再開発で本当に地価は上がるのか? 再開発と資産価値の関係性とは

皆さんは自宅や投資物件を購入する時、どのようなことを考慮されているでしょうか。多くの方はその一つに、「物件の価値が下がりにくい」ということを、意識されているでしょう。
購入した不動産の値打ちが下がって嬉しい人はいません。今回は、一般的に「地価が上がる」といわれる再開発地域と資産価値の関係について解説します。

「再開発」とは

不動産業界における「再開発」とは、

「都市再開発法に基づき、市街地内の老朽木造建築物が密集している地域等において、細分化された敷地の統合、不燃化された共同建築物の建築、公園、広場、街路等の公共施設の整備等を行うことにより、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図る」(国土交通省市街地整備課ホームページより)

ものとされています。
では、なぜ再開発が行われる地域の地価は上がるといわれるのでしょうか。それにはいくつかの理由があります。

● 商業施設が充実する

再開発地域は、対象地域の土地・建物を収用(必要な土地等を所有者等から強制的に取得すること)するため、大規模な商業施設が入るスペースを確保できます。
「都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図る」という観点から、再開発地域では商業施設が充実します。
商業施設が充実すればその地域の利便性が高まり、将来的な価値が上がると期待できるため、先行して土地や建物の取得が行われ、地価が上がります。

● 人が集まる

商業施設が充実し利便性が向上した地域には、当然そこに住みたいと思う人が増えます。
住みたいと思う人が増えれば増えるほど、供給に対して需要の多い状態になるため、地価は一段と上がります。

● ブランド価値が付く

商業施設が充実して人が集まった地域は地価が上がり、高級住宅も多くなります。そうなると、「住みたくても地価が高くて住めない街」という印象を多くの人が持つようになり、その地域にブランド価値が発生することがあります。
こうした印象が定着すると、「高くても住みたい」と思う人が増えるため、ますます地価を押し上げる要因となります。

「資産価値」とは

この地価と関連する言葉として「資産価値」というものがあります。
税制上の資産価値とは、土地においては地価、建物においては建築物の価値になります。地価は経年によって下がることはありませんが、建物の場合は耐用年数が決められており(木造建築物では22年、鉄筋コンクリートでは47年)、耐用年数を過ぎた建物は資産価値ゼロとして扱われます。
金融機関で耐用年数を過ぎた物件に対して融資が出にくいのは、建物の価値が融資額に反映されないためです。
こうした税制上の「資産価値」もありますが、不動産投資における資産価値とは、実際に売却した場合に、どれくらいの値段がつくのかという市場価値、あるいは賃貸に出した場合にどれくらいの賃料が得られるのかという収益性価値を指します。
利便性の向上・需要拡大・ブランド化が進んだ再開発地域は、地価と同様に資産価値が上がります。また、たとえ建物が古くなったとしても、その資産価値がすぐに下がることはありません。
一度向上した地域の利便性が短期間のうちに失われるとは考えにくく、ブランド化も同様で、多少建物が古くても「そこに住みたい」と思う人が多ければ、中古物件でも価格は下がりにくい傾向にあります。
「そこに住みたい」ニーズが低下しない限り、賃貸物件としての賃料も高水準が維持できます。収益性の面でも資産価値は下がりにくいです。

「再開発」地域の購入の注意点

これまで再開発地域における地価・資産価値の上昇について説明してきましたが、ここで注意していただきたいのは、再開発地域のすべてにおいて大幅な地価上昇、資産価値上昇が起きるわけではないということです。
一口に再開発といっても、地域一帯の整備を進め、街の景観や利便性向上を計画しているものもあれば、小規模な駅周辺の区画整理程度のものまでさまざまです。
そこで、注目している再開発地域がどのような内容の再開発を計画していて、再開発後にどのように利便性が向上するのかなど、具体的に調べる必要があります。
もし有望な再開発地域だとしても、市場価格が先行して値上がりしている物件を買ってしまうと、利便性や需要が追いついていない間は「高い買い物をした」ということになります。
また、想定していたように再開発が進まず、計画の一部が変更される場合もあります。そうすると再開発されても地価の値上がりが期待できなくなるかもしれません。先行して取得した土地や建物が、取得金額よりも値下がりする可能性があります。
そして、再開発が順調に進みブランド化された地域であっても、既に大きく値上がりしていては、それ以上の市場価格や賃料を期待することはできません。本当に価格に見合った価値があるか十分に検討し、見極める必要があります。