保険はもう要らない!? 不動産オーナーに付く団体信用生命保険の魅力

不動産経営を行う上で、住宅ローンの利用は必須です。
一方、住宅ローンの返済は長期にわたるため、返済の途中で不動産オーナーに万が一のことが起きないとは限りません。オーナーが「団体信用生命保険」に加入していると、もしもの時にとても役に立つのです。
今回は、この団体信用生命保険の内容と仕組みについて、一緒に確認していきましょう。

団体信用生命保険とは

団体信用生命保険とは「団信」とも呼ばれているもので、住宅ローンの返済途中で債務者(不動産オーナー)が高度障害状態になったり、死亡したりした場合に、生命保険会社が不動産オーナーに代わって住宅ローンを保険金で支払ってくれる保険です。
加入した場合、保険料となる「特約料」を、住宅ローンとは別に年に1回支払うことになります。
もし、団信に加入せず不動産オーナーが死亡した場合は、オーナーに代わって、家族が住宅ローンの返済をすることになります。団体信用生命保険とは、万が一に備えるための重要な役割を持つ保険なのです。

団体信用生命保険の種類と保障内容

団体信用生命保険に加入するには、不動産オーナーの健康状態が良好であるという条件があります。
もし、過去に病歴があって健康状態の条件をクリアできない場合は、「ワイド団信」と呼ばれるものがあります。これは通常の団信よりも加入条件が緩和されており団信の審査を通らない場合でも、ワイド団信ならクリアできる可能性があります。健康に不安のある方は、一度検討されると良いでしょう。
また、通常の団体信用生命保険は高度障害時と死亡時に保障されますが、これらに加えてがん・心筋梗塞・脳卒中の「3大疾病」にかかった場合に、住宅ローンが弁済される「3大疫病保障付団信」もあります。
保険料は住宅ローン金利に0.3%程度を上乗せして支払う形となります。
住宅金融支援機構ウェブサイト(https://www.jhf.go.jp/)では、以下のような弁済条件が示されています。

1. がんの場合

保険期間中に、所定の悪性新生物(がん)に罹患したと、医師によって病理組織学的所見(生検)により診断確定されたとき。

2. 急性心筋梗塞の場合

保障開始日以後の疾病を原因として、保険期間中に次のいずれかの状態に該当したとき。急性心筋梗塞を発病し、その急性心筋梗塞により、初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、労働の制限を必要とする状態(軽い家事などの軽労働や事務などの座業はできるが、それ以上の活動では制限を必要とする状態)が継続したと医師によって診断されたとき。

3. 脳卒中の場合

保障開始日以後の疾病を原因として、保険期間中に次のいずれかの状態に該当したとき脳卒中を発病し、その脳卒中により、初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、言語障害、運動失調、麻痺などの他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師によって診断されたとき
さらに保険会社によっては、7大疫病保障付団信、8大疫病保障付団信というものもあります。
これらは上述の3大疫病以外に、高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変などにかかった場合にも、住宅ローンの返済を保障するというものです。保険料の条件は加入時の年齢やローンの内容、残高によって異なります。
将来、自分がどのような病気に罹るかは、誰にも分かりません。しかし日本人は3大疫病の罹患率が高いので、心配な人は一度検討してみても良いかもしれません。

通常の生命保険との違いや留意点

団体信用生命保険は、不動産オーナーが万が一に備えるのに、効果的な保険でしょう。ただし、団体信用生命保険が支払われるのは、前述したように死亡や高度障害、疫病にかかった場合です。疫病以外の病気やケガの場合には支払われないので注意が必要です。
逆に、団信加入時にすでに別の生命保険に加入しており、そこに死亡や高度障害、疫病に対しての保障が含まれている場合は保障内容が重複することがあるので、総合的な見地から自分が加入すべき保険がどれなのかを見直しても良いのではないでしょうか。
その他の留意点としては、所得税の計算において通常の生命保険料は生命保険料控除の対象となりますが、団体信用生命保険の保険料は対象となりません。通常の生命保険は奥さんや子供が保険金の受取人となりますが、団信は金融機関が保険金を受け取るからです。

まとめ

「フラット35」や一部の住宅ローンでは、団信の加入は任意としています。しかし、住宅ローンの返済中は何が起きるか分かりません。いざという時のために、必ず団体信用生命保険には加入したほうが良いでしょう。
団信に加入していれば、万が一あなたが亡くなった後も残された家族は住宅ローンの後処理に追われません。また、不動産の不労収入があれば生活の支えになります。別の生命保険にも加入している場合は、それぞれの保障内容を比較して、重複していないかどうかを確認しましょう。