空室をAirbnbで運用してしまう方法 − 高稼働率も夢ではない

政府は2015年から、訪日観光客の宿泊施設不足の解消や、東京オリンピック対策のため、一般の住宅を有料で宿泊施設として運営する「民泊」の規制緩和について話し合いを行ってきました。
規制緩和が実現すれば、アパートオーナーの皆様は、現在所有しているアパートの空室を、Airbnbなどの「民泊」で運用できる可能性が高まります。

東京オリンピックでは約1万室の宿泊施設が不足する

2016年1月の訪日観光客の数は約185万2000人で、前年同月比52%アップでした。年間の訪日観光客数も2013年に1000万人を突破してからここ数年で急増しており、今年中には2000万人を突破することが確実と言われています。
一方で、2020年の東京オリンピック開催時には、約1万室の宿泊施設が不足するのではないかと懸念されています。2008年の北京オリンピックでは、複数のホテルが新設されましたが、オリンピック終了後には稼働率が下がってしまったということもあり、日本のホテル業界は、新たなホテルの建設に慎重になっているということも背景にあります。

現行法では一般住宅で民泊は難しい

現行法では一般住宅で民泊は難しい
現在、「民泊」を一般住宅で行うためには、旅館業法上の許可が必要です。許可を受けるためには旅館業法で定められた基準をクリアする必要があります。客室面積などの構造設備上の基準、帳場設置義務など複数の基準が定められており、通常のアパート・マンションなどで民泊の運営許可を受けることは実質的に難しい状況にあります。
2008年にアメリカのサンフランシスコで創業された「Airbnb」は、すでに民泊の代名詞のようになっています。現在、世界190か国以上に登録物件を持つ世界最大級の空き部屋仲介サイトです。日本国内でAirbnbのサービスが始まったのは2014年ですが、現在すでに47都道府県すべてにAirbnbの登録物件があり、日本は世界で最もAirbnbが急速に広まっている国の一つとされています。
国内のAirbnb登録物件を見てみると、アパートやマンション、一軒家など様々ありますが、そのほとんどが現在の法律で定められた基準には達しておらず、実質的に無許可運営されています。

明確なルールを決めてAirbnbの運営を認めている国も増えている

しかし、訪日観光客が急増している昨今、Airbnb登録物件の存在が宿泊施設不足解消に役立っている事実は誰も否定できないでしょう。Airbnb本社によると、日本国内でAirbnbがもたらした経済波及効果は、年間で約2220億円に上ったそうです。
旅行好きの外国人の間では宿泊施設の選択肢として、ホテルや旅館だけでなく、Airbnbの登録物件を利用することは、もはや当たり前と考えられています。
Airbnbの母国アメリカや、世界中から観光客が訪れるヨーロッパなどは、州や自治体レベルで民泊に関するルールが取り決められ、合法的に運営されています。宿泊税の徴収や宿泊日数の規定などルールは様々です。例えばオランダのアムステルダムは、ルールに違反したホストがいた場合は、登録物件の取り消しを行うようAirbnb側と約束を交わすなど、厳しいルールを設けている所も多くあります。
日本では、これまでAirbnbなどの民泊について、明確な運営ルールが決まっていなかったため、政府側も黙認してきました。しかし近年は、Airbnb利用者のトラブルや、近隣住民の反対の声が高まるなど問題が出てきたため、ルールを定めて民泊を合法的に運営できるようにするため、話し合いを進めています。

2016年4月の旅館業法改正後は、空屋をAirbnbで運用しやすくなる

2016年4月の旅館業法改正後は、空屋をAirbnbで運用しやすくなる
民泊の規制緩和については、観光庁と厚生労働省の間で話し合いが行われ、旅館業法の一部が2016年4月1日から改正・施行されました。その内容は、民泊を旅館業法における「簡易宿所」扱いとし、これまでは「客室面積が33平方メートル以上あること」が条件であったのを、「収容定員が10人未満の場合は3.3平方メートル × 収容定員」にするなど基準を引き下げるというものです。
この法案が施行され、アパートなどの空室をAirbnbで運用しやすくなります。もちろん、規制緩和が行われたからといって、誰でもすぐに運営できるわけではありません。運営許可を受けることはもちろん、家具や家電、備品などを買い揃える必要がありますし、利用者とのやりとりや鍵の受け渡し、清掃や備品の補充など、賃貸物件として部屋を貸し出すよりも手間やコストがかかります。
しかし、もしも投資物件が民泊で人気の部屋となり、稼働率が高まると、家賃収入よりも多い収入が得られることになるでしょう。Airbnbの人気物件の多くはほとんど空室がなく、半年以上先まで予約で一杯になることも少なくありません。
なおAirbnbの宿泊料金の1泊あたりの相場は、家賃の1割程度と言われています。Airbnbに物件を登録し90%程度の稼働率で運用した場合、賃貸収入に比べて、月次で2~3倍売り上げを増やすことも夢ではありません。利用者との連絡や清掃業務など代行する会社もあるので、あなた自身の手間が増えることなく、長期運用が可能です。

まとめ

Airbnb登録物件の稼働率は、サンフランシスコを例にすると、平均で月80%程度と、同市内にあるホテルと同程度の水準を誇っています。東京の稼働率は、現在、平均で月60%程度となっていますが、民泊の規制緩和が実施されれば、登録物件数、利用者ともに増加して、稼働率がアップすると考えられます。
国家戦略特区で旅館業法の適用除外となっている東京の大田区では、区の民泊条例が施行され、2016年2月、2件の物件が日本で初めて正式に民泊営業の許可を受けました。今後「民泊」は、私たちにとってより一般的で身近な宿泊サービスとなるでしょう。また、旅館業法改正後には、アパートの空室をAirbnbで運用するという手法が、新たな空室対策として広まる可能性が高まりました。