初心者必見! アパート経営で知るべき確定申告の基本知識 その2 白色申告とその経費の特徴

アパート経営で得た不動産所得の確定申告では、白色申告と青色申告のどちらかを選択することができます。しかし、白色と青色のどちらを選ぶべきなのか、いったいどう判断すればいいのでしょうか?
今回は、白色申告においての記帳方法と経費の扱い、さらには青色申告との違いについて紹介します。

白色申告の場合の記帳について

2013年以前は、前年ないし前々年の不動産所得が300万円以上の場合に限り、記帳と記帳に関する資料の保存が義務付けられていました。しかし、2014年以降は不動産所得があるすべての人が対象となりました。
よって、アパート経営を副業で行っているサラリーマンの方や、仕事の都合で転勤している間だけ自宅を賃貸にして賃料を得ているようなケースでも、記帳が必要となりましたので注意してください。
具体的な記帳の内容と保存方法は以下の通りです。
・対象となる方
事業所得、不動産所得または山林所得を生ずべき業務を行うすべての方です。
※所得税および復興特別所得税の申告が必要のない方も、記帳・帳簿などの保存制度の対象となります。
・記帳する内容
売上などの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、取引の年月日、売上先・仕入先その他の相手方の名称、金額、日々の売上げ・仕入れ・経費の金額などを帳簿に記載します。記帳にあたっては、個々の取引ごとではなく、日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています。
・帳簿等の保存
収入金額や必要経費を記載した帳簿のほかに、取引に伴って作成した帳簿や受け取った請求書・領収書などの書類を、納税者の住所地や事業所などの所在地に整理して保存する必要があります。
なお、収入金額や必要経費を記載した帳簿は7年、そのほかの帳簿は5年の保存義務があります。また、決算に関して作成した棚卸表その他の書類と、業務に関して作成し、または受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類は、それぞれ5年の保存義務があります。

不動産所得の白色申告における経費

不動産所得の白色申告における経費
不動産所得の白色申告における経費には、さまざまなものがあります。ポイントは、私用と事業用を区別することです。経費にできるのは事業用の分だけです。アパート経営における経費とは以下のようなものです。
・電話代、インターネット代
電話代やインターネット代は通信費という経費になります。ただし、私用の部分は経費にならないので、事業用に別の電話番号やメールアドレスを用意しておきましょう。
・保険料
アパートの建物に対する火災保険料や地震保険料は経費となります。ただし、アパート経営者個人の分ではなく、賃貸分に限られます。また、経営者個人の生命保険料は経費とならないので、注意してください。
・文房具費
事業用に使用したボールペンやノートなどの文房具の費用は、消耗品費という経費になります。
・委託管理費
賃貸管理を業者に委託して手数料を支払っている場合、委託管理費という経費になります。
・借入金の利息
アパート取得に際して借入を行い、その借入に対する利息を支払っている場合、支払利息という経費になります。

白色申告と青色申告との専従者控除の違い

白色申告と青色申告との専従者控除の違い
白色申告の場合、青色申告と同様に配偶者などの親族を従業員にして、給与を控除の対象とすることができます。具体的には以下の通りです。事業専従者控除額は、以下のa)または、b)のどちらか低い金額です。
a)事業専従者が事業主の配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円
b)この控除をする前の事業所得等の金額を専従者の数に1)を足した数で割った金額
白色事業専従者控除を受けるための要件は、次のとおりです。
(1)白色申告者の営む事業に事業専従者がいること。事業専従者とは、次の要件のすべてに該当する人をいいます。
a) 白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
b) その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
c) その年を通じて6月を超える期間、その白色申告者の営む事業に専ら従事していること。
(2)確定申告書にこの控除を受ける旨やその金額など必要な事項を記載すること。
青色申告では専従者控除額に上限がなく、全額を経費にできるため、白色申告よりも所得税の節税効果があると言えます。

まとめ

青色申告と比べて、白色申告では所得税の節税効果が低いといえます。特に、専従者控除額において差異があり、65万円の青色申告特別控除を受けることができません。
ただし、青色申告の記帳は複式簿記に基づくものとなり、白色申告の場合は収支内訳書で通る決算書も、青色申告の場合は損益計算書となるため、より専門的な書類が必要になります。よって、青色申告のほうが白色申告よりも、手間が掛かると言えるでしょう。
また、青色申告のほうが所得税を抑えられます。不動産所得の収入金額から経費を差し引きした額が、おおよそ150万円から200万円になったときには、白色ではなく青色申告を検討してもよいでしょう。ただし、アパート経営で青色申告が認められるためには一定以上の事業規模が必要になります。