あなたは知っている? それぞれの土地利用法における融資の審査基準の違い

土地活用に適した所有地があり、「属性」の高い個人投資家がいるとしましょう。「属性」とは、投資家の年収や担保性のある別の資産や、本人の返済事故の履歴の有無などのことです。
この投資家が、所有する土地の有効活用のために銀行に融資を申請する場合、その土地の利用方法によって、融資の審査基準が変わることをご存知でしょうか。
今回は、土地利用法における融資の審査基準の違いについて解説します。

コインパーキング利用への融資基準が厳しい理由

土地利用で収益をあげるには、いくつもの方法があります。銀行は「前例がなく、収益性を読み切れないもの」には、融資をしにくい傾向があります。
実はコインパーキングや貸し倉庫(レンタルボックス)といった土地活用は、融資が実行されにくく万が一融資してもらえても金利が高くなりがちです。これらの土地活用方法は近年注目され始めたものであり、「収益性」の判断が難しいと思われているようなのです。
一方、融資が受けやすい代表的な土地活用法は「不動産投資」です。いわゆる、投資用マンションの経営や賃貸アパートの経営のことです。
そのため、同じ土地、同じ投資家でも、賃貸アパートで申請したら融資審査が通過したのに、コインパーキングではダメだったということもあるようです。

コインパーキングはローコスト

では、実際、コインパーキングの経営はそれほどリスクの高いものなのでしょうか。
昔から行われていたマンションやアパートへの投資と異なりますし、最近は若年層が自家用車を持たなくなったという傾向はあります。ただし、コインパーキングは設置コストも少なく、メンテナンスの維持費に関しても、不動産投資よりも廉価で運営することが可能です。
今後は少しずつコインパーキング設置のメリットも理解されるようになるでしょう。

アパート経営以外の「土地活用」で融資が通りやすくするためには

不動産投資が有利とはいえ、すべての土地が不動産投資に適しているわけではありません。駅からの距離や周辺の賃貸物件の数で、「新しく建てても、安定した入居率が見込めない」という土地もあります。
そのような土地でマンションやアパート経営以外の土地活用を行う場合は、そのメリットを銀行に納得してもらうことが必要です。
具体的な方法として、充実した「市場調査書」と「損益計算書」を準備することをお勧めします。
・ 毎月の所定返済額以上の収益が期待できること
・ 収益は最初の数年だけでなく、最低でも借入期間継続すること
・ 修繕費、メンテナンス費用が「見える化」されていること

これらの内容が明確に盛り込まれた事業計画書を用意し、銀行への融資申請と合わせて提出すると、「この土地活用法は十分な収益を生み出す」というメッセージを先方に伝えることができます。
もちろん、この計画だけでは「机上の計画」と判断されてしまう可能性もあります。もし可能であれば、既にコインパーキングを運営していて成功した実例を入手して、参考書類として提出しても良いでしょう。個人情報に関するものでなければ、コインパーキングの運営業者にも積極的に協力してもらえると思います。

不動産投資でも「新しい方法」には注意

このような融資の審査基準の違いは、コインパーキングや貸し倉庫だけに該当するのではありません。マンション、アパート経営においても、「新しい活用方法」には厳しい融資基準が課せられると考えて下さい。
その代表例になり始めているのが「民泊」です。
民泊とは、ホテルや旅館ではない居住用の一般住宅で、外国から来日した観光客などに有料で宿泊してもらうという新しいサービスのことです。Airbnb(エアビーアンドビー)というアメリカの民間会社が世界中で展開し、急速に普及したことで、日本でも広く知られるようになりました。最近、日本発のさまざまな仲介業者が誕生し、新しいステージに入ったと言われています。
居住用住宅での民泊については、2017年に、そのための法律が制定されることになるので、これまで不動産投資などに縁がなかった人の間でも、「民泊で家を貸してみよう」といった考えが広まり、日本全国で民泊サービスが普及しそうです。
そのため最近では、民泊目的に投資用マンションを借りたり、中古住宅をリフォームしたりする投資家が増えてきています。
ただし、金融機関の融資の現場では、「一時的に流行しているだけではないか」と懐疑的に見て、慎重なスタンスを取る担当者も少なくないようです。
民泊用の部屋として、高い人気を獲得するためには、配置する家具やオシャレなインテリアなどが必要となり、一般的な賃貸物件に比べて初期コストが掛かるのも事実です。そのため必然的に通常よりも費用が高くなり、銀行に融資を申し込むと、「民泊に使うのなら融資できません」と断れてしまったケースもあるようです。
もちろん、こうした審査基準は時代とともに移り変わります。時代を先取りした先進的な土地利用方法を、金融機関の方に理解してもらうのはなかなか大変ですが、早く事業を始めた人だけが享受できる先行者メリットがあるのも事実です。ぜひ、綿密な事業収益計画を用意し、融資を受けられるようにチャレンジしてはいかがでしょうか。