や修繕費、入居者募集の際にかかる広告費や不動産会社に払う手数料などがあります。
このうち、費用として特に大きな金額となる修繕費について、今回は詳しくお伝えします。

建物の修繕はオーナー側の責任!?

あなたがアパートのオーナーになれば様々なことで決定権を持ちます。入居の申込みを断ることもできますし、管理会社の選定、修繕費用の積立金額も自分で決めることができます。オーナーの中には収益を下げたくないために、入居者からの修繕の依頼や苦情があってもなかなか対応をしない方がいます。
しかし、修繕費を節約してまで、収益を上げることはお勧めできません。そのようなことを繰り返せば、確実に「空室」が増えてしまうからです。
水回りのトラブル、雨漏り、外壁の老朽化が起きても、オーナーが修理してくれないようなアパートに、あなたは住み続けたいと思いますか? 結局、空室になってしまえば、その部屋から家賃収入を得られず、収益は下がります。
このように、決定権はオーナーにあるとはいえ、きちんと対応しなければ入居者が減りますから、現実的には借主の意向ができるだけ尊重されなければなりません。オーナーはサービスの提供者として、できる限りの対応をする必要があるのです。

アパート経営における修繕費の種類は3つ

アパート経営における修繕費の種類は3つ

1.建物維持のための大規模修繕費

これに該当する代表的なものは、機械設備の修理、給排水などの配管修理、外壁修理、シロアリ駆除、雨漏り修理などです。建物が老朽化すれば、いずれ必ずやらなければならないような修繕です。
こうした大規模な修繕には大きな費用が掛かります。築年数が古くなった場合には、エレベーター交換に数百万円かかったり、給排水の配管交換に100万円以上の費用がかかったりすることも珍しくありません。この修繕費を確保するために、家賃収入の5%程度を積み立てておくのが一般的です。
大規模な修繕が続けば積立金だけでは賄えないこともあるので、万が一に備えて積立金とは別に、賃料収入の一部を貯蓄しておくことをお勧めします。

2.老朽化を防ぐ予防的な修繕費

これは将来の大規模修繕を防ぐために、または、その修繕費を抑えるために必要な修繕です。屋上防水やシロアリ検査、外壁の状態チェックや、各入居者のクレームを受けての個別検査費用などです。
建物に限らず言えることですが、状態が悪くなる前に予防的措置で対処した方が、費用は掛かりません。大規模修繕となる前の段階で、状態を悪くしないための対応も必要です。外壁のひび割れなど入居者の目に見えるような問題は、状態が悪くなる前に管理会社や修理業者に依頼し迅速に対応しましょう。

3.空室にしないための修繕費

この費用には、エアコンや給湯器の修繕、壁の塗り替え、共用部分の修繕などが該当します。「古い、臭い、電気代が高い」といった理由で、「エアコンを交換してほしい」という依頼や、共用部分の「使い勝手を改善してほしい」といった要望が、入居者からしばしば届きます。
こうした要望は、賃貸借契約において「対応の必要なし」と規定することもできますが、場合によっては対応した方が良いケースもあります。ですので、十分な注意が必要です。例えば、入居希望者が内覧した時に20年以上前の旧式エアコンが付いていたら、それだけで入居を取りやめるかもしれません。
また、ポストの破損やエントランスガラスのヒビなど、細かい点が空室を招く原因となることもあるのです。
とはいえ、入居者のために1台10万円以上かけて新品のエアコンを購入し、全室入れ替えるのは大きな出費となります。例えば、状態の良い半額程度の中古品で代替するとか、一度に全ての部屋のエアコンを買い替えずに交換が必要そうな部屋を優先するなど、コストを抑える工夫が必要です。
大事なことは、一度に多額の修繕費を支払って、手持ちの現金が大きく減るような状態を作らない。言い換えると、毎月のキャッシュフローの中で対応をするような姿勢を持つことでしょう。

まとめ

修繕費は空室率を上げないために必要な費用であり、自分の都合だけで削るのが難しいものです。大きな修繕が必要となれば、それに伴って多額の費用がかかります。こうした修繕費を少しでも抑えるためには、建物の状態を定期的に検査して、悪くなる前にこまめに修繕するような対応が不可欠です。
計画的に修繕費を積み立てていくことは当然ですが、点検や予防的な措置で一度に多額の修繕費がかからないように、日頃から管理会社と連携を図っていきましょう。