ミドルリスク・ミドルリターンの不動産投資~どのような手段があるのか?

2020年の東京オリンピックを控え再開発が多く行われる中、東京都心を中心に不動産価格が上昇しています。また、2015年から実施された相続税・贈与税増税という観点からも節税対策として不動産投資を行う動きがみられ、様々な観点から不動産投資に注目が集まっています。興味はあるけれどもよくわからない、そんなあなたのために不動産投資のイロハをお伝えしていきたいと思います。

不動産投資は一般的にどのような投資方法のことなのか

不動産投資は一般的にどのような投資方法のことなのか
一般的に不動産投資とは、利益を得ることを目的として不動産に自己資金や借り入れた資金を投入することをいいます。
主な目的には2つあります。1つは、投資した不動産を人に貸すことで家賃収入を得ることです。こうした定期的に見込める収入を「インカムゲイン」と呼びます。もう1つは、購入した不動産の価格上昇に伴う値上がり益を得ることです。こうした値上がり益のことを「キャピタルゲイン」と呼びます。
不動産投資の良いところは、いずれも享受できる可能性があることです。貸している不動産からは空室にならなければ継続的に家賃収入を得ることができますし、土地価格の上昇が続けば大きな値上がり益を期待できることもあります。特に、周辺に新しく駅ができる場合や、再開発地区に該当している場合などは、周辺の整備が進むことで値上がり益を見込むことができます。
不動産投資には、アパートやマンション1棟に投資を行う方法、マンションの1室に投資を行う方法、駐車場を経営する方法、倉庫やホテルに投資を行う方法など様々なものがあります。
こうした実物に投資を行う方法の他、J-REITに投資を行う方法もあります。J-REITとは、多くの投資家から資金を集め、複数のオフィスビルやマンション、商業施設、物流施設などに投資を行い、そこから得られた賃料収入や売買益を投資家に分配する金融商品です。J-REITは証券取引所に上場しており、上場株式と同様に売買することができます。ただし、J-REITはあくまで証券投資のため、不動産がご自身の資産となるわけでありません。資産として保有したい場合には、マンションなどの実物に投資を行う必要があります。

不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」

不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」
不動産投資はよく「ミドルリスク・ミドルリターン」と呼ばれています。これは一体どういうことでしょうか。
まず、リスクとは不確実性のことをさします。つまり、投下した資金がどうなるかがわからないことを意味します。リスクが高いといえば、投下した資金が回収できないおそれも高いものの、一方で大きな利益を得られる可能性もあることをさします。リスクが低いといえば、投下資金の回収が見込みやすい、安全性が高いといえる一方、利益はあまり見込めないことを意味しています。
このリスクを金融商品で比較してみましょう。
一般的に、株式はハイリスク・ハイリターンといわれます。これはリスクが高い分、見込める収益も大きくなるといえるからです。ただし、投資先が破綻した場合には株式は紙くずとなるおそれがあります。預貯金は金融機関が破綻しない限り、金融機関に預け入れたお金に対して利子が支払われます。しかも預金保険制度があるため、預けたお金のうち1,000万円までとその利子は国によって保証されています。そのため、安全性は高いものの見返りとなる利益は低いため、ローリスク・ローリターン商品に該当しています。
それでは不動産はどうでしょうか。不動産は土地がある限り価値がゼロになることはありません。ただし貸していた部屋が空室となったり、土地価格が下落したりするおそれがあります。このため、株式よりはリスクは低いものの預貯金よりはリスクが高いといえるため、ミドルリスク・ミドルリターンの投資商品であるといわれています。

不動産投資を行ううえで考慮したいこと

不動産投資を行ううえで考慮したいこと
このように、不動産投資はリスクをとりつつリターンもある程度得たい方にはよい投資方法といえます。ただし、注意しなければいけない点もあります。
まず、投資段階では購入費用以外に税金や仲介手数料、ローン事務手数料などのコストがかかる点です。こうしたコストは購入時以外に、購入後にかかるもの(例えば不動産取得税)もあります。そのため、こうした費用も考慮したうえで利回り計算や収支計画などを見積もっておくべきでしょう。
次に、不動産所有時のリスクです。もっとも避けたいのは空室リスクです。立地が悪く賃貸需要が見込みにくい地域では、一度居住者が出てしまうとなかなか部屋がうまらないおそれがあります。そのため、どんな需要がありそうか、空室になってもすぐに賃貸人がうまるかどうか、立地はしっかり調べておくべきです。この他、空室になった場合に、周囲の家賃相場に合わせて家賃を下げなければならなくなる場合があります。そうしないと借り手が見つからないからです。ただし、立地がよく利便性が高ければ家賃も下げずに済むことがあります。
そして、ローンを組んで不動産投資を行う場合には、金利にも目を配る必要があります。特に変動金利による融資の場合、金利が上昇すればそれに伴い返済金額も増加するおそれがあります。もともと住宅ローンに比べ、不動産投資ローンは高めに設定されることが多いため、金利上昇リスクが存在することには十分留意する必要があります。
あとは突発的な修繕費用などがかかることがある点も忘れないでください。賃借人からエアコンなどの修理の依頼を受けることがあります。これは一般的に大家さんが支払うことになりますので、注意が必要です。
最後に知っておいてほしいのは、流動性リスクです。これは売りたいときにすぐに売れないかもしれないというリスクです。長期的に売却の意思がなく、不動産投資を継続する考えであればよいのですが、売却して利益を得ようとした場合に、売れなければ意味がありません。周囲の他の物件と差別化されている、空室期間がほとんどないなど強みがある物件は売却しやすいといえるため、売却も考慮に入れた不動産投資であれば、こうした点も考慮して不動産投資を始めるべきだといえます。