民泊の将来性と、オーナーになっても失敗しないポイントを考察

大阪市や東京都大田区などの「民泊特区」が出現し、不動産投資の新しい形として、民泊が定着していくことが予測されています。特に2020年の東京オリンピック開催時には、海外からの観光客がピークを迎え、その数は年間4,000万人に上ると総務省は推測しており、その需要はますます高まるでしょう。
民泊施設の運営を考える時に、不動産投資家の中にはリスクを避けるのか、それともリターンを求めるのか、どのように向き合うべきなのかを模索している人も多いでしょう。ここでは、不動産オーナーが民泊を行うさまざまなケースをご紹介し、それぞれのメリットやデメリット、そして将来性や特徴などを考えていきます。

アパートを民泊施設として改装し、運営する

最近では、所有するアパートの空室問題に直面し、その対策として高い利回りが見込める民泊施設への改装を考えるオーナーが多いようです。家賃が1ヵ月5万円だった部屋を1泊7,000円で貸し出せば、8泊稼働するだけで元の収入を上回ります。もちろん、管理費やAirbnb(民泊の仲介サイト)への手数料なども必要ですが、大きなリターンは魅力で、こうした形態への転換を視野に入れている人は多いことでしょう。
ただし、もともとアパートに住んでいた人にとっては、急に知らない人や外国人が同じアパートに宿泊することに抵抗感を持つかもしれませんし、実際に騒音やゴミ出しなどでトラブルが発生しています。さらには、届けを出していない、いわゆる「闇」民泊施設が運営されているケースも多く、今後は何らかの規制が入る可能性があります。

自宅を改装し、一部を民泊施設にする

ローリスクで民泊事業に乗り出したい投資家の中には、自宅の一部を改装して宿泊可能な設備を設け、民泊施設にする人もいます。住宅や土地の購入費が掛からず、初期投資が改装費のみで済むため、ローリスクで事業に乗り出せるからです。民泊が本来意味する形に最も近いのが、この形態でしょう。
あくまでも小規模な運営しかできず大きなリターンが望みにくいのは難点ですが、とにかくリスクが少ないため大きな失敗はありません。運営がうまく行かなかった場合でも軌道修正がしやすいです。
別荘や賃貸併用住宅など、中途半端な状態に陥っている不動産を所有していれば、民泊を検討する価値があると思います。

空き家を改装して民泊施設にする

大田区などで最近増加しているのが、空き家を購入し、手を加えて民泊施設として運営する方法です。
特に、大田区は東京23区の中では比較的地価が安く、老朽化した物件が格安で買えるケースも多くあります。懸命に探せば、1,000万円以下で、家族が住める広さの築50年程度の物件も見つけられるでしょう。
こういった物件をリノベーションやリフォームで民泊施設に改装し、外国人に貸し出すのです。数グループが同時に泊まれるように完全に区分けするケースもありますし、何人かでシェアしながら10人規模のグループに貸し出すことも可能です。ゼロから新築物件を建てるよりもはるかに格安で所有できますし、個人やカップルだけではなく幅広い人数を受け入れられるので、より大規模なニーズにも対応できます。
この場合、初期投資を抑えつつリターンもそれなりに望めますが、まずは格安物件を探し出すことが重要です。手間は掛かりますが、リフォームやリノベーションをできるだけ自分の手で行うことで、さらに費用が抑えられ、将来性も悪くないと思います。

軽度の改装にとどめ、状況を見てシェアハウスに変更

現在アパート運営を行っているが、空室対策として民泊にも乗り出したい。しかしこの先は、外国人が今のように日本に来なくなるかもしれない…。そんなさまざまなリスクを想定しながら、柔軟に不動産運営をしていきたいと考えるオーナーもいます。そのような人に向いているのが、シェアハウスにも民泊施設にもできるような物件の運営です。
もし、民泊施設としての運営が立ち行かなくなったとしても、その設備を流用してシェアハウスに変えてしまいましょう。シェアハウスとしての初期投資を抑えられるうえにリスクヘッジにもつながります。
ただし、民泊施設に改装する段階で先の計画を見据えておかないと、結局は後々の改装費がかさむことにもなってしまい、魅力のない中途半端な施設となる場合もありますので注意してください。

個人投資家が運営する民泊施設の未来

結局は、民泊施設も、まとまったお金とそれなりに広い敷地が必要です。個人投資家が運営できる民泊施設には、自ずと限界があり、ホテル運営会社や不動産管理会社が潤うだけと捉える向きもあるようです。
しかし、家主が不在で完全に投資型の民泊施設が増えると、近隣の住人や、民泊施設に改装する前から集合住宅にいる住人とのトラブルが発生しがちです。厚生労働省も治安の悪化を懸念しています。そのため、「家主居住型」と「家主不在型」に区別して、家主居住型は行政庁に申請すれば良く、家主不在型は管理者を明確にするなど、基準をさらに厳しく設けようと討議が重ねられています。
国としては、家主居住型が民泊施設のあるべき姿であり、小規模な民泊施設をもっと増やしたいと考えているのかもしれません。自分に適したスタイルを選択し、国がきちんとした法整備を行えば、民泊は個人投資家にとっても新たな投資対象として、十分に検討する価値がある分野と言えるでしょう。