不動産所得がある時の確定申告の方法

もし、サラリーマンであるあなたが副業としてアパート経営を始めて、毎月家賃収入を受け取るようになった場合、家賃収入は会社から受け取る給与所得のように源泉徴収も年末調整もされていないので、毎年税務署に確定申告をしなければなりません。
そこで今回は、アパート経営者が確定申告を行うにあたり、必要な届け出書類や帳簿と申告書の作成プロセス、ポイントとなる計算や手続きについてお伝えします。

開業時の確定申告に関する届出書類

個人としてアパートの賃貸業を始める場合、開業後1カ月以内に個人事業の開業等届出書を税務署に提出します。合わせて、確定申告に関連する以下の届出書類が必要です。
・所得税の減価償却資産の償却方法の届出書
アパートの減価償却計算に関連する書類。 (提出期限は開業した年の翌年3月15日まで)
・所得税の青色申告承認申請書
個人事業者の場合、青色申告を行うことにより、青色申告特別控除が受けられます。
開業後から2カ月以内が提出期限。(白色から青色に変更する場合は、青色申告を適用する年の3月15日まで)
・青色事業専従者給与に関する届出書
個人事業者が青色申告を行うと、従業員の給与を必要経費に算入できます。届出書には給与額を決めて記入する欄があります。
提出期限は所得税の青色申告承認申請書(上述)と同様です。
これらの届出書類は、国税庁のホームページからダウンロードできます。提出先は、納税者(アパート経営者)の住所を所轄している税務署です。

必要な帳簿と確定申告書の作成

必要な帳簿と確定申告書の作成
青色申告を行いたい場合は、あらかじめ帳簿をつけておく必要があります。この帳簿とは「総勘定元帳現金出納帳」と「経費帳」です。会計ソフトを使えば、自動的に作成してくれます。これらの帳簿がないと、青色申告特別控除を受けることができません。
作成した確定申告書は、毎年2月16日から3月15日までの間に、納税者の住所を所轄する税務署に提出します。国税庁のホームページには「確定申告書作成コーナー」が開設されます。ご自分で確定申告書を作成することも可能で、インターネットを利用して「電子申告」するか、または「用紙を印刷して郵送」するかのいずれかを選択することができます。
帳簿付けや確定申告書の作成が面倒で難しいという方は、税理士などに依頼すると良いでしょう。ただし、この時期はどの税理士も多忙ですので、あらかじめ依頼して必要書類を用意するようにしましょう。

家賃、権利金、礼金の計上方法

所得税法上、不動産の家賃収入の計上時期は、原則として契約上の支払日に計上することになっています。例えば「毎月末に翌月分の家賃を支払う」という契約の場合は、1月分の家賃は12月31日に家賃収入として計上します。もし入居者が1月分の家賃を滞納していたとしても、未収入金として12月31日に計上します。
ただし、貸付期間に対応して家賃収入を計上する方法もあります。このような場合は、1月分の家賃を12月31日に受け取っても、前受家賃として、12月31日の収入とは計上せず、1月分の家賃収入で計上します。
家屋や土地を賃貸することで一時的に受け取る権利金や礼金ですが、貸し付ける資産の引渡しを必要とするものは引渡しのあった日、引渡しを必要としないものは契約の効力発生日の収入として計上します。「名義書換料」「承諾料」「頭金」などの名目で受け取るものも同様に処理します。
本来、敷金や保証金は預り金ですから、受け取っても収入になりません。ただし、返還を要しない場合は、そのことが確定した日に収入として計上して下さい。

減価償却費の計算方法

減価償却費の計算方法
アパートの建物の価値が減少する分を「減価償却費」として計上します。減価償却費はアパート経営において、節税するために利用される重要な経費です。計算方法は定額法と定率法の2つです。定額法は、耐用年数の期間中、毎年同一額を減価償却する方法。定率法は、毎年一定率を減価償却する方法です。
2つの方法のうち、建物本体は税法上、定額法のみの適用となっています。エアコン、電気、ガスなどの付属設備は、建物本体と比べて金額が低くなりますが、2つの方法のどちらかを選択することができます。ですので、減価償却の計算は、建物本体と付属設備部分に分ける必要があります。
定額法は、減価償却資産が建物以外にほとんどない場合、簡単な経理処理にしたいといった場合に選択するのが良いでしょう。
一方の定率法は、初期の減価償却費が大きくなるのが特長です。利益が出ている場合は、定率法で費用を計上するのが良いでしょう。建物本体以外の付属設備は、定率法で計算したほうが所得税の節税につながります。
どちらを採用するかについては、「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」に記載して下さい。

まとめ

不動産所得がある場合は、必ず確定申告が必要です。不動産所得は家賃収入から必要経費を差し引いて求めます。初めての方にとっては面倒なものですが、避けて通れない課題です。今回、お伝えした基礎知識を参考にしていただき、実務では税理士とよく相談しながら作成する事をお勧めします。