アパート経営での長期修繕計画とは!?

アパート経営をするにあたって、最近は管理会社の飛び込みや電話営業ではなく、営業マンが作成してくる「収支計画書」(不動産投資における年間の儲けの予測を示す推移表)を重視する傾向が見られます。
実際、「土地オーナーは、現実的な収支計画書を作ることのできる不動産会社や建築会社を選ぶべし」とアドバイスしている専門家も少なくありません。
ここで知っていただきたいのは、「収支計画書だけでは十分でない」ということです。収支計画書は「長期修繕計画」と合わせて考えてこそ、その効力を期待できます。安定したアパート経営のためには、長期修繕計画というものが重要なのです。

長期修繕計画とは?

長期修繕計画とは、その名の通り賃貸アパートを長期にわたり快適かつ安全な状態に維持し、資産価値を保全するための修繕や保守点検のスケジュールです。
賃貸アパートは「建物」ですので、会計上は時間と共に価値が下がっていく「減価償却」の考え方が適用されます。そして実際に、雨・風などの外的要因や居住による経年劣化によって建物は少しずつ傷んでいき、長期間に様々な修繕が必要となります。具体的には次のようなものが挙げられます。
・ 外壁のコーキング(タイルなどの隙間の充填)補修工事
・ 上水の点検、修理
・ 共有部分の補修

これらの修繕が必要となった場合、その費用を負担するのは賃貸オーナーです。長期修繕計画書とは、あらかじめ「○年後に、修繕によってどれくらいの出費が必要となるか」の予測を記載した計画書なのです。

収支計画書と長期修繕計画書

冒頭に紹介した「収支計画書」と「長期修繕計画書」には、密接な関係があります。優れた長期修繕計画書にはその修繕費用も綿密に計算されており、必要な修繕積立金(修繕に要する積立金)や、積立金使用の内訳が明確にされています。「修繕積立金」の透明性が高いということです。
収支計画書には毎年の修繕積立金を明記しますが、長期修繕計画書が精度の高いものであるほど、その修繕積立を踏まえた収支計画はよりリアリティのあるものになります。オーナーの方々は、管理会社が出してくるこれらの書類に、どれほどの計画性や説得力があるかよく確認をしましょう。
長期修繕計画書は「作って終わり」ではなく、そこから実際にどのように管理していくかが問題です。修繕計画書を作った会社と信頼関係を醸成し長期修繕計画を確実に遂行していくことが、賃貸経営のキーポイントといえるでしょう。

修繕積立金と管理費の違い

長期修繕計画に必要な費用が「修繕積立金」ですが、これと似ている勘定科目に「管理費」があります。管理費とは管理会社への手数料にあたり、おおむね家賃収入(全戸月額総額)の5%前後が相場です。「建物の維持管理に要する費用」という面では、修繕積立金も管理費も同じです。
両者の違いは、前者が「臨時に発生する費用(積立金)」であるのに対して、後者は「恒常的に発生する費用」である点です。
修繕積立金が必要となるのは、修繕工事が実際に行われた時です。極端な言い方をすると、「何もなければ、貯まる一方のお金」なのです。もちろん実際には、どれだけ慎重に賃貸物件の管理をしていても経年劣化は発生し、修繕積立金に手が付かないことはありません。
一方、管理費は「恒常的な費用」です。賃貸アパートを運営していくに当たり、居住者の間には、例えば次のようなトラブルが考えられます。
・ ゴミや騒音の問題
・ 生活スタイルの問題
・ 外国の方との生活習慣の違い

これらの問題を、オーナーが単独で対応するのは困難といえます。対応を間違えたり、一方の当事者に肩入れしたりすればトラブルが大きくなり、他の入居者の退去を招きかねず入居率の減少となりかねません。
そこで、管理会社が入って「プロの仕事」をすることで、入居率維持と賃貸物件の満足度向上につながるのです。

まとめ

アパート経営には、人口減少や空き家、空室の増加といった問題があり、経営を行うには工夫が必要となります。オーナーにとって、想定外の大規模修繕は収支の悪化を招くためなるべく抑えたいものです。長期的な修繕計画をしっかりと構築し、適正な金額の修繕積立金を用意しておくことが重要です。
そのためには、長期修繕にかかる数字を明確化し共に賃貸経営を考えてくれる、信頼できる不動産会社をパートナーに選びたいものです。