アパート事業計画、5つのチェックポイント

ずさんな事業計画の企業が長く好業績を維持できるとは、到底考えられないのが現実でしょう。企業経営のみならず、個人のアパート経営にも同様のことがいえます。最初に立てたプランがお粗末だと、期待していたほど賃料収入が得られないばかりか、出ていくお金もやたらと多くて収支はつねにマイナスという事態に陥りかねません。
物件取得のための初期費用だけでなく、諸経費も漏れなく見積もったうえで、妥当な賃料設定で入居者を募集しなければ、長く空室が発生するといったことも発生しがちです。
では、アパートの事業計画は、具体的にどういった観点から、どのようなことを突き詰めていくべきなのでしょうか?

1.立地分析とマーケティング

たとえ同じ間取り、同じグレードの部屋であっても、駅からの距離や周辺の環境などによって物件の人気はかなり異なってくるものです。
いいかえれば、間取りやグレードだけで賃料設定を行ってしまうと、立地的には不人気で入居者が見つからないケースも出てくるわけです。周辺の競合物件の賃料相場や入居状況をチェックし、そのエリア全体の人気ぶりについてもきちんとマーケティングを行っておくことが重要でしょう。
もちろん、立地とともに建物の構造や規模、築年数、各部屋の間取りなども賃料設定には大きく関わってきます。これらの条件をすべて踏まえれば、「○○の費用で買える(建てられる)この物件なら、月々△△円の賃料設定にすればコンスタントに入居者が見つかりそうだ」という大まかな算段がつくでしょう。

2.取得(建設)費用の調達方法について検討

用意できる自己資金に対し、どの程度のローンを組む必要があるのかを見定め、借入金額の比率が高くなりすぎる場合は取得(建設)費用自体の見直しも求められます。

3.返済シミュレーション

ローンで工面すべき金額が判明してきたら、今度は金利や返済期間に応じた返済シミュレーションを行います。最近は、インターネット上において無料でローンの試算を行えるサイトも増えています。

4.収支計画作成

肝心なのがここから先のステップで、いよいよ収支計画の作成です。いうまでもなく収支は、「入ってくるお金」と「出ていくお金」から成り立っています。
賃料の設定とともに空室率もきちんと想定しておかないと、「入ってくるお金」に狂いが生じかねません。「出ていくお金」にしても、ローンの返済や維持管理費はもちろん、厳密には修繕費用や減価償却費などまでしっかりと見積もっておく必要があります。

5.計画内容を見直す

シビアに吟味した結果、どうしても収支のバランスが悪い場合にはそのまま経営をスタートさせないほうが賢明でしょう。建設プランや購入物件の見直しを図り、再び収支計画を練り直す必要があります。

変化にも対応する必要がある

変化にも対応する必要がある
万全の収支計画が完成すればその物件からどの程度の手取り収入を着実に見込めるかがはっきりとしてきますし、いつ頃になるとどの程度の出費を覚悟すべきかについてもあらかじめ想定できます。それに備えて、資金を積み立てるなどの対策も講じられるわけです。
収支までとことん突き詰められれば、その事業計画は完全無欠に近いと思っていいでしょう。ただし、それは未来永劫のことではありません。
あくまでその収支計画は、現時点における将来予測のシミュレーションにすぎないのです。建物・設備の経年劣化や災害によるダメージ、さらに周辺環境の変化などによって当初見積もった妥当な賃料設定や空室率などにも変化が生じてくる可能性を否定できません。したがって、つねにそういった変化を観察しながら、必要に応じて計画の修正を行っていくのが理想です。