知っていますか? 不動産でもFXでも使えるレバレッジの話

不動産投資では、「レバレッジ」という言葉が使われることがあります。レバレッジとは、「てこ」を意味しています。理科の授業で、「てこの原理」を習ったことがあると思います。てこを使えば、小さな力で大きな物が動かせます。
転じて投資の世界では、不動産投資やFX(foreign exchangeの略で、外国為替証拠金取引のこと)などで、「レバレッジ」と言うと、「少ない資金を元手にして、大きな資金を動かすこと」を指すようになりました。

FXにおけるレバレッジ

FXの基本的な仕組みとともに、FXにおけるレバレッジについて考えてみましょう。
FXでは、取引会社に証拠金として預け入れた自己資金を元手に、証拠金の等倍~数十倍(2016年2月現在は25倍まで)の金額で、別の通貨を購入する事が可能です。これが、FXにおけるレバレッジであり、倍率の数字を用いて「レバレッジ○倍」という表現をします。
では、なぜFXではレバレッジを効かせた取引が可能なのでしょうか。その理由はFXの決済方法にあります。
通常、株式などの金融商品を売買する場合、現物の受け渡しはその都度行います。しかしFXは、取引で生じた差額分だけを決済する「差金決済」という方法をとっています。
例えば、1ドル120円のレートのときに、1万ドル(約120万円)分を買ったとします。その後、レートが1ドル125円になったときに1万ドルを売って決済すると、125万円になります。このとき、購入金1万ドルの支払いは保留のままで取引が行われ、売買後に購入金と売却金を相殺し、差額である5万円だけを受け取ります。差金決済とは、こういうシステムなのです。
そして、FXは差金決済を採用しているからこそ、レバレッジを用いた取引が可能となっています。FXにおいてレバレッジを用いた取引を行うと、利益や損失の額も大きく変動します。例えば、20万円の証拠金で10倍のレバレッジをかければ、200万円分の取引を行うことが可能で、儲かれば利益も10倍ということになります。
一見すると良いことばかりに思えますが、利益と同様に損失もレバレッジの分だけ膨らんでしまいます。ですから、為替レートが急激に下がれば大損してしまうこともあるのです。しかし実際には、含み損が一定額を超えると自動的に強制決済が行われ、証拠金以上の損失が出ないようにする「ロスカット」というシステムが存在し、投資家が大きな損失を被らないようになっています。

不動産におけるレバレッジ

不動産におけるレバレッジ
それでは、不動産投資におけるレバレッジがどうなっているかということに話を移しましょう。「少ない資金で大きな投資を行う」というレバレッジの基本的性質は、不動産投資でも変わりません。物件を担保にできる不動産投資では、自己資金が少なくても、高額物件を買うことが可能です。
例えば、100万円の自己資金で2,000万円の物件を購入すれば、それはレバレッジ20倍ということになります。この場合、毎月の家賃収入からローンの返済を行うのが一般的です。
レバレッジを効かせた投資という点では同じでも、不動産投資とFXでは決定的に違う点があります。ひとつは自動的にロスカットされないということです。不動産の物件価格も常に同じとは限りません。その時々の経済状況など、何らかの要因で物件価格が下がることは十分にあります。
しかし、不動産担保のローンの場合は毎月きちんと返済すれば、ローンを借り続けることができます。また、物件の借り手がいなくなって家賃収入がなくなった場合でも、自己資金で毎月のローンの支払いができれば問題ありません。
ローンの返済が滞って、物件を差し押さえられたり競売にかけられたりしたときに、ようやく「ロスカット」と同じような状態になるわけで、自ら売却でもしない限り物件価格が下がっても損は確定しません。言い換えると、FXなどに比べて不動産投資のレバレッジはコントロールがしやすいということです。
FXなどに代表される金融商品は、リーマンショックのようなマーケットの急激な変動で多額の評価損が発生する可能性があります。場合によっては、運用が続けられないかもしれません。
しかし、不動産はFXと違ってマーケットの急激な変動に比較的強いと言えます。極端な話ですが、マーケットが急激に変動しても投資先の不動産がなくなるという事態さえ起こらなければ、おそらく致命傷には至らないからです。
だからといって、不動産投資にも全くリスクがないわけではありません。物件の借り手がつかなくなり、家賃収入がずっと0円になるというリスクはあるのです。しかしFXなどの金融商品に比べれば、リスク要因は非常に小さいと言えるでしょう。

まとめ

以上のように、FXでも不動産投資でもレバレッジのメリットがあります。不動産投資でのポイントは以下の3つです。
・不動産投資においても、自己資金とローンの組み合わせでレバレッジを用いた取引が可能である。
・レバレッジをうまく使うことで、少ない資金から大きな利益を得ることができる。
・FXとは違って基本的にロスカットはなく、レバレッジはコントロールしやすい。
ぜひ、上記の点をよくご理解の上で、ご自身の投資や資産運用に「レバレッジ」をご活用ください。