目的によって異なる住まいの工法 木造、ユニット型、鉄骨型など

住宅は一戸建てやアパート、ビル、マンションと形態に違いがあるように、建築工法も用途目的によって異なります。ここでは住まいの一般的な工法をいくつか取り上げ、その違いや特徴を簡単に説明します。

1. 木造

木造軸組工法

在来工法とも呼ばれ、日本で古くから広く普及している、戸建住宅に最も多い工法です。
鉄筋コンクリート打設の基礎の上に、土台、柱、梁を組み上げる構造で、接合部分は金物で補強し壁には必要に応じて木材を交差させた「筋交い」を入れます。
一見、構造耐力が低いように思われがちですが、壁や柱に使用する建材や金物を工夫することで堅牢な耐震構造にすることも可能です。
他の工法に比べて建設コストが比較的安く、後々のリフォームがしやすいというメリットがあります。

木質耐力壁工法(パネル工法)

耐力の強い構造用合板を壁材に使用し、柱だけでなく壁そのものも構造体にする工法です。
在来工法では建物にかかる力は部材を介して柱に伝えるのに対し、この工法は「面構造」で建物全体に力を分散させますので、柱が受ける力が少なく、耐震性が高いと言われます。
また、不燃材を使用した構造用合板により耐火性能を高めたものもあります。

2×4(ツーバイフォー)工法

アメリカ発祥の工法で、2インチ×4インチという規格を基準とした木材を利用することから「2×4」と呼ばれます。パネル工法と同じように、面を主要構造にして頑強な建物を建てる方法です。
在来工法と比べて工期は短く済みますが、建設コストは高くなることが多いです。また、面で構成されるため大きな開口部や開放感のある間取りを作りにくく、増改築もしづらいというデメリットがあります。

2. 鉄筋コンクリート(RC)造

鉄筋コンクリート(RC)造
鉄筋コンクリート造は「RC造」とも呼ばれ、マンションやビルに多く見られます。引張力に強く、熱や錆・圧縮力に弱い鉄と、熱と圧縮力には強く、引張力に弱いコンクリートのそれぞれの長所を組み合わせて弱点を補完した構造です。型枠の中に鉄筋を格子状に配筋し、コンクリートを流し込んで固めます。
耐火性と耐久性に優れ、木造住宅の法定耐用年数が主に22年であるのに対し、RC造の建物は47年と評価されています。
また、コンクリートは本来アルカリ性ですが、長い年月、空気中の酸素に触れていると中性化し、そこから鉄筋が酸化し錆が発生します。これがRC造の劣化の始まりです。
耐久性を高めるためには「かぶり」と呼ばれる、鉄筋を覆うコンクリートの厚みを厚くして鉄筋を錆から守る必要があります。
RC造の建物は木造よりも重いため、強固な地盤が必要です。入念なボーリング調査を行い、強度に問題があった場合は、適切な地盤改良や地盤補強を行う必要があります。
設計の自由度は高いですが、工期が長く木造よりも建設コストは高くなります。戸建住宅では、注文住宅でもない限りRC工法はあまり採用されません。

3. 鉄骨造

主要構造部分に鋼材を使用する構造を鉄骨造と言います。
鉄骨造には、軽量型の鋼材を使用する軽量鉄骨造と、重量型の鋼材を使用する重量鉄骨造があります。前者はアパートや戸建住宅などの専門住宅、後者は中層の商業ビルや併用住宅などに多く見られます。
鉄骨造は部材の強度が強く、開放感のある広い空間など間取りの自由度が高いです。また、鉄骨は工業製品なので品質が安定しており、耐震性にも優れています。
RC造に比べると建物が軽くなるので、RC造の建物ほど強固な地盤は必要なく、程良い強度の地盤であれば建設可能です。
建設コストは一般的に木造よりは高く、RC造よりは安いため、堅牢かつ耐震性の高い専用住宅を建てたい場合などに向いています。
一方、鋼材は熱と錆に弱い特性を持つため、防錆処理と耐火被覆を施す必要があります。
また、鉄骨造は夏暑く冬寒いという特徴があり、木の温かみを好む方からすると、木造よりも住み心地がやや劣ると感じるかもしれません。

4. プレハブ工法

プレハブ工法
部材を工場であらかじめ生産加工してから運搬し、現場で組み立てる工法をプレハブ工法と言います。
工期が大幅に短縮されて、スピーディーな施工が可能です。施工会社によりますが、工期はおおむね2~4カ月ほどです。災害時の仮設住宅や、簡易な店舗、建設現場の事務所、ハウスメーカーの戸建住宅やアパートなどの集合住宅などでも採用されています。
部材の規格化により大量生産が可能なためコストを低く抑えられますが、その分汎用的な間取りに限られ、設計の自由度は低いです。また、増改築などは難しいとされます。
プレハブ工法の住宅は、材質などによってさらに以下の4種類に分類されます。

・木質系

工場で加工された柱、梁、桁などの主要構造部材と木質のパネルを現場で組み立てます。
外周パネルには断熱材が組み込まれ、木質の部材には防腐・防蟻処理が施されます。

・鉄骨系

主要構造部材を軽量鉄骨で構成して壁・床パネルを張りつける軸組方式と、外壁パネルで構造耐力を支えるパネル方式があります。比較的コストが低く、耐震性にも優れています。

・コンクリート系

工場で型枠に配筋してコンクリートを打設して作ったパネル状のプレキャストコンクリートを、壁・床・屋根材として使用し、現場で組み立てます。現場でコンクリート工事を行わないので、短い工期で済み、耐火性や耐久性に優れています。

・ユニット系(ユニット工法)

住宅設備のユニット化が進んだ1990年代以降は、プレハブ工法がさらに進化した「ユニット住宅」が主流となっています。建具はもちろん水回りの設備や配管まで、全てを工場で施工した状態で建築現場まで運搬され、設置して工事完了。現場での組み立てすら不要なのです。
仮設住宅や店舗、事務所の他、注文住宅やアパートなどでもこの工法は採用されており、「ユニットハウス」などと呼ばれます。完成まで最短1カ月というものもあります。
その他の特徴として、ユニットは基本的に道路交通法で運搬できる範囲内のサイズであること、建設現場の前面道路が狭い場合は施工できないことなどがあります。

まとめ

以上のように、住宅はさまざまな工法で建てられており、それぞれに長所や短所があります。工法によっては、施工できるハウスメーカーや工務店が限られてくるので注意が必要です。住まいづくりをお考えになる際の参考にしていただければと思います。