区分所有物件に融資をする銀行の種類と条件とは?

マンション1棟への不動産投資ではなく、1部屋を対象に投資する方法を「区分所有物件」といいます。今回は、区分所有物件にはどのような特徴があるのか、また、融資を受ける時の金融機関を選定するポイントを紹介します。

1. 区分所有物件への融資は厳しい

区分所有物件は、マンション1棟の購入に比べて、当然ですが投資金額は低くなります。ただし、1部屋だけなので、その部屋の空室率は0%か、100%かです。借主が入れ替わるタイミングでは、すぐに入居者が見つからないと、空室時は「家賃収入ゼロ」です。そのため一般的に、マンション1棟に対する不動産投資よりも、「リスクが高い」といわれています。
このリスクの高さは、融資を行う金融機関の姿勢に強くみられます。マンション1棟への融資に比べて、区分所有物件への融資は厳しく審査されます。近隣の市場調査を踏まえた上での客観的な入居率なのか、融資を実行しても問題はないのかなど、より綿密に審査することを意味します。
さらに金融機関は、入居率のほかに、土地評価に注目します。区分所有物件の場合は、各室の土地の権利は小さく、土地のみを売却することが不可能です。金融機関の融資は、万が一返済されなかった場合に備えて、土地や建物の所有権に担保を設定することが一般的ですが、区分所有物件では、この担保設定が土地ではなく建物(一部屋分)にしかできないため、融資判断が難しくなる傾向にあります。

2. 金融機関で融資に違いが

金融機関によって、区分所有物件に対する「融資姿勢」に違いはあるのでしょうか?
まず、融資姿勢において銀行間の違いは存在します。ただし、メガバンクは区分所有物件への融資に積極的、地銀や信金だから消極的ということではありません。メガバンクなど、財務的に余裕がある金融機関は、区分所有物件への融資についても積極的なところがあります。また、複数の都道府県にまたがる大型の地方銀行なども、積極姿勢のところが多いでしょう。
1つの都道府県内で業務を行っている地銀や信金などでは、銀行ごとの特徴がよく表れます。メガバンクや大型地銀と同様に積極姿勢のところもあれば、区分所有物件はリスクが高いため不可というところもあります。担保の有無で融資判断が変わる金融機関もあります。もちろん、何でも良いわけではなく、担保設定できる土地などの不動産を他に有していると有利だといわれているのです。

3. 日本政策金融公庫の融資にも注目!

区分所有物件への融資でお勧めしたい金融機関は、国の教育ローンやベンチャー企業への融資も行う日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫は、区分所有物件の購入者に対する融資も行います。金利や融資可否の難易度が低いため、特に複数棟を所有するベテラン不動産投資家には、以前から注目されていた融資元です。
ただし、日本政策金融公庫の融資には大きなデメリットがあります。それは融資期間が「10年間から」と短いことです。もちろん、すべての融資が10年限定というわけではありません。最大融資期間は借主の年収や職業とった属性で異なります。実際に利用した方々のお話から判断すると、男性は10~15年、女性は15~20年となっているようです。いずれにしても、20年や25年間のローンが可能な民間金融機関よりも借入期間は短く設定されています。
当たり前の話ですが、借入期間が短いと毎月の返済額は高くなります。借入金2,000万円を10年(120回)と20年(240回)で分割するのでは、1カ月の返済額(利息を含みません)は10年が約16万7,000円に対して20年が約8万3,000円です。融資当初は毎月の家賃収入を返済額が上回るかもしれません。
区分所有物件に限らず、不動産投資では「キャッシュフロー」が重要です。物件からの家賃収入から支出などを差し引いて現金が手元にいくら残るのか。最初の不動産投資で、毎月赤字になる状況は回避したいものです。
日本政策金融公庫の利用は、2件目以降の資金調達先として考えることをお勧めします。2件目以降であれば、最初の一定期間がマイナスになっても、最初の物件の黒字でカバーできます。日本政策金融公庫の金利の低さは、大変な魅力です。賢く活用すれば大きなメリットになります。

まとめ

他の投資と違って、不動産投資は金融機関のローンが利用できる資産運用です。ローンの利用の仕方は大変重要です。1棟よりも区分所有物件に対する金融機関の審査は厳しくなりますし、その融資姿勢や条件も各金融機関で異なります。民間だけではなく、日本政策金融公庫のような国の機関を利用する方法もあります。
ぜひ、あなたが行っている不動産投資の全体像をよく確認したうえで、どの金融機関からどのように借りるべきなのか、上手に「やり繰り」できるような計画を立ててください。