不動産投資は妻への投資? 不動産投資3つのトレンドを知る

総務省によると、16.0%の世帯が現住居の敷地以外の土地を所有しているそうです。所有の理由はさまざまだと思いますが、土地を持っている以上何かに活用したいと考える人は多いでしょう。バブル期のように、放っておけば土地の価格がどんどん上がるという時代ではありせん。不動産は「負動産」とも言われる今、どんな投資が行われているのでしょうか。不動産投資における新しい傾向をご紹介します。

高齢の「大家さん」は不動産投資に何を望む?

冒頭で「現住居の敷地以外の土地を所有している世帯は16.0%」と述べましたが、傾向としては高齢者の所有率が高いです。一番多いのは60~64歳で、おそらくこの年代は自身の家を所有している上に、親の家を相続する世代だと考えられます。
当然、不動産投資のために若くして自宅以外の土地を購入している人も存在しますが、今回は不動産保有率の高い高齢世代の不動産投資にスポットを当ててみたいと思います。
60~64歳の世帯というと、妻と子供(場合によっては孫も)がいて、漠然と自分の相続が気になり始めている人が多いでしょう。このようなケースでは、不動産投資をする人、いわゆる「大家さん」の目的はバリバリと収益を上げることではないように思われます。もちろん損は出したくないでしょうが、どちらかというと「上手に遺す(のこす)」という相続対策を主目的にしている方が多いように見受けられます。
それでは、どうやって子孫に大切な資産を「上手に遺す」のでしょうか。最近のトレンドを考えてみます。

妻のための不動産投資における3つのトレンドは?

妻のための不動産投資における3つのトレンドは?
一般的には夫が土地所有者になっているケースが多いので、「土地所有者である夫が遺す」というケースで考えてみます。ここではポイントを絞るために「夫から妻へ遺す」という視点で考えます。
その場合のキーワードは、「アパート経営」、「狭い土地の活用」、「資金の活用」の3つです。キーワード別にトレンドを追ってみます。

1. アパート経営

アパート経営は、土地活用の主流と言っていいでしょう。自分の土地に建物を建て、貸家建付地としている場合、相続税は自己所有の場合と比べて約2割減になります。さらに固定資産税については住宅用地としての優遇が適用され、所得税についても必要経費や減価償却費を所得から控除できるという優遇措置があります。もっとも、固定資産税と所得税での節税は、直接の相続対策とは言えませんが、優遇分を基礎控除の範囲内で配偶者に贈与すれば、特別な資金を用意することなく非課税で資産を渡すことが可能です。
相続対策、税制優遇、さらに収益性も見込めるというメリットがある一方、空室リスクや維持管理の費用と手間がある程度かかるといった注意点もあります。また、土地には建築基準法・都市計画法による建ぺい率や容積率の制限があります。土地の属性や広さにもよりますが、賃貸建物に使える土地は想定以上に少なく、小さな建物しか建てられなかったというケースもあります。この場合、より入居率を高く保たなくては収支が悪化してしまうため、土地の制限なども事前に確認した上で、厳しい目で収益計画を立てましょう。

2. 狭い土地の活用

最近は、狭い土地でも駐車場などにして活用する動きが見られます。独立した土地だけでなく、自宅の庭を削って1、2台の駐車場を作るといった例もあります。自宅の庭を削ってまで駐車場を作るメリットは何かというと、日本の土地は「道路に面している」「正方形である」などの条件を満たすと価値が高くなります。つまり、道に面した庭部分をあえて駐車場にして接道部分を少なくする、自宅の土地をいびつな形にするといった方法で評価額を下げられるのです。
この手法の優れたところは、相続した親の土地でも活用できることです。例えば、自分のマイホームを所有している人が、親の土地(庭付き一戸建て)を相続により取得したとします。その場合、家はそのままにしておき、道路に接した庭を駐車場にします。すると、家は残してあるため固定資産税の優遇はそのままに、土地の評価額を下げることが可能になるのです。
狭い土地しか保有していない、自宅の土地しかないといった場合でも、収入を生み出す不動産として活用できる駐車場造成は、今後ますます活発になるのではないでしょうか。

3. 資金の活用

最後に、これは「番外編」になりますが、不動産投資すべき土地はないけれども、資金が潤沢にある場合は、妻(配偶者)に不動産投資をしてもらうというのも選択肢の1つです。これは「遺す」のではなく、遺された者の所得を上げる「積極的相続対策」と言えるでしょう。株や資産運用よりも、収益性の面で不動産投資は優秀です。ただし、既述のように管理業務や空室リスクが生じるので、配偶者自身が勉強をしなければなりません。
節税のために、不動産評価額を下げるとか、生命保険に加入するとかといった対策も重要ですが、準備してきたことが税法の改正などでご破算になってしまう可能性もあります。「稼ぐ力」を強化しておくほうが、法律や社会情勢の変化に対応しやすいのです。こういった「攻め」の姿勢も検討する価値があるのではないでしょうか。

まとめ

これら3つのトレンドは、土地の名義や広さ、個人の性格や考え方によって評価が異なると思います。しかしどんな形であれ、土地を所有しており相続対策を考えているのであれば、今回ご紹介した3つのうちどれがご自分に最適なのかを検討してみてはいかがでしょうか。