歴史上の偉人に学べ。 節約と投資で大金持ちになった本多静六の生涯

「本多静六」という人物をご存じでしょうか。今からおよそ150年前に生まれ、日比谷公園などを設計した造園技師として、そして東京大学の教授としても活躍した人物です。本多氏は数百億円にも及ぶ資産を「節約」と「投資」で築き上げたことでも知られています。
そこで今回は、本多静六がどのようにして資産を築いたのか、彼の生涯や投資哲学をご紹介します。

給料の4分の1を投資に回す「本多式4分の1貯金法」

本多氏は農家の家庭に生まれました。父親を9歳で亡くしてからは、借金を抱え決して裕福とはいえない生活を送っていました。しかし、この幼少期の貧乏生活が、後の本多氏の「勤倹貯蓄」とも呼ばれるスタイルを確立するのに大きな影響を与えたといわれています。
本多氏は農作業の傍ら勉学に励み、大学を首席で卒業。その後ドイツに留学し、帰国後は母校の教授となりました。学んだ知識を生かして日本初の林学博士となり、造園技師として働きました。
公務員として働く本多氏の給料は、特別に高額だったわけではありません。しかし、本多氏は毎月の給料から必ず4分の1を貯蓄に回すと決め、そのお金で投資を行いました。これは「本多式4分の1貯金法」と呼ばれています。
投資を行うためには、ある程度の自己資金が必要です。皆さんの中には「自分の給料では難しい」と考える人もいるのではないでしょうか。しかし、毎月4分の1を強制的に貯金に回すと決めてしまえば、月ごとの貯金額はわずかでも、十年、数十年単位で見れば大きなお金になります。仮に新入社員の頃から毎月6万円ずつ貯金をしたとすれば、20年後には1,440万円にもなるのです。また、本多氏はボーナスも貯金に回して、投資に使いました。ボーナスも合わせて貯金を続ければ、さらに大きな額になるでしょう。

株式投資の3つの手法を厳守

本多氏は主に株式投資を行っていましたが、その際に次の3手法を厳密に守っていました。

● 1. 好景気の時は投資を控え、不景気の時に大胆な投資をする

関東大震災後、世の中が不景気に見舞われたにも関わらず、本多氏は積極的に株を購入していました。
人間の心理として、不景気の時には投資を避けて貯金に励み、好景気の時に大きく投資をしようと考える人が、圧倒的に多いのではないでしょうか。しかし本多氏は、不景気の時に株を購入し、好景気の時には貯金をするという、一般人とは真逆の手法を貫きました。その結果、多額の資産を築くことに成功しました。
株式投資の世界では「人の行く裏に道あり花の山」 という有名な格言があります。「利益を得るためには、世間と逆の行動を取る必要がある」という意味です。本多氏はこの格言を「地」でいっていたようです。

● 2. 2割食い

保有株の価格が値上がりしていくとつい手放すのが惜しくなり、「もっと利益を出せるのではないか」と考えてしまいがちです。しかし本多氏は、「購入した価格よりも2割以上株価が値上がりしたら売却する」という手法を取っていました。
さらに本多氏は、売却して得た利益の2割を貯金すると決め、残りの金額を改めて投資に回していました。そうすることで大きく損をすることなく、利益を得ていたのです。

● 3. 10割益半分手放し

もし保有する株の価格が大きく動き、倍以上になった時には、半分を手元に残し、残りを全て売却するという手法を取っていました。例えば、1株あたり150円の株を1,000株持っていた場合、株価が300円に上がった時に、500株を売却してしまうのです。こうすると、仮に株価が暴落し、万が一0円になってしまっても、損が出ることはありません。
自分の保有株が値上がりしていると、投資家としては売却せずに、すべて長期的に保有しておきたくなるものですが、本多氏はそのような手法は取らず、あくまで堅実に投資を続けました。
本多氏が行っていた投資手法は決して派手なものではなく、どちらかというとリスクを最小限に抑え、効率良く長期的に利益を得る手法だったといえるでしょう。
本多氏は「金儲けは理屈ではなくて実際である。計画でなくて努力である。予算でなくて結果である。」という考え方を持っており、極めて冷静に、合理的に投資を行うことで、着実に利益を得続けていました。

まとめ

本多氏は投資で成功し、結果として多額の資産を手にしました。しかし、最終的にはそのほとんどを教育機関や公共機関などに匿名で寄付しました。築き上げた資産を自分のためでなく、社会のために使うという彼の生き方を尊敬する人は、現在でも多くいます。また、本多氏が行っていたのは株式投資が中心でしたが、彼の手法は不動産投資でも参考にできる点が多いはずです。
本多氏は著書で、「何人も貯金の門をくぐらずに巨富には至りえない」と述べています。不動産投資を行ううえで、金融機関からの融資を受けるにせよ、自己資金はある程度あった方がいいのは確かです。本多氏のように給料の4分の1を貯金するのであれば、無理なく継続できるでしょうし、後日大きな金額になるでしょう。今月からでも始めてみてはいかがでしょうか。