外国人投資家が日本の不動産を買う理由

日本を訪れる外国人観光客は年々増え続けています。2015年1月から10月までの間で、日本を訪れた外国人の数は、1631万人と過去最高水準になりました。円安などの影響もあり、外国からみると観光地として日本は魅力的に映るようです。
また、観光地としてだけではなく、不動産投資の対象としても日本は魅力的なようです。今回はその理由について考えてみたいと思います。

日本の不動産市場の評価

国土交通省が2014年8月に発表した日本の不動産市場に対する「海外投資家アンケート調査」の結果によると、海外の投資家は日本の不動産市場について、次の2点を高く評価しているようです。
・不動産市場の規模
・不動産投資関連制度の安定性

経済規模の大きさとカントリーリスクの低さ

世界のGDP(国内総生産)の順位で日本は近年2位の座を中国に譲りましたが、依然として世界第3位という高い水準を保っています。日本では、政権交代しても国の体制が崩壊することはありません。日本は政治、経済、社会環境の変化が原因で、不動産価値の下落が起こりにくい国であるとみなされています。いわゆるカントリーリスクが低い国なのです。
海外の投資家は日本の経済規模の大きさ、カントリーリスクの低さを高く評価しています。あわせて、インフラ整備率や治安の良さは世界でもトップクラスです。この点も高く評価されています。

外国人でも買える

外国人でも買える
国によっては外国人の不動産取得を禁止や規制していることがあります。また、外国人の不動産取得が可能な国でも、面積や金額の点で何らかの制限が設けられている場合も少なくありません。日本の場合、外国人だから不動産を取得できないということや、何らかの制限が加えられることはありません。この点も、日本の不動産の魅力の一つでしょう。

主要国に比べて割安で利回りが高い

各国の不動産利回りがわかる「GLOBAL PROPERTY GUIDE」というサイトがあります。それを見ると、日本の表面利回り(平均)は5.02%となっています(2015年12月5日時点)。アジア、欧米各国と比較しても、日本の表面利回りは高いです。

国名 平均表面利回り
日本 5.02%
シンガポール 2.82%
香港 2.82%
イギリス 3.21%
ロシア 3.22%
スイス 3.81%
アメリカ 3.91%
フランス 2.89%
(出所:「GLOBAL PROPERTY GUIDE」での2015年12月5日時点のデータより。)

物件や取引条件によって不動産価格や実質利回りは異なりますから、単純な比較はできませんが、平均表面利回りが高い日本の不動産は、他国と比較して割安感があると言えます。それは海外投資家にとって魅力的な市場に映る大きな要因となっています。

品質や技術力への高い信頼

品質や技術力への高い信頼
いくら利回りが高くとも、知らない外国の不動産を購入することは、かなりハードルが高いことは想像に難くありません。その点では日本の「信頼、安心のブランド」が寄与します。日本製品で「買ってすぐに壊れた」ということや、国内の飲食店で「食べてみたら、とてもまずかった」ということは少ないですね。外国人の日本での観光や買い物需要(インバウンド需要)の拡大は、円安に加えて、日本製品や飲食店の質の高さが背景にあります。不動産投資も同じです。日本のマンションや住宅は、厳しい基準・管理のもとに建てられているので、高品質で欠陥住宅に当たることが少ないのです。これも外国人投資家にとって大きな魅力です。

東京オリンピックの影響

東京オリンピックの影響
2020年の東京オリンピック開催による需要の増加は、日本全国で約1兆2200 億円に上ると予測されています。オリンピック開催による以下のような効果の期待から、海外投資家の関心はさらに日本に集まっているようです。
・株、不動産投資の増加
・移住者の増加
・工事就労者、語学指導人材などの外国人の増加
この結果、外国人による訪問機会や投資機会が増えるため、海外投資家にとっては、より日本への不動産投資に参入しやすい環境ができつつあると言えるでしょう。実際、オリンピック開催決定後に、都心の新築マンションや観光地の中古物件への中国や台湾からの投資が増えたことが話題になりました。
それは、「今買っておけば、将来的に値段が上がる可能性が高い」という期待感が、日本の不動産への投資を加速させたとみられています。
このように2020年の東京オリンピック開催による不動産価格の値上がり期待感も、日本が選ばれる大きな要因となっています。