UBERやAirbnbに見る「シェア」の時代

近年、時間単位で車を借りられる「カーシェアリング」をはじめ、場所やモノの「シェア」を行うサービスが増加しており、若者を中心に定着しているようです。その中で身近になってきたものの一つが「シェアリングエコノミー」です。シェアリングエコノミーとは、家や車・モノや技術など、個人が持つ遊休資産を有料で貸し出す仲介サービスを指します。
総務省による「平成27年版情報通信白書 特集テーマ 『ICTの過去・現在・未来』」の、PwC「The sharing economy – sizing the revenue opportunity」のデータによれば、シェアリングエコノミーの市場規模は、2025年には約3,350億ドルにものぼることが予想されています。
今回は、代表的なシェアリングエコノミーサービスや、現在の動向などについて紹介します。

不動産投資物件の活用も可能な、空き家仲介サイトの「Airbnb」

シェアリングエコノミーの代表的なサービスに、「Airbnb」があります。Airbnbは、個人が所有するアパートやマンション、一戸建てなどを利用者に貸し出すことができる、190ヶ国以上に登録物件を持つ世界最大の空き家仲介プラットフォームサイトです。
部屋のオーナーは、Airbnbに物件情報や宿泊価格などを登録し、所有する不動産を宿泊施設として貸し出すことができます。登録物件の中には、立地条件の良い物件や広々とした間取りの物件なども多くあります。利用者はホテルよりも安く綺麗な部屋に宿泊できるうえに、まるごと貸切タイプの部屋を選べば、自分の家のような気分で滞在することができます。
貸す側にとっても、人気の物件になれば通常の賃貸よりも多くの収入が得られるため、所有不動産の空き部屋をAirbnbとして活用できるなどのメリットがあります。
こうした「民泊」に関して、各自治体は独自の規制ルールを定めるなど、実施のハードルを上げている所もありますが、日本政府側は民泊の解禁を検討しており、今年度中にも新法案が提出される予定です。

自家用車の配車アプリ「UBER」で、スムーズに目的地まで移動可能

日本では馴染みが薄いかもしれませんが、2009年にサービスが開始された自動車配車アプリ「UBER」も、シェアリングエコノミーのサービスとして人気があり、現在は世界70ヶ国で展開されています。
通常、移動の際にタクシーを利用したい場合、今いる場所の近くにタクシーが通っていない、あるいは通っていても、満車ばかりで乗りたい時になかなか乗れないということも少なくありません。
UBERでは、スマホのGPS機能を活用し、現在地の近くにいるドライバーを探すことが可能です。また、車種やドライバー情報、到着時間なども事前にスマホアプリから確認できます。支払いは事前に登録したクレジットカードで行うため、スムーズにサービスを受けられます。
このUBERは運転免許を所有し、かつ自家用車が必要な条件を満たしている人であれば、基本的に誰でもドライバーとして登録できます。免許と車さえあれば、空き時間などを活用して収入を得ることが可能になるのです。
2012年に日本に上陸したUBERですが、タクシー業界からの反発があり、また、2015年2月には、UBERが日本における「違法タクシー」にあたると、国土交通省が指摘して問題になりました。
その一方で、日本政府が「観光客の交通手段になり、自家用車の活用につながる」と、UBERに対する規制緩和の方針を明確に打ち出した結果、国家戦略特区である京都府丹後市で2016年5月から、UBERと地元のNPO法人が協同した有料配車サービスが開始されました。

不動産仲介業者を通さず、賃貸物件情報を得られるアプリ「Oliver」が登場

そして不動産業界にも、「シェア」サービスが登場しました。
2015年、マンハッタンでサービスが開始された新アプリ「Oliver」は、掲載されている登録物件を選び大家と直接連絡を取り合い、仲介業者を通さずに賃貸契約を行うことができる画期的なアプリです。
従来、賃貸物件を探す場合には不動産仲介会社に相談し、成約した場合は仲介手数料を支払うのが一般的でした。Oliverでは不動産業者を通さず、運営側が独自に大家側から物件情報を収集して公開しています。アプリを活用することで利用者は自分の借りたい物件が探しやすく、大家側は入居希望者をより見つけやすくなります。
しかしその一方では、実際に契約が成立しても不動産の知識があまりない大家との直接契約になるため、トラブルが起きる可能性もあります。実際にサービスが提供されるとどのようになるのか、その動向が注目されています。
現在、Oliverは海外のみのサービスです。今後、日本でシェアリングエコノミーが一般的になってくると、このようなサービスが日本で開始されるかもしれません。
Airbnbのように日本での実施に制限がかかっているサービスもありますが、民泊が規制緩和の方向に進んでいることもあり、不動産投資をする人にとって新たなビジネスチャンスになり得るでしょう。
現代は、昔のように「自分たちの車や家を所有する」のが当たり前ではなくなっています。提供する側は資産を有効に活用でき、利用者側は必要な時だけリーズナブルにサービスを受けられるという、双方にとってメリットの大きいシェアリングエコノミーは、時代に合ったサービスといえるのかもしれません。