【民泊用語集】Airbnb業者や不動産オーナーは知っておきたい基本用語

2005年には670万人に過ぎなかった日本への外国人旅行客(インバウンド)は、円安による割安感、ビザ要件の緩和などの要因から、2015年には約2,000万人と急増しています。
さらに、2020年の東京オリンピックに向けて観光客はさらに増加することが予想され、その受け入れのためにホテルなどの宿泊施設の整備が急務となっています。このような背景から、この数年で急速に拡大しているのが「民泊」です。
そこで今回は、民泊事業を始める際に知っておきたいことについて、代表的なウェブサービスである「Airbnb(エアビーアンドビー)」の基本用語などとともにみていきましょう。

民泊およびAirbnbに関する用語

● 民泊

「個人や一般家庭などが、空家や空室に有料で旅行者を宿泊させること」を指します。日本では2000年代後半から、ウェブサービスによる物件登録・検索・予約・決裁などの簡略化により、急速に広まった宿泊形態です。

● Airbnb

「エアビーアンドビー」と読みます。2008年にアメリカで始まった民泊ウェブサービスの代表的なサイトです。世界中の民泊情報がインターネットを介して登録、検索・予約・決裁される仕組みです。
現在、世界191ヶ国、3万4,000件以上の物件が登録されています。2014年には日本法人も発足し、全国で2万件以上の登録があるといわれています。

● リスティング

Airbnbでは、貸主を「ホスト」といい、借主を「ゲスト」といいます。リスティングとは「掲載物件」のことで、ホストは、ベッド数やバスルーム数、アメニティといったリスティングの基本情報、写真、概要、宿泊料金などをAirbnbに登録します。
ゲストが宿泊先を決めるポイントは、料金や立地(繁華街や名所に近いかどうか)、アメニティやセキュリテイなどです。リスティングの登録情報が民泊事業にとって重要なのはいうまでもありません。ホストは、物件の特色や長所を十分にアピールできるように工夫しましょう。

● レビュー

ゲストへのアピールとして、もう一つ重要なのはレビュー(物件を利用したゲストの感想や評価)です。
他のゲストは、この「口コミ評価」をとても重要視しています。批判や悪口を書かれてしまうと取り返しがつきません。
ホストは自分の物件や、人気のあるリスティングへのレビューを参考にして、サービスや設備を定期的に見直し改善していくべきです。また、レビューに対し、ホストとして感謝の気持ちを込めて返信することも大事です。
こまめなコミュニケーションが、リピーターやファンを増やすことにつながるでしょう。

● ゲストサービス料/ホストサービス料

Airbnbでは、まずゲストが宿泊を予約した際に宿泊料とゲストサービス料6~12%をゲストから徴収します。次に、成約したゲストがチェックインした24時間後に、Airbnbは宿泊料から3%の手数料(ホストサービス料)を差し引いた金額をホストに振り込みます。
宿泊料の設定、採算計算の際にはこの手数料を忘れてはいけません。

● PayPal

クレジットカードの口座を利用したオンライン決済システムです。世界でも信頼性が高く、2億アカウント、190ヶ国、24通貨、18言語に対応しています。
ホストがAirbnbから宿泊料を受け取る方法には、銀行振込(国際送金)、Payoneer、PayPalの3つがありますが、手数料が銀行振込よりも安く、開設手続きがPayoneerよりも容易なPayPalを選択するホストが多いようです。
国際送金の場合、手数料は1回当たり2,500~4,000円程度と宿泊代を超えかねないレベルで、採算に大きく影響するので注意が必要です。

● 代行サービス

民泊の運営には、物件の選定に始まり、内装・備品の調達、Airbnb登録、料金設定や利用規則などの決定、写真撮影や紹介文作成など、さまざまな作業が必要です。施設のメンテナンスや清掃も欠かせません。
さらにゲストとのメールのやり取り、応対やコミュニケーションでは、英語以外の外国語でも対応できたほうが望ましいでしょう。
こうしたホストの業務を代行してくれるのが、種々の「代行サービス業」です。オールインワン方式の完全代行から、細分化された個別の業務代行まで、事業内容や規模は多岐にわたります。
代行サービスは、労力をかけずに蓄積されたノウハウを利用できる一方、コストは定率的に上がるため収益圧迫のリスクもあります。立地や運営方針、ホスト自身の能力に合わせ、取捨選択して、効率的に活用することが望まれます。

「民泊」の法的位置づけに関する用語

民泊運営を検討するにあたって重要な、法規制の動向に関する用語を紹介します。

● 旅館業

旅館業法において「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」のことです。この営業については「社会性を有し継続反復されるもの」とされ、原則的に事業者は地方自治体の許可が必要となります。
観光庁は無許可営業の施設に対して簡易宿所営業の許可を取るよう指導していますが、指導後の取得は2~3割に過ぎず、今後の法整備が話題となっています。

● 規制改革実施計画

2015年6月に閣議決定された「規制改革実施計画」では、「インターネットを通じ宿泊者を募集する一般住宅、別荘等を活用した宿泊サービスの提供」について、2015年検討開始、2016年中に結論を出すものとしています。
その際、「一定の民泊サービスについては旅館業法上の適用除外とした上で必要な規制を新たに行う」とされています。

● 国家戦略特区

「国家戦略特別区域法」に基づき、認定地域限定で旅館業法の特例とすることで合法的に民泊ができるようにするものです。
現時点では、大阪府と東京都大田区で条例が制定されていますが、宿泊日数が7日以上に設定されていたり、設置できる地域が旅館業法と同じであったりして、規制のハードルはさほど下がっていないとの見解も多いものです。
このため、上述の規制改革実施計画の検討結果との整合性を注視していく必要があります。

今後の動向に注目

民泊は、空家や空室を有効活用して宿泊施設不足の解決に寄与するサービスとして注目されており、これに付随するサービスや企業も増加しています。
一方で法的規制の問題や、ゲストによる騒音やごみの問題、賃貸契約・管理規約における禁止条項にかかる問題など、さまざまな問題・トラブルも散見されるようになってきています。いまだ発展途上にあるビジネスであるのは確かです。
今回ご紹介した用語を通して民泊の基礎を身に付け、ぜひ実際の民泊運営に活かしてください。