2015年をにぎわせた、5大不動産ニュースを振り返る!

2015年の日本の不動産業界では、さまざまな出来事がありました。2015年に起きた5つの不動産ニュースを振り返るとともに、政府や省庁、経済の動きなどの影響を受けて、日々動向が変化する不動産業界の2016年の動向を予測します。

1. 日銀の異次元金融緩和「黒田バズーカ」の継続

アベノミクスの金融政策の一つ、日銀の異次元金融緩和は、2013年4月に第一弾が実施され、2015年10月に第二弾、続けて12月に第三弾となる「補完措置の導入」が発表されました。現在も継続中の「黒田バズーカ」は2015年の不動産投資や住宅ローンに大きな影響を及ぼしました。
日銀の積極的な金融緩和により、不動産投資家は、物件購入のための資金調達がしやすい状況です。また、2016年2月16日からマイナス金利が実施されており、住宅ローン金利を引き下げた銀行も現れています。2017年4月には消費税が10%に引き上げられる予定ですが、その前までに住宅を購入することを検討する人たちが増えると予想されています。

2. タワーマンション節税の監視強化

2015年1月に施行された改正相続税法で相続税は増税となりました。敷地面積に対して部屋数の多いタワーマンションの部屋を購入し「家屋」として相続させると相続税評価額が低くなり、支払う相続税の金額を低く抑えることができます。そのため、高価格帯で販売されているタワーマンションの高層階の部屋を、相続税対策のために購入する富裕層が増えていました。
しかし2015年9月、このような事態を重く見た国税庁が全国の国税局に対して「行き過ぎたタワーマンションの節税策が行われていないか厳しくチェックし、著しく不適切なケースが見られた場合には個別に評価を行う」という通達を出しました。
2016年に入り節税目的でのタワーマンション購入を防ぐために、「2018年頃から高層マンション上層階の相続税評価額を引き上げる方針を検討している」ということが総務省と国税庁から発表されました。これにより、タワーマンション購入による節税効果は、かなり低くなることが予想されます。

3. 中国系投資家による不動産の「爆買い」

3. 中国系投資家による不動産の「爆買い」
2015年の流行語大賞にもなった「爆買い」ですが、中国や台湾などの外国人投資家が日本の家電製品や日用品、食品などに限らず、日本の不動産、特に東京の不動産を積極的に購入する様子が見られました。
その理由としては、
・円安が続いていること
・2020年の東京オリンピックの開催決定
・日本の不動産の利回りが中国や台湾に比べて高いこと
などが挙げられます。
最近の中国は経済成長の鈍化で、不動産市場が低迷しています。このため、利回りが高く、割安感のある東京の不動産に魅力を感じているようです。2008年の北京オリンピックで北京の不動産価格は上昇しました。そうした「バブル体験」も影響しているようです。
2016年に入ってからは、中国当局による外貨持ち出しの監視が一段と厳しくなったこともあり、2015年のようなバスツアーで都内の不動産を「爆買い」するほどの「勢い」は見られていないものの、中国系投資家による日本の不動産への投資は続くでしょう。

4. Airbnbによる経済効果、民泊の規制緩和

個人のアパートやマンション・一戸建てを有料宿泊施設として貸し出す、空き家仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」。アメリカ生まれのこのサービスが日本に上陸したのは2014年でした。2015年には、Airbnbがもたらす経済効果は2,219億円にのぼると発表されました。
2015年は、100万人もの旅行者が日本国内のAirbnbを利用しています。その大半は外国人観光客だったそうです。2015年に日本を訪れた外国人観光客の数は1,973万人を突破、今年は2,000万人超えが予想されており、Airbnbの利用者はさらに増えると思われます。
本来、Airbnbのような民泊を実施するには旅館業法に基づく届け出が必要とされていますが、帳簿の設置義務や客室面積の規定など、一般の住宅では民泊の運営が認められにくいのが現状です。そのため、Airbnbのサイトに掲載されている物件の大半は無許可営業の状態です。
しかし、こうした状況を解消するために日本政府は2015年から有識者会議を開いて、民泊の規制緩和について話し合いを進めています。2016年1月には、民泊を合法的に行うことができるように客室面積の基準を変更する方針が打ち出されており、今春にも規制を緩和する改正案が発表されそうです。
また、安倍政権が推進する構造改革・規制緩和の一環で設置されている国家戦略特区では、旅館業法を適用除外する事も可能です。国家戦略特区である東京・大田区と大阪府では、民泊を認める条例を可決しており、大田区は2016年2月に条例を施行、大阪府も4月に施行する予定です。

5. 横浜市の傾斜マンション問題

5. 横浜市の傾斜マンション問題
2015年10月、横浜市都筑区にあるマンションで判明した「杭うちデータ偽装・改ざん」問題は衝撃的でした。業界最大手のデベロッパーが開発したマンションが傾斜し、その原因が大手企業子会社の社員によるデータ改ざんにあったため、大きな話題となりました。
事の発端は、4棟あるうちの1棟において、渡り廊下部分のつなぎ目が約2cmずれていたことを発見した住民からの報告でした。建物が傾いていた原因は、打ちこまれた数十本の杭のうち、打ちこみ不足で固い支持層まで届いていなかったという施工不良によるもの。さらに、打ち込みを担当していた2次下請け会社の社員が、他の棟のデータを無断で流用し、改ざんしていたことも発覚しました。
新聞などの報道によると、年末年始に行われた住民へのアンケートでは、約9割の住民が「全棟建て替え」を希望しているそうです。正式な対応はこれから決定されますが、全棟建て替えの場合には、約300億円超の費用負担が生じるとの試算結果が出ています。

まとめ

2015年、不動産関連の印象的なニュースは5つとなりました。
2016年は、今月から実施された日銀のマイナス金利導入や、今春にも発表される予定の民泊の規制緩和策などが、不動産市場や業界の動向に大きな影響を与えることになりそうです。今後の動向にも注目していきましょう。