不動産投資を副業にする際には考えたい「一括借り上げ」システムとは

不動産投資物件の運用方法として、一部の業者では「一括借り上げ」というシステムを採用しています。一括借り上げシステムは、不動産の所有者にとって最も避けたい「空室リスク」を回避する制度です。今回は、この「一括借り上げ」システムの仕組みを簡単に解説いたします。

「一括借り上げ」システムの仕組み

一括借り上げシステムは、借り上げ業者が賃貸マンション・アパート物件を一括して借り上げて、そのオーナーに対して賃料を支払う(保証する)一方で、居住者の家賃は借り上げ業者に支払われるという「転貸(てんたい)」の仕組みです。
20年ほど前に大手の不動産会社が導入し、今日では日本全国に広がっています。ではこのシステムは、不動産オーナーにどのようなメリットがあるのでしょうか。

不動産オーナーのメリット

オーナーにとっての一括借り上げのメリットは、何よりも重要視される「安定した賃料収入」です。賃料を借り上げ業者が支払うのは上述の通りで、これは物件の入居状況によりません。
極端な話ですが、オーナーの所有している部屋が1年間空いていても、365日埋まっていても、家賃の変更などがない限り賃料収入は変わらないのです。
不動産経営は、物件購入時の借入金(アパートローン)を毎月返済できるかが大前提です。月額返済額が毎月の家賃収入を上回っていれば、オーナーにとって「持ち出し」となってしまい、不動産経営は事業として成り立ちません。一括借り上げは、「賃貸経営をする上での前提」を崩さない方法の一つであるといえます。

「一括借り上げ」システムと「サブリース」は同じ意味!?

「一括借り上げ」と同じような意味で使われることの多い言葉に「サブリース」があります。厳密に言うと、「一括借り上げ」システムとサブリースは、別の意味を持ちます。
不動産所有者に対し、不動産会社や建築会社が全部屋の「借主」となって賃料を払うのが「一括借り上げ」です。一方、借りた部屋を入居者に又貸し(転貸)することを「サブリース」と言います。
<一括借り上げとサブリースの関係>
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一般的には、この図全体のことを指して「一括借り上げ」システムや「サブリース」制度と呼びます。(※当記事では「一括借り上げ(システム)」として統一しています。)

「一括借り上げ」システムの注意点

一括借り上げシステムですが、最近ではトラブルに発展するケースもあるようです。
例えば、「30年間一括借り上げ」を掲げている契約があります。言葉通り30年間の家賃支払いは保証されるものの、一定の修繕やリフォームは必ず行わなければならない場合や実は家賃を2年毎に変更できるなどといった内容が盛り込まれていることも少なくありません。
空室が続くと途中で賃料を変更したり、将来の家賃収入が減ったりする場合があります。契約する前に契約条件は確認しておきましょう

免責期間とは

免責期間とは
賃借人の募集期間(新築時3か月間など)は、オーナーの手元に賃料が入らないという免責期間が設けられていることがあります。免責期間は契約後1~6か月間で設定されるケースが多いです。免責期間が設けられている場合、契約期間内に賃借人から受け取れる金額が少なくなることがあります。
例えば、10部屋のアパートで、家賃を月額7万円に設定した場合、2年間で受け取る通常の家賃収入は、
7万円 × 10部屋 × 24か月 = 1680万円 × 0.9(リース代) = 1512万円 (オーナーの収入額)
免責期間が3か月あって、その間まったく集客ができないと、
7万円 × 10部屋 × 21か月 = 1470万円 × 0.9(リース代) = 1323万円 (オーナーの収入額)
となります。
一括借り上げだからと言って最初から必ず満額で収益が上がるかというと、そうでもない場合もあるということです。そのため、免責期間中でも積極的に客付けしてくれる良い不動産会社と契約できないと、オーナーは損をしてしまうかもしれません。

まとめ

一括借り上げシステムについてお伝えしました。今後の日本はさらなる人口減少が見込まれます。立地条件が良く、他と差別化されたアパート物件でなければ、機能しません。良くない業者に騙される可能性もあります。やはり信頼できる不動産、専門家のアドバイスを聞きながら検討するようにしましょう。