アパート経営における駅近物件の魅力、それは「希少性」にあり

アパート経営の成否は、立地が大きなポイントとなります。人気のない立地では、どんなに建物にこだわっても、空室リスクに悩まされる機会は多いでしょう。特に、公共交通機関が発達している都市部では、駅近物件が揺るぎない人気を誇っており、不動産投資家の憧れの的です。
ではなぜ、駅近物件は人気が高いのでしょうか? 今回は「希少性」をキーワードに、その理由を掘り下げてみます。

1. 距離が2倍で面積4倍 = 競合も4倍に

● 経営を直撃するライバルの出現

まずは、ハード面の「希少性」から見ていきます。どのような商売でも、経営に最も大きな影響を与えるのが「ライバル」の存在でしょう。
アパート経営も例外ではなく、競合物件が多ければ多いほど、空室リスクは高まり、家賃低下やサービス合戦(エアコンやシャワートイレの有無、礼金・敷金を無料にするなど)を余儀なくされます。
しかも、新築アパートが次々に建築されるような地域の場合、既存アパートは相対的に古くなるので、ますます敬遠されるようになっていきます。ライバル(競合物件)が出現する可能性が高いかどうかは、長期安定経営を計る一つの重要なバロメーターといえるのです。

● 駅近物件はライバルが少ない!

駅徒歩1分圏内にあるような駅近物件は、そもそも、数の希少性からライバル出現の可能性は極めて低いというのが大きな魅力です。
単純にエリアの面積計算で考えても分かります。駅から半径100mのエリアと半径200mのエリアの面積を比べてみると、
・ 100m × 100m × 3.14 = 31,400㎡
・ 200m × 200m × 3.14 = 125,600㎡

となります。駅からの距離が2倍になれば、その距離内にあるエリアは4倍の面積になることが分かります。エリアの大きさが4倍ということは、そのエリア内に建つ物件数も4倍になると考えられるわけです。
つまり、駅から徒歩1分(80m)圏内にある物件に比べると、徒歩10分(800m)の物件には、同じか、それよりも良い立地にある競合物件が100倍も存在する計算になるわけです。逆に、駅から徒歩10分の物件に比べて、徒歩1分の物件は100分の1しか存在せず、無競争に近い経営ができるということになります。

2. 環境そのものに価値がある

● 入居者にとっての魅力 ≦ オーナーにとっての魅力

駅近物件はその数が少ないというだけでなく、「駅近」という立地も大変希少で、いわば「一等地」です。その立地環境にはさまざまなメリットがあります。
通勤・通学が便利で、友達を呼びやすい、タクシー代が掛からない、車が要らない、夜道を歩かなくてもいい、お店が揃っているなどなど、若者からお年寄りまで、幅広い年齢層に魅力的な環境を備えています。このため、家賃を高めに設定できるうえ、空室が発生しても次の入居者が見つかりやすいのです。
もし建物が多少古くなっても環境面の魅力は変わらないため、高い人気(=資産価値)を持続できるという点も見逃せません。
こうした環境で満室経営が続いている物件なら、修繕や建て替えなどの融資交渉も円滑に進みます。まさに駅近物件は、入居者以上にオーナーにとって魅力ある資産なのです。

● 出口戦略上も有利

駅に近いという立地では、アパート以外にもさまざまな土地活用が可能です。商業施設や公的施設、医療機関、事務所、マンションなど、多様な引き合いが考えられます。
再開発や大型プロジェクトの一角に入れば、取得した何倍もの価格で売却できるケースも珍しくありません。いわゆるキャピタルゲインが期待できるのも、駅近物件を所有する楽しみといえるでしょう。
また、建て替えやリノベーションを行い、引き続きアパート経営を続ける場合でも有利です。上述しましたが、土地そのものの資産価値が高く、健全なアパート経営の実績があれば、金融機関の融資を受けやすいからです。
このように、一般のアパートでは苦労する出口戦略(アパート経営の終わり方)の面でも、駅近物件には多大なメリットがあるのです。

まとめ

アパート経営者にとって最大の脅威は競合物件の存在です。しかし、駅近物件の場合は、物理的に競合物件が少なく、長期安定経営が可能でしょう。
また、世代や職業に関係なく入居希望者が見込まれるため、高めの家賃でも入居者が決まりやすく、空室が生じても短期間で次の入居者が埋まる傾向にあります。
環境自体に魅力があるので満室経営が続きやすく、それが金融機関からの信用にもつながって、出口戦略上も有利に働きます。駅近物件は、入居者以上にオーナーにとってメリットが大きい物件でしょう。購入価格は高額になるものの、不動産投資家ならばいつかは手に入れたい「優良収益物件」といえるでしょう。