不動産投資の新手法・Airbnbを利用する前に知るべき3つのこと

不動産投資家の間で「Airbnb」という言葉が急速に広がっています。Airbnbは世界最大手の空き家仲介プラットフォームで、世界190か国以上に登録物件を持ち、日本国内でも登録件数が急増しています。
政府が民泊の規制緩和の方向で進む中、不動産投資物件の新たな運用方法として期待できるAirbnbですが、実際に始める前に知っておかねばならないポイントがいくつかあります。ここで詳しく説明いたします。

1. Airbnbで貸し出す物件が適法か?

Airbnbを利用する前に、法律や規制がどうなっているのかを確認しておくべきしょう。有料で継続して宿泊サービスを提供す場合、民泊は旅館業法違法です。ただし、国や自治体は、これを回避するための法改正や条例化の方向で進んでいます。
民泊合法化のアプローチとして、国家戦略特区内での条例化が挙げられます。現在は旅館業法違反となる民泊を、国家戦略特区の特例で、旅館業法の適用除外にします。国家戦略特区のひとつである大田区はこの2月に、 (1)旅行客が7日以上滞在 (2)必要に応じ行政が立ち入り調査 (3)近隣住民への事前周知などを条件に、民泊事業を認める条例を施行しています。
また、特区方式とは別に、国土交通省と厚生労働省が2015年11月、有識者会議を立ち上げて全国を対象にしたルールづくりを始め、2016年4月1日に旅館業法の省令が改正されました。この改正により、延床面積と(玄関帳場)フロントの設置義務が緩和されることとなりました。「簡易宿所」は一律33平方メートル以上の延床面積が必要でしたが、宿泊客が10人に満たない場合、一人あたり3.3平方メートルの広さがあればよいと改正されたのです。また、フロントの設置義務については、緊急時対応の体制を整えていれば設けなくてもよいこととなりました。この2点の改正により、民泊の許可は今までより格段にとりやすくなったといえるでしょう。
2015年12月7日の日本経済新聞によれば、カプセルホテルなどと同様に「簡易宿所」という扱いで、宿泊日数に制限はなく、日本人も含め幅広く利用できる見通しですが、一定の防犯・防火対策を求められる可能性があると報じられています。ただし、今年の秋の有識者会議の報告を踏まえてから法改正という段取りなので、実際はしばらく先になりそうです。
ですので、Airbnbなどによる民泊が可能な物件は、国家戦略特区に選ばれた自治体で、民泊に関する条例が定められて、その条例を順守できるかどうかで適法か否かの判断がつくことになりそうです。
しかし、特区以外のエリアでもAirbnbのホストが急増しているのが実態で、中には、民泊を宿泊業ではなく、賃貸業に近いものと位置付けて正当化する手法を取っているところもあります。実は民泊と短期賃貸業に属するマンスリーマンションの境界線は曖昧で、もし民泊を短期賃貸業として捉えることができれば、民泊は違法行為になりません。例えば、1カ月の賃貸契約を結んだり、国家戦略特区であれば7日間以上の宿泊の申し込んでもらったりして、まずは部屋を提供し、後日、残りの日数をキャンセルしてもらうようなやり方をしているところもあるようです。

2. 賃貸よりも収入増は期待できるが、一般宿泊施設並みの管理が必須

2. 賃貸よりも収入増は期待できるが、一般宿泊施設並みの管理が必須
Airbnbでは、利用者は簡単な利用登録の後、パソコンやスマートフォンから、どこにいても宿泊先を予約できます。利用者の感想は口コミとして反映されるため、人気の物件になると、半年以上前から予約が入ることも珍しくありません。
部屋の所有者(ホスト)は、Airbnbとして部屋を提供する場合、予約した利用者(ゲスト)とメールのやり取りや鍵の受け渡しなどの作業が必要となります。
また、1泊当たりの宿泊代金の相場は、家賃の約1割と言われており、Airbnbで人気が出れば、部屋を賃貸物件で貸し出すよりも多くの収入が期待できます。部屋の見せ方やインテリア、料金やサービスなどの工夫で、利用者を増やせばさらに収入をアップさせることも可能です。
一方、賃貸物件と違って宿泊施設として部屋を提供するので、宿泊前後に部屋の清掃や整頓が必要です。Airbnbのサイトでは室内写真が掲載されますが、綺麗な室内の写真を載せていながら部屋の清掃などを怠っていると、いくら好立地の良い部屋だったとしても「写真と違った」などと利用者に悪い口コミに書かれてしまう可能性があります。
また、海外の利用者が多いので、英語でやりとりする必要があることや、部屋の管理のために手間と時間が掛かることは想定しておくべきです。アメニティなどの備品は切らさずに補充し、キッチンなどの水回りや冷房・暖房器具も、利用者に不便を掛けないように毎回使えるかどうかをチェックする必要があります。
最近では、メール対応や部屋の清掃などを格安で行ってくれる代行会社出てきています。Airbnbなどで本格的に不動産投資物件を民泊に利用したいのであれば、管理会社を検討してみるのも良いでしょう。

3. 利用者がトラブルを起こした場合のリスクも想定する

3. 利用者がトラブルを起こした場合のリスクも想定する
Airbnbに登録できる部屋の種類には、シェアルーム・個室・貸切の3タイプです。基本的に宿泊中の部屋の使い方はゲストに委ねられています。また、部屋を貸し出すホストも、部屋の使い方については、きちんとルールを定めているケースがほとんどです。
しかし、中にはルールを守らない人もいます。
例えば、日本に留学中の友人を呼んで、深夜に大人数で部屋に出入りしたり、帰ってきた近隣住民にしつこく話しかけたり、共用部にゴミを捨てたりする利用者のことが問題になりました。カナダではAirbnbの部屋でパーティーを行い、盛り上がりすぎた利用者が、部屋の設備をめちゃめちゃに壊してしまったという事例もあります。
Airbnbの部屋で、事件や事故が起きてしまう可能性もゼロではありません。
アメリカのテキサスでは宿泊先の庭で利用者の男性が事故死したケースがあります。台湾のアパートでは、カナダ人利用者が部屋の中で一酸化炭素中毒になり、死亡しました。日本でも2015年7月、渋谷区の12階建てのマンションで、Airbnbの部屋に宿泊していた中国人の4歳女児が窓から転落して死亡しています。
こうした事故が起きた場合、そのことで、直接的に物件オーナーが責任を問われることはないでしょうが、事故の影響でマンションの物件価値が下がったりした場合は、何らかの責任を問われる可能性があります。不特定多数の人が利用する以上、トラブルや事故・事件の起こるリスクがあるということを強く認識しておくべきです。

まとめ

インバウンド需要の高まりと2020年の東京オリンピック開催に向けて、民泊の規制緩和について、政府は協議を進めています。2016年中に個人による民泊サービスの提供が、2018年には、法人による民泊が合法化されると見られています。2015年、日本で100万人以上の旅行者が、国内のAirbnb物件に宿泊しました。また、Airbnb導入による年間の経済効果は2,219億円になると発表されています。今後、さらなる需要増が予想されるAirbnbですが、不動産投資物件をAirbnbで利用する場合、通常の賃貸物件とは異なる手間やリスクがあることを、良く理解しておいてください。