アパート経営で入るべき保険の基礎知識

アパート経営では、建物設備を管理する上で、さまざまな事象が発生することが予測されます。火災や地震という自然現象は万が一起こってしまうと避けることができず、建物に多大な損害が発生します。また、アパートの建物や設備の不備のために、入居者や通行人に対して被害を与えてしまうことになる可能性もあります。そんなとき、保険に加入していれば、損害を補償することができます。
それではアパートを経営するにあたり、私たちはどのような保険に加入しておくべきでしょうか。今回はアパート経営に必要な保険に関する基礎知識をお伝えします。

火災保険と地震保険

施設賠償責任保険
アパートの経営者としてまず加入するべき保険は、物件を守るための火災保険と地震保険です。
通常、アパートの購入資金を銀行から借り入れる際火災保険は加入が条件になっており、その保険料は、燃えやすい構造の物件ほど高くなります。具体的には木造の保険料が最も高く、次に鉄骨造、コンクリート造の順になります。
火災保険の契約時に、基準価額の評価方法には「新価」と「時価」の2つがあります。新価とは、「再調達価格」ともいい、物件の購入時と同等の再建築や修理に必要な金額を指します。時価とは、アパート取得時の建物の価値から劣化した価値の分を差し引いた金額です。新価をもとに保険料を設定するほうが時価よりも負担が大きくなりますが、アパート経営を継続するつもりならば検討して良いのではないでしょうか。
また、火災が発生すると建物が復旧されるまでの間、家賃収入を得ることができません。この場合に備えて「家賃補償特約」というものがあります。この家賃補償特約では、火災が発生しなければ得られたであろう家賃収入と相当の額を補填してくれます。なお、単に入居者がいないことに対しての家賃収入を補償するものではないので注意して下さい。
地震保険は、火災保険と付帯して加入するものです。火災保険契約額の50%までを保険金として加入することができます。地震によって発生した火災の被害は火災保険では補償の対象外となるので、地震保険にも加入しておいたほうがよいでしょう。保険金額の上限は、建物部分に対して5000万円までとなっています。
例えば、2000万円で取得したアパートの物件について、新価契約で保険金4000万円の火災保険に加入したとします。この場合、地震保険は4000万円×50%=2000万円を保険金として加入することができ、取得価額の全額を地震保険でカバーできることになります。
火災保険と地震保険は、契約期間を長期にすればするほど負担は軽くなるので、長期の契約期間で加入を検討したほうがよいでしょう。

施設賠償責任保険

施設賠償責任保険
施設賠償責任保険とは、第三者に対する補償をカバーするための保険です。アパート施設の管理不備や構造上の欠陥を原因として、第三者に対してけがを負わせたり、第三者の物を壊したりした場合に、被保険者の負う賠償責任を補償するものです。
建物の管理上の不備は、アパート経営においては経営者の責任となり、万が一何かが起こった場合には損害賠償責任が発生する事態につながります。経営者が気づかないところに建物の不備があり、それが原因で突発的な事故を起こしてしまう可能性も考えられます。したがって、施設賠償責任保険の加入しておくと安全でしょう。
なお、設備の水漏れや雨漏りなどの問題は、定期的な点検でトラブルを未然に防ぐことができます。アパート経営では、水漏れや雨漏りの原因となる配管や蛇口、目につく設備などの点検は定期的に行って、施設賠償責任保険を使う事が無いように心がけるべきです。

死亡事故保険

最近は、世代に関係なく単身入居者が増えています。とくに高齢の入居者がいるアパートでは、病気などが原因で死亡事故が発生する可能性があります。そうした事故が発生すると、その後の入居者のことを考慮して、部屋の壁や床などの大規模リフォームが必要となります。このような事態に備えて、死亡事故保険を取り扱う保険会社が登場してきています。
死亡事故保険では、死亡事故で入居者が不在になった場合の家賃収入や、リフォーム代金が補償されます。死亡事故保険は入居者のための保険です。過度に心配するときりがありませんが、万が一に備えて検討しても良いのではないでしょうか。

まとめ

火災や地震は突発的な事象で、いつ発生してもおかしくありません。アパート経営で火災保険に加入しているケースは多いのですが、地震保険はそれほどでもありません。万が一に備えて、地震保険の加入を検討することをお勧めします。
また、最近では、アパートに限らず、マンションなどでも構造上の欠陥が見つかるケースが出てきています。設備の不備は、アパート経営において経営者の管理責任となります。不慮の事故で第三者に損害賠償責任を負うようなケースがあるかもしれません。施設賠償責任保険の加入も検討しておきましょう。
ただし、どのような保険でも、その保険の補償と保険料の負担はよく確認した上で、加入するようにしましょう。