ロバート・キヨサキ氏とは何者か? 不動産で資産100億円を築いた立志伝をひも解く

あなたは「ロバート・キヨサキ」という名前をご存じでしょうか。
この名前を知らなくても、全世界で1,000万部、日本国内だけでも100万部を超えたベストセラー『金持ち父さん 貧乏父さん』といえば、1度や2度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ロバート・キヨサキ氏は、この20冊近く出ている「金持ち父さん」シリーズの著者であり、実は現役の不動産投資家でもあるのです。個人資産が80億円を超えるとも言われる実業家兼投資家のキヨサキ氏ですが、その実像はわかりにくく、ネットなどでは「破産しているのではないか」といった噂も出ているようです。
謎に包まれたロバート・キヨサキ氏の人物像を探るとともに、噂の真相や不動産投資で成功を収めるまでの軌跡をひも解いてみたいと思います。

米国海兵隊員から起業家へ転身

ロバート・キヨサキ氏は日系4世のアメリカ人で、1947年にハワイで生まれました。父親はハワイ州の教育長を務めるほどの人物で、教育一家として知られていたようです。ハイスクール卒業後、ニューヨークの米国商船大学校へ進学し、卒業後は米国海兵隊に入隊しました。ベトナム戦争にも出征し、士官やヘリコプターパイロットとして参戦したそうですが、帰還後は軍には残らず、ビジネスの世界に足を踏み入れています。
1977年にナイロンとベルクロを使ったサーファー用の財布を販売したところ、これが世界的な大ヒットとなりました。それをきっかけに会社を設立し、起業家としての第一歩を踏み出したのです。
その後いくつかの会社を起こしビジネス界で成功を収めましたが、47歳の時に突如ビジネス界から引退(50歳で復帰)し、投資や執筆活動、講演を行うようになります。巨額の富を手に入れた後は、大好きな投資を続けながら資産を増やし、不動産と株式投資を題材にした人生ゲーム「CASHFLOW101」の考案や、お金に関する教育の分野に力を注ぐようになりました。

お金を引き寄せる「金持ち父さん」6つの考え方とは?

大ヒットを記録した「金持ち父さん」シリーズ。最初の作品となった『金持ち父さん 貧乏父さん』のあらすじを、簡単に紹介したいと思います。
そもそもこのシリーズは、キヨサキ氏が考案した人生ゲームを売るために書かれた本でした。
主な登場人物は、著者であり主人公のロバート・キヨサキ氏、キヨサキ氏の親友マイクとその父親、キヨサキ氏の実父です。主人公には、自分を教育してくれる2人の父がいました。
① 金持ち父さん = 学歴は低いが、後にハワイでもっとも裕福な人間の一人になった親友の父親
② 貧乏父さん = 高学歴で知的レベルも高く、後にハワイの教育局長になるキヨサキ氏の実父
この2人はお金に対する考え方が全く対照的で、正反対の意見をぶつけてきます。主人公は、どちらに耳を傾けたらいいのか葛藤しますが、最終的には”勝ち組”となった親友の父親、金持ち父さんの考え方を学ぶことを決意します。
金持ち父さんのお金に対する考え方は、以下の6つが基本となっています。
・ お金のために働くな
・ お金の流れの読み方を学べ
・ 自分のビジネスを持て
・ 会社を作って節税しろ
・ お金を作り出せ
・ 学ぶために働け

6つの考えは、いずれも実現が難しいと感じてしまうものばかりですが、お金持ちになりたければ才能に頼るだけでなく、さまざまな経験や失敗からお金について学び続け、ファイナンシャル・インテリジェンス(会計力、投資力、市場の理解力、法律力)を身に付けることが大切だというのが大筋の意味のようです。

破産や詐欺師の噂の真相

冒頭でも触れたように、ロバート・キヨサキ氏に関する情報の中には、「破産した」などといった噂を見ることがあります。これをよくよく調べてみると、キヨサキ氏のビジネスパートナーが、同氏の成功後「彼の成功は自分のおかげだ」と言い出し、未払いの報酬を支払うように訴えたことが原因だったようです。
この件に関し2012年4月、キヨサキ氏が運営していた「リッチ・グローバル」という会社に対して、裁判所から約2,400万ドルの支払い命令が出たそうですが、キヨサキ氏は1ドルも支払う気は無かったようです。個人資産を逃がしたうえで、会社を赤字にして破産させたと見られています。
キヨサキ氏なりにファイナンシャル・インテリジェンスを駆使して、自身の資産を守ったということなのでしょうか。

80億円もの資産はこうして作られた!

資産80億円とも言われるキヨサキ氏。その富の源泉と言われているのが不動産投資です。彼は10代の頃から貴金属と硬貨の取引を通じて投資を学び、1970年代半ばから小規模不動産投資に取り組むようになりました。マウイ島の小規模マンションに投資した時は借金までしたそうですが、80年代に入り日本のバブルマネーがハワイに流入すると、ハワイで不動産バブルが発生したことでキヨサキ氏は利益を得たとされています。
投資先を商業不動産ビジネスや中規模団地に移行してもその勢いは衰えず、生活拠点となっているアリゾナ州やアメリカ西南部を中心にホテルやゴルフコース、大型団地を保有する不動産大富豪へと成長を遂げました。
最近は油田や天然ガス、太陽エネルギー会社、金融市場などにも積極的に投資を行っているようです。

仕事を選ぶ目安は、目標としている資産が得られる知識が学べるかどうか

『金持ち父さん 貧乏父さん』の教えが、必ずしもすべて正しいとは限りません。しかし、大富豪となったキヨサキ氏の人生を見る限り、仕事を選ぶ際は給料だけで判断するのではなく、将来目標としている資産が得られるだけの知識が学べる仕事なのかと、一つひとつの仕事に目的を持って接していることが分かります。
仕事に対して明確な目的を持って学ぶことができれば、リスクを冒して起業しなくても今の仕事を続けながらファイナンシャル・インテリジェンスを磨くことは可能です。副業的に不動産投資などの不労所得ビジネスにチャレンジすることもできるでしょう。そういった意味合いからも、将来、自分がどんな人生を望んでいるのか、今一度じっくり向き合ってみることが必要なのではないでしょうか。