意外と知らない? 用途地域の重要性

不動産会社を介して住居を購入する場合、既に完成している家屋と土地を購入する(建売)方法と、土地を購入した後、そこに建築会社に依頼して建物を建築する方法があります。後者では、ご自身がイメージした住居を希望通りに設計・建築できる場合も多く、夢も大きく広がります。
しかし、ここで気を付けたいのが「用途地域」です。土地はたとえ自分の所有であっても、何でも建てていいわけではありません。それぞれの土地に用途地域と、建てて良い建築物が定められています。今回はこの用途地域について詳しく説明します。

12種類の用途地域

用途地域は「都市計画法」という法律によって定められており、全部で12種類あります。それぞれについて、おもに建築できる建物が決められています。土地を購入する時は、それがどの用途地域に該当しているのかを必ず確認するようにしましょう。
<都市計画法による用途地域の定義(第9条)>
【1607-10】意外と知らない? 用途地域の重要性_【表1】

投資物件の用途地域で気を付けること

では、不動産投資物件の用途地域を確認するにあたり、気を付けるべきポイントはどのようなことでしょうか。

● どのような建物が建てられそうか

購入した土地にどのような建物を建築するかは、もちろん購入主に委ねられます。賃貸マンションを建築し、投資用物件とするケースも多いでしょう。ところが、用途地域によってはマンションの階数が制限されたり、店舗併用の賃貸マンションが建築できなかったりすることもあるので注意が必要です。
先祖代々の土地に収益物件を建築するような場合は、用途地域による制限は黙って受け入れるしかないでしょう。ただ、不動産投資用に新しく土地を購入するならば、必ず購入前に用途地域を調べ、そこに自分が欲しい建物を建築可能なのか、確認してから購入手続きを進めるようにしましょう。

● どのような建物が近隣に建つ可能性があるか

もう一つ用途地域で気を付けなければいけないのは、「その土地の近隣にどのような建物が建つ可能性があるのか」ということです。
例えば、相場と比較しても高い家賃が取れる、魅力的な不動産投資物件を購入できたとします。ところが数年後、その近隣に大きな作業音を発生させる工場の建築が決まりました。驚いて確認すると、実は近隣地域の用途地域は「準工業地域」だったのです。
近隣の不動産オーナーと反対運動を繰り広げたとしても、工場の建設は用途地域に則った合法なものなので、建築が中止になる可能性は極めて低いでしょう。
こうした事態を避けるためにも、投資物件の購入時は、近隣の用途地域に注意しておきましょう。

用途地域以外にも気を付けたい土地選びのポイント

先ほどの事例のように近くに工場などが建った場合、投資物件としての不動産の価値は大きく変わります。投資用不動産を購入する時は、「近隣に予測できない建物が建つ恐れがないか」を念頭に置くようにしてください。
そのためには上述の通り、近隣の用途地域を把握しておくのは基本ですが、もう一つ気を付けておきたいポイントがあります。それは、物件の近隣に大きな駐車場などの「将来の土地活用が想定できるもの」があるかどうかです。
例えば、購入した不動産物件の道路を挟んで真向かいに、大型の駐車場があったとしましょう。近隣の人から話を聞いてみると、高齢で単身の土地所有者がその駐車場を管理していた。もしかすると、相続で土地が売却され、次の所有者がこれまでとはまったく違う土地利用を行うかもしれません。
簡単ではありませんが、物件選びには、こうした点まで視野を広げて考える必要があるのです。
不動産購入時に多くの方々は、入居率や設定家賃額に気を取られがちです。不動産の専門知識でもない限り、なかなか注意の及ばないのが「用途地域」でしょう。しかし、長い間不動産投資を続ける上で、用途地域はとても重要なのです。
ぜひ、物件購入時には、少しだけ視野を広げて、用途地域にも留意してみてください。