相続税対策にもなる? アパートを経営する3つのメリット

2015年1月に改正相続税法が施行されて約一年が経ちました。それまでは「自分には関係ない」と思っていた方々の間でも、気にする方がかなり増えてきました。確かに今回の改正の影響で、一般のサラリーマン家庭でも相続税が発生するというケースが増えています。
アパート経営は、相続税の節税に有効です。相続対象となる土地にアパートを建てれば家賃収入が得られ、かつ「貸付事業用宅地」として課税評価額を減らし納める税金を下げる効果があります。
「我が家には土地がないから関係ない」と決め付けないでください。節税対策として、土地とアパートを購入するという方法もあるのです。そこで相続税対策を中心に、アパート経営の3つのメリットを紹介します。

その1:アパートが相続税対策に有効なワケ

アパートが相続税対策に有効なワケ
なぜアパート経営は相続税対策に有効なのでしょうか? 簡単に言えば、他の資産で持っているよりも賃貸不動産として所有していたほうが、評価額や控除によって課税額が低く抑えられるからです。主な理由は次の通りです。
1.不動産を相続する場合、「固定資産台帳や路線価」などから算出した評価額に対して課税されます。その課税額が一般的な不動産の評価額よりも抑えられるので、現金や金融資産で相続するよりも節税ができます。
2.不動産に賃貸用の建物を建築すると建築費の評価が40-70%減額され、さらにその建物を賃貸にすると、建物の評価額が30%減額されることになります。
3.小規模宅地等の「特例」制度があり、敷地の種類に応じた限度内の面積に対して評価額が最大80%減額されます。
特にアパート経営では、上記3を含むいくつかの税制上の「特例」を使える点が、節税に大きなメリットをもたらします。
その「特例」とは一律に相続税を課税してしまうと、場合によっては住居を手放すことになったり、家業を営むことができなくなったりすることが予想されるため、そうした事態を避ける目的で設けられた措置なのです。
不動産投資では他の土地で小規模宅地の減額を適用していなければ、土地の評価が半分になる「貸付事業用宅地」という「特例」もあります。賃貸用の土地を対象に、200平方メートルまでは50%の評価額になるというものです。
更地と自宅、また、賃貸した場合の土地の評価額を比較すると、下記のようになります。
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(借地権割合が70%の場合)

自宅の場合、土地の評価額は更地のおよそ8割となります。これは、宅地の相続税における評価額が原則として路線価を基にしており、その路線価はほぼ時価に等しい「公示価格」の80%程度に設定されているためです。
さらに賃貸マンションやアパートを建てると「貸家建付地」として評価されることになり、更地のときよりも土地の相続税評価額を2割程度引くことができます。
ポイントは不動産は居住用の自宅として使うよりも、賃貸物件として使うほうが建物・土地ともに課税評価額を大幅に下げられるという点です。(評価額の算出の際には、貸家建付地や、借地権割合、借家権割合といった専門的な言葉が出てきますが、それらの説明は割愛します。)
こうした理由から、土地を相続する際、節税のためにアパート経営を始める方が多いのです。

その2:部屋数が多く、空室のリスクが低減できる

部屋数が多く、空室のリスクが低減できる
同じ不動産投資でも区分所有のマンション経営に比べて、アパート経営の場合は部屋数が複数あるため、空室率が高くなるリスクを低減できます。
例えば10室のアパートがあり、1室が2カ月間空室だったとしましょう。10室のうちの1室ですから、全体で10%の空室率(年率)になります。空いている2カ月は1年で見ると、2カ月÷12カ月=17%になりますが、アパート全体で見た2カ月間の空室率は、年率10%×2カ月間17%=1.7%となります。もしも空室が2室に増えたとしても、全体で3.4%です。
一方、マンション1室でそこが2カ月間空室になったとすれば、空室率は17%です。2カ月間はまったく家賃収入はなく、収益も一気に悪化してしまいます。

その3:管理のしやすさ

管理のしやすさ
いくら相続税対策として有効であっても、オーナーが自分自身でアパート全室を管理するのは現実的ではありません。入居者の管理にはノウハウが必要ですし、何よりも手間がかかります。
たいていの場合は、信頼のおける不動産会社へ物件管理を依頼することになります。引き受ける管理会社には、マンション1室よりも家賃が安くても部屋数があるアパートが好まれます。
また、マンションには管理組合があるので、共用部分の修繕計画や積立金などは自分が思うように管理できない面があると言えます。

まとめ

相続税対策を中心に、アパート経営の3つのメリットを紹介しました。ただし、相続税対策でのアパート経営には注意点もあります。
これまで見てきたように、賃貸物件を建築することで課税評価額を大きく下げることができますが、一定期間空室が続いてしまっている場合、賃貸をしていないとみなされこうした減額が使えないこともありますので、ご注意ください。
いずれにしてもアパート経営では、入居率を高め安定した収入を続けるのがポイントになります。また、それは、管理会社の対応次第といっても過言ではありません。何でも相談できる不動産管理会社をパートナーとすることで、安定収益を確保していきましょう。