出口戦略の重要性とは? 物件を解体して売る場合と物件ごと売る場合を考える

不動産投資の出口戦略として、築年数の経過した不動産物件を売却する場合、解体して売る方法と、物件を残したまま売る方法があります。
どちらのメリットが大きいかは簡単に判断できず、個々の物件や周辺の状況によって異なります。ここでは築古物件を含む土地の売却に関して知っておくべき知識をお伝えします。

1. 解体する場合は費用の把握と準備を

そのままでは住めないほどの築古物件ならば、たいていの場合、更地にして売却することになります。その場合、解体費用が大きな問題となります。
解体業者のホームページなどで提示されている費用はあくまで目安のものです。物件構造の違いや隣家との距離や状態などによっては、解体工事の技術や時間がかかるケースもあり、そのような場合は、費用が高くなります。表示価格の倍ほどの見積書を出されることも少なくないようです。簡単に解体できるものと考えずに、必ず現地調査による見積を取り、解体費用を把握しておきましょう。
手持ちのお金で解体費用が賄えない場合の対応方法もあります。
一つは売却価格に解体費用を上乗せする方法です。この場合、物件の広告には「更地引き渡し」と記載し、買い主が見てすぐ分かるようにしておきます。
もう一つは、最近多くの金融機関が始めている「解体ローン」です。通常、融資額は上限200万円ほどで審査基準も住宅ローンのように厳しくないので、解体して更地で売り出せばすぐに売れそうなエリアであれば活用を検討してみるのも良いでしょう。

2. 更地にすると税金が増える

2. 更地にすると税金が増える
築古物件を解体して売り出したいとお考えの場合、住宅の解体費用も掛かりますが、その後の税金の支払いも増えることを理解しておいてください。およその数値ですが、更地にすると住宅が建っていた場合と比べて、固定資産税・都市計画税が3~4倍に増えます。
それは更地になると、住宅用地の特例措置が適用されなくなり、固定資産税・都市計画税が1/6に軽減されなくなるからです。なお、ここから更地になると固定資産税が6倍になるという話がありますが、そこまでの開きは生じません。それは、更地では、商業地と同様に非住宅用地と評価されることになり、負担調整措置が適用されるためです。
非住宅用地では、地価公示価格の7割が固定資産税の価格とされます。その価格が本則課税標準額となり、さらに負担調整措置としてその価格の7割が上限価格とされています。つまり、非住宅用地(商業地)では、前年度の課税標準額が7割まで引き下げられ、さらに固定資産税価格の0.7(地価公示価格の0.7×0.7)が上限価格となるためです。
住宅用地の1/6の減額適用が除外されても、地価公示価格の0.7×0.7となるので、建物がある場合と更地を比較すると、固定資産税・都市計画税の差が3~4倍程度になると覚えておきましょう。

3. 物件によっては解体が難しいケースもある

既存物件の解体費用が調達できても、簡単に解体できないケースがあります。原因は物件の立地です。
最も多いのは、物件周辺の道幅が狭い場合です。
建築物の解体のためには、重機の搬入や解体した木材やコンクリートの搬出が必要となりますが、土地の前面道路や物件までの道があまりにも狭ければ、重機やトラックが搬入できず、解体ができないこともあります。
仮に解体が可能でも、作業効率の悪い小さな重機を使うことになる場合や、近隣の協力を得る必要があり、時間とお金がかかります。

4. 築古物件の仲介に強い会社を見つけること

4. 築古物件の仲介に強い会社を見つけること
築何十年というものではないが、かといって築浅とはいえないような物件は、更地にするべきかそのまま売却するべきかという判断が難しくなります。
そこで頼りになるのが、不動産仲介会社の中でも築古や更地の仲介に強い会社です。
自分たちが仲介手数料を得るためにも、どちらの方法が売れやすいかを様々な要素から検討してくれるので、その戦略も参考になる場合が多いでしょう。
ただし、早期売却を目論んで、売却価格を下げてしまう仲介会社もあります。時間的な猶予があるならば、売り急がず少々時間がかかっても有利な条件で取引を進めてもらえるように依頼しましょう。

5. 古家付で売却しなければならない場合

築30年超などの築年数が経過している物件を売却する場合、物件の状態によっては値切られることがあります。
買い主の立場で考えれば「築古がある」というだけで、解体費用を念頭に置いて購入金額を検討するでしょう。値切られることを見越して売却価格を高めに設定して売り出したところで、高すぎると判断されてしまえば結局は売却できません。
最近は、中古住宅の流通を促進させるために、国交省が住宅の状態や性能を評価したり、また、メーカーや不動産業者も、中古住宅で適切な建物価値を評価したりという機運が出てきています。そのため、築年数が経っていても、状態のよい住宅や建物の機能や性能が評価できる住宅の場合は、適切な価格で算定される可能性もあります。少しでも高く売りたいならば、将来の出口戦略を意識して物件のメンテナンスには注意を払っておきましょう。

まとめ

今回は築古物件の売却時に考えておくべきポイントをいくつかご紹介しました。
物件を更地にするか、そのままにするかという判断の一つの尺度は築年数です。築年数が20年以内でしたら、更地にしないほうが良いかもしれません。築30年ぐらいなら、建物を解体し、更地にすることを検討すべきです。築40年超になったら、更地にした方がメリットは大きくなるでしょう。いずれにしても、売却までの期間や費用が関係します。築古物件の仲介に強い会社を探して、相談をすることをお勧めします。