見落としがち! 不動産投資で抑えておくべき「間取り」の基礎知識

不動産投資で想定通りの利益を得ていくためには、何よりも空室を出さない運用がカギでしょう。そのためには、できるだけ好立地の物件を探すこと、ターゲット層にとって魅力的な設備の導入、建物の適切な維持管理などが必要となりますが、これらとあわせて部屋の間取り選びも重要になります。
今回は、不動産投資を行うオーナーが知っておきたい、間取りのポイントを説明します。間取りを知ることで、その物件が魅力的かどうかを判断でき、将来的なリフォームに掛かる費用も変わってきます。ぜひ参考にしてください。

同じ部屋の広さでも、使いやすさが異なる

不動産物件を投資目的で購入する際には、それがアパートかマンションか、木造か鉄骨か、また最寄り駅からの距離、スーパーや病院など近隣施設の有無などで判断する人が多いと思います。もちろん、部屋の広さや間取り(1DK、2LDKなど)もチェックします。部屋の配置や大きさを見て、どのようなターゲット層が入居者となり得るかを想像するでしょう。
しかし、部屋の広さと間取りだけを文字情報で判断して、間取り図をしっかりと見ていないと、意外な「落とし穴」で失敗することがあります。ポイントを示しますので、ご注意ください。

1. 柱の位置

間取り図で最初に確認したいのは、柱の位置です。ほとんどの場合、住居の四隅に柱が付いていますが、ポイントは、柱の形が専有部分(室内側)に出ているのか、廊下やバルコニーなどの共用部分に出ているのかという点です。前者は、部屋の中に柱があるという意味で「インポール設計」、後者を逆に「アウトポール設計」と言います。
容易に想像できるでしょうが、部屋の中に柱があると、室内の床面積が減るだけでなく、柱の形が出る部分で家具の配置に制限が出てきます。インポールの部屋は、数字上は床面積の広い部屋であっても、住人にとっては不便に感じられ、あまり開放感を味わえないでしょう。図面を見ればすぐ分かることなので、しっかりとチェックしてください。

2. ドアのタイプ

次に、室内の各部屋間にあるドアにも注意すべき点があります。
一般的に多く見られる開き戸では、ドアを開け閉めする際のドア板のスペースが必要です。室内側に開く場合は、家具を配置できないデッドスペースができますし、廊下側に開く場合は、邪魔にならない通路の幅が必要になります。室内動線を考えて、入居者にとって不便な間取りになっていないか検討してください。
また、図面上では余裕を持って収まっているのに、実際の現場を見るとドアの開きがものすごく窮屈であるというケースも稀にあります。ドアだけに限りませんが、間取りは必ず内見で確かめるようにしましょう。なお引き戸の場合は、ドアが壁に沿って戸袋に収納されるので、邪魔になることはありません。開き戸と引き戸は、間取り図でもきちんと区別して書かれていますので、よく確認してください。

3. キッチンの窓の有無

「ワンルームよりも1K物件のほうが、居室とキッチンが分離しているので好きだ」という人も多いようです。しかし、そのキッチンの位置と、特に窓の有無にはよく注意しましょう。窓がないと、自然換気ができずに、臭いがこびり付いてしまうことがよくあります。しかも、日差しが入り込まないので暗くなりがちです。また、エアコンの風が入り込みにくいと、夏などは料理が億劫になることもあります。
キッチンの換気や通気性、窓の有無はよく確認しておきましょう。場合によっては、1Kにこだわらずワンルームを選び、パーテーションなどで区切ったほうが良いこともあります。

間取りが、将来のリフォームにも大きく影響する

同じ物件を長く所有していたり、築古物件を購入したりした場合には、賃貸物件としての魅力を保つために、ある時期にリフォームやリノベーションをする必要が出てきます。
このリフォームの際に特に費用が掛かりがちになるのが、水回りの場所の変更です。たとえば旧型のキッチンを食洗付きの最新システムキッチンにする、最近あまり人気のない「ユニットバス」を風呂・トイレ別に変更するなどです。こうした水回り設備の変更は、床下配管も含めての工事になり、設備の位置などが変わると配管の切り回しが余計に必要になります。
設備の位置はできるだけ変えなくて済むように、水回り関連は一ヶ所に集まっている間取りの物件を選ぶようにしましょう。
不動産投資用に物件を購入する時は、出口戦略を立てることも重要です。そして将来のリフォームやリノベーションを前提に築古物件を購入することもあるでしょうが、間取りの構造は、その費用を大きく左右するものなのです。
目先の価格だけに引かれて物件を購入するのではなく、間取り図をよく見て、その物件の実際の住みやすさや、将来性までをきちんと視野に入れてから、購入を検討していきましょう。
また、住人にとって間取りが魅力あるものかどうかは、実際に物件を内見して確認するのが一番です。訪問する時間がなかったとしても、基本的な間取りの見方を知ってしっかりと構造を確認してください。