アパート経営の空室リスクとその対策

アパート経営における大きな課題は、開始当初の「希望通りの借り入れが可能か?」ということと、開始後の「空室対策をどうするのか?」の二つでしょう。
借り入れについては、金融機関に融資の申し込みから約2週間で結果が分かりますが、家賃収入が減る「空室」はいつ起こるかわからない大きなリスクです。空室リスクの対処方法は、「空室率の低い物件探し」と「空室時の対策」の二つです。
そこで今回は空室リスクを軽減させるための物件探しのポイントと空室時の対策についてお伝えします。

空室率の低い物件を探す

空室率の低い物件を探す

・ポイント1 周辺エリアのアパートの空室率を調べよう

例えば、物件選びの際に自分が購入する物件の空室率を確認する方は多いですが、それだけでは不十分です。候補物件周辺1~2キロ内にある競合物件の空室率も調べましょう。
自分で周辺を回って、チラシが大量に入っているポスト、カーテンのない部屋、玄関ドアに水道や電気の手続き案内が掛けられている部屋、「空室」「入居者募集」の看板や旗が立っているアパートが無いか探してみてください。大まかな空室率は分かります。
もし周辺の空室率が低ければ、その候補物件も人気エリアにあるものと考えて間違いないでしょう。反対に、候補物件は満室なのにもかかわらず周辺アパートの空室が目立つ場合は、その理由を考えてください。
新築、築浅、間取りが広い、日当たりが良い、駐車場が2台停められるなどのプラス要素が理由であれば、あまり神経質になる必要はありません。しかし、マイナス要素である、フリーレントなどのキャンペーンの効果で一時的に満室となっている場合は、その物件に投資するかどうかを見直す必要があるでしょう。

・ポイント2 築年数と空室率は比例しやすい

「中古アパートを安く手に入れて、高い利回りでアパート経営をせよ」というアドバイスをよく聞きます。確かに数字だけ見ればその通りなのでしょうが、アパートの借り主の視点で考えると、これはリスクの高い方法だとわかることでしょう。
同じエリアで予算や間取りも近ければ、どの借り主もより築年数が浅いアパートに住みたいと必ず思うはずです。新築に近いほど、人気のアパートとなりやすいでしょう。
価格ばかりを意識して古いアパートを取得しても、よほどの人気エリアでなければ空室率が高くなるリスクが大きく、最終的な利回りは低くなる可能性が高いのです。新築や築浅のアパートも、「利回りが低い」というだけで敬遠せずに、購入した場合のシミュレーションをしてみましょう。

・ポイント3 管理会社の対応を見る

一昔前は、アパートの管理は近所に住んでいる大家さんが中心に行っていました。しかし、現在では管理会社に依頼する方法が一般化しており、入居者にとっては管理会社によるクレーム・要望への対応の善し悪しが、快適に住めるかを決める重要な要素となります。
アパート購入後もそれまでと同じ管理会社に委託するかどうかは、誠実で迅速な対応をする業者か、購入前に確認しておくべきでしょう。
確認方法としては、「御社の管理している物件の購入を検討している」と率直に話をしても良いでしょうし、入居希望者という立場で「水回りのトラブルなどはどのように対応してくれるのか」などと電話で聞いても良いでしょう。電話対応が悪い場合でも、現場の担当者は頼りになるというケースもありますが、実際には電話対応が悪ければ会社自体の対応も良くないケースが多いです。
アパートに魅力があっても、管理会社の対応が悪ければ空室率が高まりますので、入念に確認しましょう。

空室対策

空室対策

・対策1 家賃保証会社やサブリースを利用する

現在は、空室時の「家賃保証」をしてくれる会社がいくつもあります。家賃保証とは、たとえ空室でも毎月の家賃を保証する仕組みです。各社で様々な契約プランがありますので詳細は省きますが、一般に家賃の8割程度を契約期間は保証してもらえるというイメージを持っていれば良いと思います。
また、「サブリース」という、アパートの一括借り上げをしてもらい、家賃の8割程度を保証してもらう方法もあります。サブリース契約の場合、管理料や保証料という名目で満室時家賃2割程度を差し引かれます。
こうした家賃保証やサブリースは有効な空室対策になりえますが、検討する際はできるだけ複数の会社に見積もりを取った方がよいでしょう。事業者によって、査定価格に開きがあることが少なくないためです。

・対策2 フリーレントや初期費用キャンペーンを行う

アパートの入居者がどうしても決まりにくい場合は、フリーレントや初期費用キャンペーンを利用して、できるだけ空室期間を短くすべきです。
キャンペーンを行えば、確かに収益率は低下します。しかし、何もせずに空室が半年以上続くような状況に比べれば、「1か月家賃無料」や敷金を少なめに設定するなどの対策で、早く空室を埋めたほうが良いでしょう。
ただし、フリーレントの期間やキャンペーン内容は「何となく決める」のではなく、収益の予想数字を算出しながら設定をしてください。

まとめ

空室リスク回避においてより重要なのは、空室になってからの対策よりも、空室になりにくいアパートを購入することです。そのためには、次の2点がポイントとなります。
・空室リスクを減らすために、アパートの立地、建物、管理を確認する
・家賃保証やキャンペーンを前提としたアパート経営をしない
できるだけ人気エリアの新築物件を購入し、家賃保証やキャンペーンに頼らずとも入居者が長く住み続けるようなアパート経営を目指しましょう。そうすれば、空室リスクやその対策に悩むことも少なくなるでしょう。