ITで不動産業界の常識を変える! 徹底したクラウド化で低価格化を実現

不動産業界はこれまで、他の業界と比べて保守的で、デジタル化が遅れている傾向にありました。そのため不動産業は情報の非対称性が高いという問題を抱え、消費者への情報が不足していたのです。
しかし、ここ数年で不動産業界でもIT化が進んできました。テレビCMも放映された、スマホアプリによるアパート経営オンラインプラットフォーム「TATERU」をはじめ、IT技術を駆使したユニークなサービスが続々と登場しています。
ところで、不動産業界にITの力を取り入れると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ビジネスのIT化・クラウド化により、人件費や管理費の削減が可能に

ビジネスのIT化・クラウド化により、人件費や管理費の削減が可能に
2015年9月から2016年1月にかけて、国土交通省で「ITを活用した重要事項説明に係る社会実験」が行われ、全国の不動産会社246社が参加しました。
現在の法律では、賃貸契約の際に顧客が不動産会社に足を運び、宅地建物取引士と所有者と直接顔を合わせて、重要事項説明が行われることが義務付けられています。今回は、インターネットを使用し、テレビ電話などを利用する事で、重要事項説明を行うことが試されました。
直接会っていないため、双方の間で、説明不足や理解不足などのトラブルが起きる懸念はあります。しかし、このサービスが本格的に開始されれば、顧客はわざわざ不動産屋に行く手間がなくなりますし、業者としても、支店ごとでなく、1か所に宅建資格の保有者を集めて、ITを使って全国の顧客とやりとりを行えるようになれば、人件費が削減できるかもしれません。
こうした例を挙げるまでもなく、すでに日本の労働市場では、数年前からクラウドソーシングが急速に拡大しています。

金融とIT技術の融合「FinTech(フィンテック)」に続き、「不動産テック」が登場

金融とIT技術の融合「FinTech(フィンテック)」に続き、「不動産テック」が登場
2008年のリーマンショック以降、米国では従来の金融業界に疑問を持ったトレーダーや投資家などが増えました。こうした流れは2014年に入り、「フィンテック」と呼ばれる金融(Finance)とIT技術(Technology)を組み合わせた新たなビジネスを生み出しました。パソコンやスマートフォンなどで利用ができる様々な金融サービスが登場しています。
フィンテックは主に米国で先行して展開されていましたが、最近は日本国内でも資産管理を行えるアプリなどのサービスが始まっています。
たとえば企業に欠かせない会計システムでは、全自動のクラウド会計ソフト「freee(フリー)」や「MFクラウド会計」が有名です。個人経営や小規模の会社でも、安くて使い勝手のよい会計システムをインターネット上で利用できるような状況にあります。
そして、不動産業界もフィンテックのように不動産ビジネスとIT技術を組み合わせた「不動産テック」のサービスが登場し、話題となっています。
不動産テックのサービスは多岐にわたり、所有する物件の市場価値をインターネットで調べられるサービスや、借主や複数の業者とのやりとりをシステム上で自主管理できるクラウドサービスなどがあります。
こうした不動産テックの登場により、消費者はデータ分析サービスを物件購入の参考にしたり、手間のかかる投資物件の管理業務をクラウドサービスの利用で自主管理にしたりすることが可能になっています。
保守的な不動産業界に新風を送り込む不動産テックですが、まだまだ課題も多いようです。誰でも気軽に利用できるので、不動産投資の知識がない消費者がサービスを利用した際に予期せぬトラブルが発生する可能性や、不動産テックを利用する人と利用しない人の間で、情報の非対称性がさらに高まる可能性が指摘されています。

まとめ ─IT化で不動産投資がより身近なものに

不動産ビジネスがIT化すると、不動産会社は人件費などのコストを削減することができます。また、顧客は従来よりも手軽に、より便利で良質なサービスが受けられるようになるでしょう。物件管理にもインターネットやスマートフォンを利用したサービスが当たり前になってくると予想されます。
「不動産テック」のサービスを提供する企業が増えることで、これまで不動産投資の経験がなかった人にも不動産投資がより身近なものになり、参入のハードルもより低くなるのではないでしょうか。