国債VS不動産投資 ―意外と答えられないリスクとメリット

不景気や賃金カット、リストラ、年金減額の可能性など、私たちの将来は必ずしも安定したものとは言えず、いつどうなるか分からない不安があります。そのため、会社や公的制度にだけ頼るのではなく、自ら資産を運用し、増やすことを考える人も増えています。物件を購入して家賃収入などを得る不動産投資はその選択肢の一つです。
資産運用のための投資対象は、REITや株のような金融資産と、不動産や金のような実物資産に分けられます。金融資産の中で、安定性が高いと言われているのは「国債」です。一方で「不動産投資」も、実物資産の中では、安定した収益を得やすいと言われています。
今回は、安定性が高いとされる国債と不動産投資のそれぞれのリスクとメリットについて考えてみましょう。

国債は安全性が高いが、収益が得にくい

国債とは「国庫債券」を省略したもので、国が発行する有価証券のことを指します。
国債を投資家に買ってもらい、集めたお金で、ダム、道路、学校など、国家の運営に必要な公共事業のための予算に当てています。もちろん、公共事業は国民から集めた税金で賄われていますが、それだけでは足りず不足分に国債の収入の一部を活用しているのです。
国債のメリットは、国が発行している安全な有価証券であるという点です。
例えば株式の場合は、事業運営や拡大のために資金が必要となった企業が、投資家からお金を集めるために、株式を発行しています。事業が伸びて話題になれば株価も上がり、差額や業績に応じた配当金・株主優待などで投資家に還元されます。
その一方で、企業に不祥事や何らかの問題が起きた場合、株価は下がります。最悪の場合は企業が倒産し、保有していた株式の価値がなくなって大損する可能性もあります。
世界的にみても、日本国債は安全性がかなり高いと言われています。確かに、すぐに日本経済が破綻する可能性は極めて低いと考えられます。だから、国債は安全性が高い商品であると言えるでしょう。また、個人向け国債の場合は、1万円単位から購入できるという手軽さもメリットでしょう。
しかし、長期的な視点で考えると、必ずしも国債は安心とは言い切れません。日本の債務は1,000兆円以上にも膨らんでいて、万が一、日本の財政が破綻した場合は国債の価値が大暴落します。「国債は安全だから」と考えて保有していた人々が、損をしてしまうかもしれません。
2016年2月の日銀によるマイナス金利導入で、10年物国債の利回りはマイナスになりました。国債は現金とほぼ同じような価値があるため、マイナス金利が続く限り国債を運用しても、残念ながら収益は得にくいというのが現状です。

不動産投資は安定した収益を得やすいが、リスクも忘れずに

不動産投資は安定して収益を得やすいことが大きなメリットです。購入した物件を貸し出す場合、賃貸借期間は2年間として契約を行うことが一般的です。もちろん、入居者の事情などで契約途中での退去もありますが、よほどのことがない限り入居してすぐに出ていくケースは少ないはずです。
また、入居期間中に「家賃を下げてほしい」などと言われる可能性は低く、一度入居すれば同額の家賃を長期的に得ることが可能になります。株やFXなど、価格が上下しやすい金融商品に比べて、景気や世の中の動きに影響されにくく、常に安定した収益を得られるのが不動産投資なのです。
一方、不動産投資のリスクとして挙げられるのは、「空室リスク」です。せっかく投資用不動産を取得しても、入居者がいなければ意味がありません。立地条件や環境が悪い不動産を選んでしまうと、入居者が入らず家賃を下げざるを得ないといったことにもなりかねません。
また、入居者の家賃滞納やトラブル、最悪の場合だと入居している室内で事件を起こし、資産価値が下がってしまうという危険もゼロではありません。
さらに、不動産は流動性が低く、購入後に思うように入居者が入らず予想していた収益が得られない時に、すぐに売却することが難しいのです。そのため、物件を購入する際は長期的に収益を得られそうかどうか、立地条件や建物の状態をしっかりと見極めて、慎重に選ぶことが必要です。

リスクとメリットを理解しよう

さて、今回は投資商品の中でも比較的安全性が高いと言われている国債と不動産投資について紹介しました。国債は国が発行しているという点が、不動産投資は安定収入が得やすいという点が、それぞれのメリットである点は理解してもらえたと思います。
投資にリスクはつきものですが、きちんと時間をかけて準備を行い、適切な投資で成功している人もたくさんいます。情報収集を怠らず、目的を明確にして投資を行うことが、成功するために必要な条件と言えるでしょう。