アパート・マンション経営者から見た「連帯保証人」を正しく理解していますか?

アパート・マンションの経営では、入居者の様々な事情により家賃が支払われないというリスクがあります。そこで通常は、賃貸借契約を締結する時に入居者に連帯保証人を立ててもらい、家賃の回収が不能になるリスクを回避します。
今回はこの連帯保証人の制度について確認していきましょう。

連帯保証人とは

「連帯保証人」とは、アパート・マンションの入居者が家賃を滞納したり、負担すべき修繕費を支払わなかったりした場合に、入居者に代わって支払いの責任(債務)を負う人をいいます。もし入居者が突然家財道具をそのままにして退去してしまった場合なども、その後の処理を行う義務があります。
アパート・マンションの経営者にとって入居希望者の判断を行う際、この連帯保証人の身分を確認することが重要になります。

「保証人」と「連帯保証人」の違い


「保証人」と「連帯保証人」の違い
連帯保証人としばしば比較されるのが「保証人」です。両者にはどのような違いがあるのでしょうか。
まず、債権者(アパート・マンション経営者)から入居者に代わって家賃を支払うよう請求があった場合、保証人の場合は民法上断ることができます。これに対して連帯保証人の場合は、断ることができません。
また、入居者が家賃を支払わない場合にもし入居者が財産を所有していれば、保証人はその差し押さえを主張できます。しかし連帯保証人の場合は、このような主張もできません。
さらに保証人は、複数の保証人がいた場合、債務を分割することができます。入居者の家賃滞納額が50万円であっても、保証人が2人いれば、25万円を各々が保証すれば良いのです。これに対して連帯保証人の場合は、複数いてもその一人一人が全額を保証する義務があります。
先ほどの例ですと、2人とも連帯保証人として、それぞれが50万円に対する保証義務を負っています。また、債権者は債務者でも連帯保証人でも、どちらでも好きなほうに請求する権利があります。つまり、債権者から見ると、債務者=連帯保証人という関係にあるのです。
このように、保証人と連帯保証人の扱いは大きく異なります。連帯保証人の責任は重く、基本的に債務者(入居者)と同じ支払義務が生じることになるのです。



連帯保証人の審査基準

アパート・マンションの経営者にとって、連帯保証人の審査基準をどうするかは入居者管理のうえで重要なポイントとなります。
連帯保証人の基準を厳しくしすぎると、入居者は集めにくくなります。逆に基準を緩くすると、家賃回収不能のリスクが高まります。アパート・マンションの稼働率の問題に直結するため、判断が難しいところです。
入居者の管理を管理会社に依頼している場合、連帯保証人の審査基準の設定や判断を管理会社に任せているケースもあります。もし入居者がなかなか集まらない場合は、立地条件や周りの環境の問題だけでなく、この審査基準が厳しいことも理由の一つかもしれないため、一度確認してみるべきでしょう。

連帯保証人としての必要条件

連帯保証人としての必要条件
通常、連帯保証人になるには、印鑑証明・収入証明・保証人承諾書への実印の押印が必要になります。ただし、連帯保証人は家賃の肩代わりを行う立場にあり、相応の収入があることが前提です。必要な書類が揃っていても、年金生活者などでは、連帯保証人になれないことがあります。

連帯保証人代行の家賃保証会社の活用

たとえ入居を希望する本人に問題がなくても、連帯保証人の条件を満たす親族がいない場合や外国人である場合は、連帯保証人を立てられないケースがあります。
この場合、アパート・マンションの経営者は入居希望者に、家賃保証会社に加入できるかどうかを確認しましょう。家賃保証会社とは、連帯保証人を代行する会社です。
ただし、管理会社によっては保証会社に加入し、かつ連帯保証人を立てなければ入居が許可されないというケースもあります。この場合は、入居希望者が安定して家賃を払ってくれそうな人であれば、アパート・マンションの経営者から管理会社に、入居の審査基準を緩めるよう働きかけることも必要になります。
また、経営者ご自身も家賃保証会社について調べておき、連帯保証人が立てられない入居希望者には保証会社を紹介して、自らが入居可能かどうかを提案してみるのも良いでしょう。

まとめ

連帯保証人の問題は、特に単身世帯が多い傾向にある近年、切実な問題といえます。
アパート・マンションの経営者にとっては、1人でも多く入居者を集めて、稼働率を高めたいところですが、家賃収入の確実な回収も大事です。連帯保証人の審査基準に関しては、管理会社とよく協議しながら決めることをお勧めします。