優良なアパートを建設するため、宅地並み課税に要注意!

土地所有者、いわゆる地主さんにとって頭の痛い問題の一つが「固定資産税・都市計画税」でしょう。地主さんの多くは先祖代々の土地を相続し、所有しています。昔は田畑が多かった所有地の周辺も、時代とともに都市化が進み、ガラリと環境が変わってきたことでしょう。都市化によって生じる新たな難題が、所有地にかかる固定資産税が高額になることです。
今回は、固定資産税の「宅地並み課税(たくちなみかぜい)」への対策方法となる、アパート建設についてお話しします。

固定資産税と農地の関係

固定資産税と農地の関係
土地と建物に対して課される税を固定資産税と言います。(他の税もありますが、本稿の主旨から離れるため、割愛します)。その税額は行政の定める「固定資産税評価額」によって算出されます。一般的には都市部は高く、地方は低い傾向となります。
宅地並み課税の対象となるのは、「農地」です。本来の農地は、宅地に比べて固定資産税評価額が低く設定されていますが、都市化の進む市街地はそうではありません。「いつでも宅地に変えられる土地」と判断され、宅地並みの税金が課せられます。
つまり、所有している農地周辺で都市化が進むと、地域全体の固定資産税が高くなり、農地も宅地としてみなされて課税額を決められます。これを「宅地並み課税」と言います。

アパートを建設すると税金を低く抑えられる

一方で、市街地の農地にかかる固定資産税を軽減する方法もあります。それは、賃貸アパートを建てることです。固定資産税と都市計画税は、所有者の持つ土地に対して課されます。しかし、建物が建っている場合には、土地に対してかかる税金は以下のように軽減されるのです。
【固定資産税・都市計画税 : 住宅用地の特例】

区分 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地 住宅用地で住宅1戸につき200平方メートルまでの部分 価格×1/6 価格×1/3
一般住宅用地 小規模住宅用地以外の住宅用地 価格×1/3 価格×2/3

このため、不動産会社や建築会社などは、宅地並み課税の対象となる農地を持つ地主さんに対して、「賃貸アパートを建設しませんか? 」という営業をかけることが多いのです。

アパート建設のメリット・デメリット

アパート建設のメリットは、固定資産税の軽減だけではありません。居住者数に応じて家賃を受け取ることができますから、家計の助けになります。賃貸アパートの管理を管理会社に代行してもらえば、煩わしい大家としての業務や入居者との付き合いを行う必要もありません。
アパート建設のデメリットは、何よりもまず「借入金」でしょう。アパートを建てる際、自己資金で建設資金をすべて賄える地主さんはほとんどいません。大半の方は、銀行などの金融機関から「アパートローン」を借りることになります。
このアパートローンの返済は月額で設定され、家賃収入と相殺します。家賃収入が借入金の月額返済額を上回っていれば問題ありませんが、そうでない場合は自己資金から返済額分を補てんする「持ち出し」が発生してしまいます。
加えて、日本の人口が減っていくことも大きな課題です。内閣府発表のデータによると、2050年の日本の推定人口は約9700万人です。企業が多い都市部への移住傾向が強いため、人口減少のリスクは都市部と地方で異なりますが、今後の入居率低下を招く要因であることに変わりはありません。

「優良な」アパート建設・経営のために

「優良な」アパート建設・経営のために
「宅地並み課税」対策が主眼であったとしても、アパートを持つからには経営者として事業経営する必要があります。やや本題とは離れますが、大切な事なので、アパート経営について少し触れておきます。
親世代から相続した土地を所有すると、どこで調べてきたのか分かりませんが、夜討ち朝駆けで、さまざまな「営業マン」が自宅を訪問してきます。また、電話を取れば同じような営業文句が繰り返され、辟易している地主さんの話をよく耳にします。
その一方で、不動産会社や建築会社と良好な関係を結び、アパート建設後、安定した経営を続ける方も多くいます。その最大の秘訣は、大切な土地を預ける「良い会社」とパートナー関係になれたことです。
優良なアパート建設のためにお勧めするのが、客観的に土地活用をアドバイスしてくれる「アドバイザー」を利用すること。相談実績のある税理士や不動産会社、建設会社などを指します。相談料が必要な場合もありますが、土地活用の方法を早急に決めてしまい、長期的に悩む事と比べれば、コストはそんなに高くないと思います。
そして、アパート建設において最も大切なのは、所有地の特性を分析した上で、きちんとアドバイスしてくれるアドバイザーかどうかを見極めることです。画一的な設計デザインや不十分な市場調査に基づいた提案は避けて、あなたの土地にあった「オーダーメイド」の提案をしてくれるかどうかです。何よりもあなたの資産管理に対して強い責任を持ってくれるかどうかにポイントを置いてください。

まとめ

アパート建設は高い買い物です。いくら税金が安くなるからと言って、多額の借金をしてまでやることなのかと思う方もいらっしゃるでしょう。また、日本は人口減少が想定されていますから、アパート経営に不安を感じる方も多いと思います。ですので、宅地並み課税の負担を感じて慌ててアパート建設を決めるのではなく、信頼できるパートナーを見つけ的確なアドバイスを受けながら、最終的にアパート建設を決断されることをお勧めします。