バブル崩壊は近い? 不動産投資をする前に確認するべき指標とは

2020年に東京オリンピック開催を控え、今が不動産投資のチャンスと考えている人もいるかもしれません。都心の新築マンションの価格ばかりが高騰する状況から、局地バブルだとも言われています。今回は、不動産投資を行う前に不動産市況のトレンドを判断する上で、どのような指標を参照しておくべきかをお伝えします。

金融機関による不動産業への貸出残高

不動産投資の参考にすべき指標はいくつかありますが、そのうちの1つが、日銀が発表する金融機関による不動産業への貸出残高です。2014年度の銀行・信金を含む不動産業向け設備資金の新規貸出額が、12兆円を超えたことが日銀の統計から明らかになっています。これは1989年の不動産バブルや、2007年のリーマンショック時の水準とほぼ同じです。
また、日銀の統計によれば、2015年7-9月期の不動産業向け貸出金残高は、2014年同期比で4.4%増の64兆9161億円となり、14四半期連続して2014年同期を上回っています。
では、少々過熱気味とも思える、最近の不動産投資の動向について、詳しく見ていきましょう。

日銀の不動産業実物投資のGDP比と金融活動指標

次に紹介する指標はGDPに占める不動産業への投資の割合を示したものです。2015年10月に発表された日銀の「金融システムレポート」によると、不動産業の実物投資がGDPに占める比率(下図の緑の線)は、トレンド(同破線)からの乖離幅が半年前より一段と拡大しています。
● 不動産業実物投資のGDP比率
GDP比率
出典:「金融システムレポート 概要」(日本銀行、2015年10月)
東京のような大都市圏を中心とした不動産市況の改善などを背景に、大手の不動産業者の投資が堅調に推移したものとされます。トレンドから乖離幅は広がるというは、過熱感が高くなるということです。
同じく日銀の「金融システムレポート」には、金融活動の過熱感の有無を表す14の「金融活動指標」というものが掲載されています。この指標では、2014年から2015年にかけて先の「不動産業実物投資のGDP比率」が赤になっており、「過熱」していることが示されています。これらの指標をチェックすることも、「不動産バブル」が発生しているかどうかを判断する上で、有効な材料となります。
● 金融活動指標
金融活動指標
出典:「金融システムレポート 概要」(日本銀行、2015年10月)
※バブル期と同様の金融不均衡が生じているかどうかを評価するのに適した14の指標を選択し、各指標の趨勢からの乖離の度合いを見ることによって過熱感を判断する。乖離が上方に大きい場合は「赤(過熱)」、下方に大きい場合は「青(停滞)」、その他は「緑」で表示。

不動産価格指数

全国の不動産価格の推移を把握するのに便利な国土交通省のデータで、「不動産価格指数」があります。このデータは、年間約30万件の住宅・マンションなどの取引価格情報をもとに、2010年を100として指数化したものです。2015年9月分の不動産価格指数におけるマンション指数(全国)は123.7で、対前年同月比+8.3%の上昇となり、2013年3月分より31カ月連続でプラスとなっています。住宅総合(全国)指数は106.5で、対前年同月比で+3.6%の上昇となっています。
不動産価格指数
出典:土地総合情報ライブラリー 平成27年9月分「不動産価格指数(住宅)(全国)」
この不動産価格指数は、毎月、全国・ブロック別・都市圏別・都道府県別のデータが公表されていますので、投資対象のエリアに絞って指数を確認しておくこともできます。

国土交通省による地価LOOKレポート

次に地価の動向を判断する資料として、国土交通省による「主要都市の高度利用地地価動向報告~地価LOOKレポート~」を紹介します。このレポートでは、東京や大阪などの主要都市の不動産価格動向に関する報告や、指標が掲載されています。
例えば2015年11月に発表された「地価LOOKレポート」で、「東京都の地価動向」(下図)を見ると、同年7月~10月の間で、東京都区部の地価変動率がどれくらいあったかを知ることができます。番町、虎の門、六本木、表参道がオレンジ色の矢印マークとなっており、3%以上~6%未満の地価変動率を示しています。
地価LOOKレポート1
出典:主要都市の高度利用地地価動向報告~地価LOOKレポート~(国土交通省 2015年11月)
また、同レポートには、下記のように主要都市の不動産価格動向の報告が掲載されています。千代田区、中央区、港区などをはじめとした都心の動向について、利回りや取引件数、鑑定評価員からの詳細なコメントなどが掲載されていますので、不動産価格の動向の先行指標として参考になるでしょう。
地価LOOKレポート2
地価LOOKレポート3
出典:主要都市の高度利用地地価動向報告~地価LOOKレポート~(国土交通省 2015年11月)

まとめ

不動産投資を考える際には、今回挙げたような複数の指標から不動産市況のトレンドを把握し、今後の見通しを立てる上で参考にされることが大変重要になります。機会があるときにでも、ぜひご自身の目で直接確認してみてください。