サブリースによるアパート経営は安全なのか

「サブリース」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。賃貸マンションの経営では、最近身近になった言葉です。
サブリースとは、賃貸物件の経営において不動産業者が賃貸オーナーから部屋を借り上げ、居住者に転貸するシステムです。業者はオーナーに対して賃料を支払い、居住者は業者に対して家賃を払います。
20年ほど前にある不動産会社が導入し、オーナー側・業者側双方にメリットがある考え方として、瞬く間に日本全国に広がりました。

サブリースのメリット

まずはじめに、オーナ-側と業者側の立場で、サブリースを利用するメリットを考えてみましょう。

● 賃貸オーナー側のメリット

オーナーにとってサブリースのメリットは、「賃料の安定」です。
通常の賃貸物件では、いつでも満室になるとは限りません。入居者が入らなければその家賃が得られず、賃貸経営の収益は安定しません。
一方サブリースでは、一棟借り上げの場合、賃料は全戸分すべて不動産会社が支払うため、たとえすべての居住戸が空いていても、オーナーが得られる賃料収入は変わらないのです。これがサブリースの最大の魅力といえるでしょう。
オーナーは賃貸物件を新築する際、借入金(アパートローン)を毎月きちんと返済できるかどうか考える必要があります。借入金の返済額が毎月の家賃収入を上回ると、オーナーにとっては「持ち出し」となり、賃貸マンション経営は事業として成り立ちません。
サブリースは、賃貸経営をする上での「前提」を崩さない効果的な方法だといえるでしょう。

● 不動産業者のメリット

一方、不動産業者にとってもサブリースは魅力的な経営モデルです。サブリースの形態にはさまざまなパターンがありますが、基本的には以下の形です。
賃貸マンションオーナーの収入=家賃収入-サブリース手数料(10%前後)
不動産会社にとっては、管理料としての約10%を、安定して確保できる点がポイントになります。通常、不動産業者は仲介物件の価格の3%前後を手数料として受け取って会社の収入にしています。これに加えて、サブリース物件からも手数料を安定して得られるのは大きなメリットです。

サブリースが社会問題に

その一方で、サブリース制度が賃貸住宅経営の大きな問題になっているという話もあります。以前報道番組で、サブリースを利用した賃貸アパート経営の結果、生活環境が著しく悪化した賃貸オーナーの声が特集されたことが話題となりました。
しかし、サブリースの仕組みに欠陥があるわけではありません。一部の不動産業者や建築会社が「どのような土地でも、サブリースはメリットがある」と誇張して回り、多くの土地所有者がこれを信じて、あるいは押し切られてマンションやアパート経営に適さない土地に賃貸物件を建設した結果なのです。結局、入居者が思うように集まらず経営が苦しくなってしまいます。
気をつけなければならないのは、サブリース物件における入居率や賃料収入の低下影響は、借り上げている不動産会社のみが影響を受けるのではなく、オーナーも受けるということです。
例えば、契約上「経済状況の変動等があった場合、家賃の増減を請求できる」としている場合があります。新築直後は当初の賃料が支払われるものの、入居率が落ち込み賃料収入が減少すると、設定賃料を下げる可能性があるのです。
こうなるとオーナーの収支は悪化してしまいます。サブリース契約をする場合は、事前にその内容をしっかりと確認した上で契約しましょう。

サブリースによるアパート経営は安全なのか

賃貸物件オーナーにとって、サブリースによるアパート建築は安全なのか?と問われれば、空室の心配をしなくていい仕組みではありますが、自分自身で良く確かめた上で利用すべき制度といえます。場合によっては悪用される可能性もあるため、100%安全とは言い切れません。
サブリースで失敗しないためには、どうすればいいのでしょうか。それは、サブリース制度の持つメリットやデメリット、リスクをきちんと説明してくれる、信頼性の高いサブリース業者、不動産会社を見つけることに尽きると思います。
今後、日本の人口は減少します。家賃の減額というサブリースのリスクは、これまで以上に客観視しなければならないでしょう。隠すことはなく、それを顧客である賃貸オーナーに伝え、一緒に対策を考えることができるような不動産会社を賃貸オーナーは峻別しなければならないのです。いいパートナーを見つけるようにしてください。