収入と費用から考える ? 失敗しないアパート作りのために必要な費用の見積もり方法

アパートを建ててオーナーとして成功したい! そんな夢をお持ちの方なら、アパート経営で得られる収入と掛かる費用が気になるところでしょう。
アパート経営を検討する際には、投資額と収入のバランスを考えることが重要です。アパートローンで借り入れるのであれば、毎月の返済額も考慮して、キャッシュフローと収益の見込みを事前に把握しておくことです。そこで、収入と費用から考える、失敗しないアパート経営についてご紹介します。

土地代と税金について

まず、アパートを建築する際の初期投資の内容について確認しましょう。土地を購入する場合は、土地代と土地購入に掛かる仲介手数料が発生します。仲介手数料は、購入価格の「3%+6万円(+消費税)」です。
また、土地を取得すると不動産取得税と登録免許税が発生します。不動産取得税は、固定資産税の評価額に1/2を乗じた課税標準額に3%を掛けたものになります。土地の登録免許税は、2017年3月末までは固定資産税の評価額の1.5%となります。

建物代と税金について

次に建物への初期投資について確認しましょう。建物には、建築費と設計料が掛かります。木造アパートの建築費は、延床面積の単価が坪70~80万円程度です。設計料は、ハウスメーカーや設計会社によって考え方にもバラつきがありますが、概ね建築費の5%程度が一つの目安になります。
また、新築建物にも不動産取得税と登録免許税が発生します。新築建物がアパートで貸家の場合、1つの住戸が40平方メートル以上―240平方メートル以下であれば、1200万円が控除されます。そのためアパートの場合、建物の不動産取得税がゼロになるケースも少なくありません。固定資産税の評価額は建築費の50~60%程度で、登録免許税は固定資産税の評価額の0.4%となります。

建築に掛かる初期費用のまとめ

建築に掛かる初期費用のまとめ
その他の初期投資としては、入居者を募集し契約を仲介してもらう不動産会社に支払う仲介手数料が発生します。
このように初期投資には土地建物価格のほかに下記のような費用が発生します。
・設計料
・仲介手数料
・不動産取得税
・登録免許税
これらの費用は、土地建物価格の概ね7~8%程度が一つの目安になります。

その他の諸費用について

次にその他の諸費用について確認しましょう。土地と建物ともに、固定資産税と都市計画税が発生します。固定資産税の税率は1.4%、都市計画税の税率は0.3%であり、それぞれの課税標準額に乗じて求められます。建物については、固定資産税評価額に1.4%を乗じたものが固定資産税となり、0.3%を乗じたものが都市計画税になります。
なお、アパートの場合、住戸1戸につき200平方メートルまでの部分に、小規模住宅用地の特例が適用されます。小規模住宅用地の特例が適用されると、固定資産税評価額の1/6が固定資産税の課税標準額、1/3(23区は1/6)が都市計画税の課税標準額になります。
この他にも建物の損害保険料や維持管理費用、修繕費用が発生します。建物の損害保険料は建築費の0.05%が一つの目安です。管理会社に支払う維持管理費用は、アパートなら賃料の5%が一般的です。
修繕費については、新築当初はほとんど発生しません。築10年くらいまでであれば、建築費の0.2%程度が一つの目安です。築11年目から20年目までは、建築費の0.3%、築21年目以上であれば建築費の0.5%程度が毎年発生する修繕費の目安となります。
入居者が退去した場合には、クリーニング代が1戸あたり3~6万円程度、発生します。

収入について

では、収入について確認しましょう。収入になるのは、賃料と共益費です。物件によっては、駐車場やバイク置場などの収入が取れるでしょう。ひと昔前は礼金収入を見込むことができましたが、最近では礼金を取らないのが一般的になってきました。仮に礼金が1ヶ月取れたとしても、それは不動産会社に支払う仲介手数料となるため、収入としては期待できないと言えます。

収支計画のシミュレーション

収支計画のシミュレーション
こうした費用を見積もった上で、アパート経営の収支をシミュレーションしてみます。
土地代、新築アパートの建設工事費、その他諸経費(初年度分)の合計が8000万円とします。アパートの賃料が月5万円で8戸が入居すると、毎月の賃貸収入は5万円×8戸=40万円
年間では40万円×12か月=480万円となります。この場合、480万円/8000万円で想定利回りは6%となります。
● 土地を購入し、アパートを新築した場合
・想定敷地面積:165平方メートル
・建ぺい率  :60%
・建物面積  :198平方メートル
・建物概要  :2階建て<2×4=8戸>
・賃料設定  :1階部分(4戸)5万円/月 2階部分(4戸)5万円/月
※管理費:なし
● 概算費用(初年度分)
土地費用    3000万円
本体工事費用  4000万円(税込)
その他諸経費  1000万円(税込)
合計      8000万円
(※本収支賃料は地方都市での事業を想定します。)
ここから実際は、空室分を含む入居率を想定します。仮に入居率を90%に設定すると、年間収入は432万円で、想定利回りは5.4%となります。さらにここから、年間の支出として固定資産税や修繕費、借入の返済等を差し引いていきます。(上記のシミュレーションでは、初年度の諸経費はその他諸経費1000万円内に含むものとしています。)
収益から費用を差し引いた純収益を初期投資額で割ったものが、実質利回りとなります。利回りは3-5%程度が一つの目安です。アパート経営を真剣に検討されている方は、初期費用の見積もりとともに、想定される家賃収入や入居率を元に一度試算をしてみてください。