不動産投資にオススメの物件は「木造・S造・RC造」どれがいいのか?

一般的な住宅の建築構造には、木造・S造(鉄骨造)・RC造(鉄筋コンクリート造)の3種類があります。そう聞くと、「建築構造に投資物件としての向き・不向きはあるのか?」と考える方があるかもしれません。
結論を言ってしまうと、建築構造で投資の向き・不向きは決まりませんが、各々の投資戦略に適した建築構造の種別は変化するということです。
ここでは、「構造」的、「会計」的、「リーシング」的な3つの側面から、投資戦略に対する建築構造の向き・不向きを考えてみます。

建築・維持費とも安価な木造、高コストのRC造

まず、構造的側面から考えてみます。上述の通り、建物の主な構造には、木造・S造・RC造がありますが、それぞれで建物の「ライフサイクルコスト」が異なります。
建物のライフサイクルコストとは、建設費をはじめ、水道光熱費、保守・点検・清掃費などの運用維持管理費用、修繕・更新費用、解体処分費や税金・保険費用までを含む、建物の計画・建設から解体までに掛かる費用すべてのことを言います。
建物は一般的に、竣工後から解体廃棄されるまでの期間に、建設費のおよそ3~4倍の費用が掛かると言われています。ただ、建物の運営や修繕更新をいかに計画的に行うかによって、発生する費用や建物の寿命は大きく変化しますので一概には言えません。
このライフサイクルコストについて、構造別の特徴を見てみましょう。
木造は、RC造などと比べて建設コストが安いため、物件価格が低くなること、修繕がしやすいことが特長として挙げられます。さらに解体コストも安く、建て替えや、更地にして売ることも比較的容易です。また、木造ではRC造の建物にある各種付帯設備が必要ありません。
管理費の面については、木造建築は、構造的に大規模化できないという制約があるため、受電設備、受水層、エレベ-ターなどは不要になります。また建物規模が小さい分、共用電灯の消費電力も小さく、清掃を自分で行うことも可能です。
大規模修繕は、15~20年に1回の外壁塗装と屋根の塗装ですが、これもRC造の大型建築などと比べれば、規模も知れていますし、陸屋根の屋上防水に比べれば、屋根の塗装など比較にならないほど安くできます。
一方、RC造は堅牢ですが、建設コスト、解体コストが割高で、修繕費用も高くなります。大規模建築物では、ほとんどの場合RC造が採用されますが、建物の規模が大きいと、当然ながら共用部分に関わる経費が多くなります。
消火設備、受電設備、受水層、エレベーターなどの付帯設備も、大規模建築物ほど多く必要で、これらの保守点検費用も必要です。共用部の電気代や清掃・防犯維持のためのコストも無視できません。
大規模修繕は、おおむね20年に1回程度行われます。外壁塗装、通路舗装、屋上防水などで、百万円から数千万円が必要になります。
S造は、基礎構造部を鉄骨で組んでいる建物で、強度や建設・解体コストなどについては、木造とRCの中間のような特徴があります。

建物の減価償却や税金も構造で違いがある

建物の減価償却や税金も構造で違いがある
次に、会計的側面から見てみましょう。これについて各構造の違いは、会計上の「耐用年数」にあります。
木造建築物の法定耐用年数(資産を減価償却する際、法定上使用可能とする期間)は、居住用で22年です。簡単に言えば、木造の建物は築22年で、会計的な価値はゼロになるということです。
同様に、RC造(居住用)は47年、S造の場合は鉄骨の厚みによって19年~34年の範囲があります。早いうちに償却したいのであれば木造がいいでしょう。逆に、長期で少しずつ償却したいのであればRC造です。
固定資産税・都市計画税については、木造は安く、RC造は高いです。これらの税額は、土地と建物の評価額に税率を掛けて算出されるからです。固定資産税の税率は1.4%(1.4%より多い自治体もあります)、都市計画税は上限0.3%で、自治体により税率が選択されています。
土地の評価額は路線価をベースに、実勢価格の7割程度になるような評価がされています。また、建物の評価額は、建物を構造や仕上げ、設備などに分解して、各々の資材の価格を評点化して積算されます。
したがって、構造も強固で材料費も高いRC造は、固定資産税評価額が高くなります。一方、木造は構造も単純で、材料もRC造に比べて安いため、評価額自体が安くなり、その分税額も安くなります。

リーシングのしやすさはRC造

リーシング的側面から見ていきましょう。これは明らかに、RC造に軍配が上がります。理由として、RC造は「客付け」がしやすいという点が挙げられます。木造やS造に比べて、設備面が充実しており、安心感や高級感があります。そのため、他の構造よりも賃貸人を見つけやすいとされています。

構造種別による「出口戦略」の違い

構造種別による「出口戦略」の違い
最後に、不動産投資の出口戦略という視点で比較します。言い換えると、現金を投資して物件を運用した後、最終的にいつ、どのような形で物件を手放すかということです。
長期戦略ならば木造でしょう。木造は法定耐用年数が短く、次の購入者にとっては償却期間が短くなるため、購入を渋る可能性があります。また建物の経年劣化も目立つため転売が難しくなります。
それならば、建物が使い物にならなくなるまで使い込んで、最終的には建て替えるなり更地売却するなり、戸建て新築で売るなり、いろいろな出口戦略を取ることが可能です。逆に短期戦略ならば、償却期間が長く、劣化も遅く、転売もしやすいRC造でしょう。

まとめ

木造・S造・RC造の違いについて、様々な観点から比較し説明いたしました。結局のところ、不動産投資に向いている物件の構造は、どれなのでしょうか? それは冒頭でも触れましたが、投資家の戦略次第です。
自分が不動産投資において何を重視し、何を目標とするのかといったビジョンを明確に持って、それに適した構造種別の物件を選ぶようにしましょう。