南向きにこだわるのはもう古い! アパート経営で方角は無視すべき理由

「家を建てるなら、南向きがいい」という話を聞いたことがある人もいるでしょう。実際、賃貸アパートや一戸建ての広告などには、「南向き」がアピールされているものも多いです。昔から言われ続けている、「家は南向き」という考えですが、これはアパート投資においても正解なのでしょうか?
結論をいってしまうと「ノー」です。
そこで今回は、「南向き」などの方角が、アパート入居者に与える影響について考えてみましょう。

「南向き」の意味と、そのメリット

そもそも、部屋の間取り図を見れば分かる通り、南向きだけの建物を作ることは不可能です。北向き、西向き、東向きと、すべての方角に部屋は存在します。ところで、いいといわれる「南向き」の作りとは、どういう意味なのでしょうか。
通常、「ベランダやリビングの窓が南を向いている」「南側に窓の付いた部屋が多数ある」という意味と理解してください。特に、ベランダの方角が南向きというのは、「南向き物件」には外せない条件となっています。
南向きの一番のメリットは日当たりの良さだと考えられています。昼間は日光が差し、ベランダや室内を明るく暖かい状態にしてくれます。私たち日本人は、布団や洗濯物を屋外に干すことを好み、そうすることが当たり前になっています。
その習慣にマッチしているという点で、南向きが人気だといえます。

デメリット1. 「南向き」にするためのコスト増

敷地にアパートを建てる際、南向きに建築しようとして、経費が多く掛かる例がしばしば見られます。道路から引き込む配管の距離が延びたり、南向きにするために敷地内に無駄なスペースができたりといった問題が発生しやすいのです。
さらに、南向きアパートを手に入れても、その後、南の方角にアパートより高い建物が建築されてしまうと、日当たりが悪くなってしまいます。そうなれば、せっかくお金を掛けたのに「南向き」というアピールもできません。
なお、「南向き」にするかどうかは別として、アパートを建築する前には周辺エリアに高い建物が建築できるかどうかを調べる必要があります。

デメリット2. 入居者からすれば南向きはマイナスイメージにも

賃貸アパートにおいて日当たりがいい部屋は、入居者にプラスのイメージは持たれてもマイナスのイメージを持たれることはないと思っていませんか?
残念ながら「南向き」と聞くと、入居者は「家賃が高い」というイメージを最初に抱きがちなのです。実際にインターネットなどの賃貸情報を見れば分かりますが、南向きの部屋とそうでない部屋とを比べると、家賃に2,000~3,000円の差があるようです。
「南向き=家賃が割高」と思われる意外なデメリットにはご注意ください。

入居者から見た、「○向き」のメリット&デメリット

ここまで「南向き」の善し悪しを見てきましたが、その他の方角にはこのような問題はないのでしょうか。
南向きに対して、敬遠されがちなのは「北向き」です。北向きの部屋には日が入りにくく、日中、部屋に日光を取り入れたいという方にはデメリットとなります。
一方、日中は仕事で家を留守にすることが多いという方にとっては、特に問題ないでしょう。むしろ、北向きの部屋は家賃設定が他の方角に比べて割安になりやすいため、日当たりを気にしなければお得な物件ともいえます。
東向きの部屋は、朝早くに日が差すため、夜勤などで朝が遅い方には過ごしにくいかもしれません。逆に朝早い時間から活動する方にはいいでしょう。
西向きの部屋は、午後の日差しが部屋の奥まで入ります。特に夏は、強い西日の影響で部屋の中が暑くなります。床や畳の日焼けを気にする方も少なくないでしょう。逆に冬は、日差しのおかげで部屋が暖まるのはメリットです。
入居者は、こうした特徴を踏まえて、また、好みやライフスタイルに合わせて賃貸物件を選ぶことになります。アパートオーナーもまた、「○向き」が入居者の心理にどういった影響を与えるかを念頭に置いて、管理対応を丁寧に行う必要があるでしょう。特に西向きの部屋では窓を断熱性の高い複層ガラスにするなど、日差しを避けるための工夫ができれば理想です。

まとめ

今回は、アパートの部屋の方角について、ポイントを説明しました。「南向き」が入居者にとって必ずしもメリットとはならず、アパート経営においても、南向きに大きなメリットはないということを理解いただけたかと思います。
方角よりも重要なのは、不動産投資の基本になりますが購入価格や利回りの計算、入居率が高いエリア選び、誠実な管理会社選びなどです。あまり方角のことにとらわれず、総合的に判断してより合理的な形でアパート経営を行ってください。