中古物件をリノベして民泊で運用する方法

建物の築年数を経るとともに空室を埋めることが難しくなり、不動産の利回りが低下してきた時の打開策として、不動産オーナーの注目を集めているのが「民泊」です。民泊の運営によって、所有不動産の空室を埋めるだけではなく、稼働率によっては賃貸以上の収益アップを図ることも可能です。
今回は、築年数の長い中古物件に手を加えて民泊物件とする方法について解説します。

「民泊」とは

民泊とは、オーナーと宿泊客との間で契約を結び、最低1泊から長くても1ヵ月程度という短い期間で物件を賃貸するシステムです。自分の物件をホテルや旅館のように運用するイメージです。
日本は今、慢性的な宿泊施設不足に陥っており、特に都心23区内においては、ホテルや旅館の予約が取れない事態となっています。この状況に適した空室活用の方法として、旅行客に短期で貸し出す民泊が、オーナーに注目されているのです。
現在の不動産マーケットは利回りが低下していると言われています。しかし、民泊を活用すれば、オーナーは空室を埋められるだけでなく、1日当たりの設定賃料が通常の賃貸物件より高いため、1棟当たりの収益向上を図ることもできます。

民泊仲介サービス「Airbnb」

民泊関連のサービスとして世界的に有名なのが、米国のAirbnb社が提供するオンラインのバケーションレンタルサービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」です。2015年10月時点で190ヶ国以上の宿が紹介されており、インターネットを介して物件のホストと宿泊者を仲介する役割を担っています。
Airbnbの使い方は至ってシンプルです。不動産オーナーは登録画面からホスト登録を行い、貸したい物件の住所、写真や情報を掲載するだけです。宿泊者は、行き先とチェックイン・チェックアウトの時刻、宿泊人数を入力すれば、その地域の物件一覧を見られます。気に入った物件があれば、そのホストと連絡を取り合って予約を確定し、宿泊します。
Airbnbは、多くの不動産オーナーを悩ませる空室率の問題を解消してくれます。本気で民泊に取り組めば、月間の平均稼働率を70%台に持っていくことも可能でしょう。Airbnbは特に外国人旅行者によく利用されているため、花見の季節など外国人旅行者に人気のシーズンには高い稼働率を期待できます。
なお、Airbnbをするなら、戸建てか、1棟オーナーのアパート・マンションが適していると思われます。分譲マンションでは、管理組合から反対意見が出ると、オーナーの意思にかかわらず民泊を継続できなくなる場合があります。実際、Airbnb禁止の通達を出す管理組合もあるので、気を付けてください。

「民泊向き」の部屋を作る

民泊の利用者にとって魅力的な部屋を作るには、多少なりともリノベーションが必要です。
通常の賃貸借契約であれば、独身者かファミリーか、男性か女性か、若者か熟年層かといった、ターゲット層の属性によって間取りや内装を変更します。ところが、外国人旅行者相手に民泊施設として貸し出すとなると、宿泊施設としての快適さや、外国人が求める日本らしい部屋、大人数にも対応できる広さなどを意識する必要が出てきます。定住しない、数日間だけ宿泊するゲストにとって、使い心地の良い空間を目指すのです。それには、壁紙や床を替えるだけでは、あまり効果は期待できません。
例えば家電でも、冷蔵庫はホテルなどでよくある小型の物にするとか、ガスではなくIHヒーターにするとか、旅行者の利用シーンを想定した選択が必要です。また、日本の一般的な若者が使用するような小さいテーブルや狭いベッドは、外国人ゲストにとって魅力がありません。民泊施設に適した家具というのは、安っぽくなく、ある程度のお洒落感があるものでしょう。かつ、価格的にも負担にならない家具を選んでください。
ちなみにベッドはとても重要です。マットレスのクオリティが高く、寝やすいものにしなければなりません。通常の独身者用シングルベッドでは、外国人ゲストにとっては小さく使いにくいかもしれません。仮に2LDKの物件を所有していたとして、4~5人泊まれる部屋を用意するとなると、これまで夫婦用ベッドは一つで良かったものが、宿泊する人数分のベッドを準備することになります。
逆に収納スペースは不要になります。通常の賃貸物件では、クローゼットや床下収納などがあると便利ですが、民泊施設の場合、スーツケースの中に入れたまま生活するのが普通でしょうから、むしろ、スーツケースを広げられるような広い間取りの方が好まれます。
ただし、生活消耗品の収納場所は確保しましょう。トイレットペーパー、洗剤、キッチンペーパーなどの消耗品をストックする場所、例えば床やベッド、階段の下や押し入れといったデッドスペースをうまく活用して収納しましょう。
最後に無線インターネット環境、Wi-Fi環境を整備します。ゲストからのクレームを減らすために、データ通信が無制限の回線にしましょう。空港でモバイルルーターを借りるゲストもいますが、部屋のオプションとしてあれば、借りる必要もありません。

民泊に「強い」運営代行業者を選ぶ

民泊を合法的に行うためには、国や自治体の決まりにそって行わなければなりません。そして、自分の物件に外国人ゲストを迎え、宿泊してもらうためには、英語対応、チェックイン時の対応、宿泊期間中のトラブル対応、チェックアウト後の清掃・点検、盗難・破損があった場合のゲストへの請求・交渉など、毎回行わなければなりません。この作業だけでも相当の時間と労力が取られます。
Airbnbで民泊を手掛けるオーナーは、こうした業務を、ほとんどの人がAirbnb専門の代行会社に依頼しています。現在、日本でも数十社がAirbnb代行業を行っています。
代行会社を選ぶ際には、代行手数料以外にも管理のほぼ全てを任せられる業者か、専門的なリノベーションやトラブル対応の技術・経験があるかなどをチェックしましょう。また、代行会社の中には「清掃のみ」や「予約管理のみ」など、代行するのは業務の一部のみという会社もあります。ビギナーの方は民泊施設運用の作業を、最初から最後まですべてやってくれる会社を選ぶことをお勧めします。