東京23区でAirbnbの人気エリアは?

訪日外国人観光客の増加や宿泊施設の慢性的な不足を受けて、自宅や空き部屋などを宿泊施設として貸し出す「民泊」が近年盛んになっています。国としてもこれを促進する動きが見られるのはご存じの通りです。
また、世界最大の民泊仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」でも、世界中からの物件登録数は日に日に増えています。そこで今回は、このAirbnbの中で日本の首都であり観光客も多い東京は、どのエリアに人気が集まっているのかを見ていきたいと思います。

物件が集まる人気エリアは複数の宿泊需要を見込む

各エリアの物件登録数などの詳細なデータについて、Airbnbからの公式発表はありません。また、法律もまだ整備が整っておらず、実際無許可の物件があることも忘れてはいけません。独自のデータ収集をしている会社がありますので紹介します。
合同会社はりうすは、Airbnbをクローリングして物件情報を独自に収集し、統計データを公開する「AirbDatabank(エアビーデータバンク)」というサービスを運営しています。そして、日本最大級の民泊専門メディア「Airstair」は、2016年1月、このAirbDatabankのデータを基に、東京エリアの各区別の物件登録数をまとめて発表しました。
それによると、登録数の第1位は新宿区です。東京都庁があり、多くの企業が集まる巨大なビジネス街の新宿は、観光客だけでなくビジネスユースの宿泊需要も見込める地域です。交通の便が良く、新宿御苑やゴールデン街などショッピングスポットも備え、いろいろな楽しみ方ができます。
ちなみに、株式会社3rdGeneが収集・蓄積しているAirbnbデータサービス「AirLABO」によれば、新宿区の1日当たりの平均宿泊料金は9,969円、1ヵ月の平均宿泊売上額は18万5,423円とのことです(執筆時点、以降同じ)。
物件登録数の第2位は渋谷区です。こちらも言わずと知れた人気の街。ファッションから音楽、アートまでさまざまな文化の発信地であり、大きな商業施設も豊富です。原宿・恵比寿・表参道など、周辺エリアもとても人気があります。上述の「AirLABO」では、渋谷区の1日当たりの平均宿泊料金は1万592円、1ヵ月の平均宿泊売上額は22万8,787円となっています。
物件数の多い人気エリアはその街の魅力もさることながら、観光客だけではない複数の宿泊ニーズを取り込んでいることが特徴の一つにあるようです。

さまざまな個性を持つエリアに多くの物件が集まる

東京23区内の物件登録数3位以降は以下の通りです。
(※平均宿泊料金・売上額は「AirLABO」での算定による)
● 3位 : 港区
六本木・芝エリアを擁し、六本木ヒルズや東京タワー、芝公園など多くの観光スポットがあります。また、国立新美術館や森美術館といった美術館も多くあり、ミュージアム巡りも楽しむことができます。
1日当たりの平均宿泊料金 : 1万1,370円
1ヵ月の平均宿泊売上額 : 22万1,715円
● 4位 : 台東区
浅草寺を中心とする浅草エリアは、海外からの訪日観光客が4人に1人の割合で訪れる一大観光スポットです。地元商店街や観光連盟も日々さまざまな観光サービスや商品の開発に励んでいます。また、恩寵上野動物園や国立科学博物館のある上野もあり、今後も一層の集客を見込める地域です。
1日当たりの平均宿泊料金 : 8,630円
1ヵ月の平均宿泊売上額 : 15万5,340円
● 5位 : 豊島区
池袋駅を中心とする「副都心」を擁する地域です。ここは何と言っても、サンシャイン60が有名でしょう。千代田区、中央区、港区、新宿区とともに「都心5区」に数えられる地域です。
1日当たりの平均宿泊料金 : 8,652円
1ヵ月の平均宿泊売上額 : 15万3,140円

東京では「貸切タイプのアパマン」がAirbnbに人気

上述の物件登録数上位エリアにおいて、登録物件の部屋タイプは、いずれも「貸切タイプのマンション・アパート」が多くを占めています。
ブログ「マンション・チラシの定点観測」では、東京23区全域のAirbnb登録物件の分布図(2016年4月時点)を作成して公表しています。これによると、都心部を中心に多くの「マンション/アパート」が分布していることが分かり、上記の部屋タイプのデータとも合致します。
逆に都心部から離れたエリアは、東京23区内であってもAirbnb登録物件は少ない(人気度が低い)と言えそうです。一方で、一軒家タイプは、マンション/アパートの集中しているエリアのやや外側に分布しています。

Airbnb分析情報続々と 投資検討の参考に

民泊の活性化と歩を合わせて関連サービスも増えていますが、上述の「AirbDatabank」「AirLABO」のようなAirbnb分析サービスも例外ではありません。ジェイピーモバイル株式会社は、2016年4月、米国の民泊データ配信大手と契約を締結し、Airbnb物件データの蓄積・分析を行って提供するサービス「エアーディー・エヌ・エー(AirDNA)ジャパン」を開始しました。
東京23区内に限らず、民泊ビジネスや投資を考えるに当たっては、これらの情報やサービスを複合的に活用し、分析していくと良いでしょう。