共働きカップルが魅かれる賃貸住宅

女性活躍推進法が制定され、女性の社会進出に高い期待が寄せられています。そうした中、共働きカップルは増える一方です。内閣府の2016年版男女共同参画白書の「共働き等世帯数の変化」を見ると、1997年以降、夫婦共働きの世帯が専業主婦の世帯を超え、直近では専業主婦世帯が687万世帯に対し、夫婦共働き世帯が1,144万世帯と大幅に上回っています。
仕事をしたい女性の増加に加えて、夫の収入だけでは満足のいく暮らしができないという事情もあります。上記の調査結果では夫婦共働き世帯は6割超ですが、これは全年齢での結果です。若者に限定すれば、共働きがもっと多いことは間違いないでしょう。
賃貸の大きな需要の一つである「カップルの新居」についても、共働き夫婦への対応が鍵です。今回は、共働きカップルに支持される賃貸住宅を探ります。

カウンターキッチンは使いにくい?

日々の暮らしは、料理・洗濯・掃除をはじめとする無数の作業によって営まれています。これらの家事に追われるのではなく、効率化を図れれば2人がいたわって分担していくことが可能となります。まず、室内にはどんな設備が求められているでしょうか。
使いやすいキッチンとはどういうものなのでしょうか。一緒に料理する場合、または、得意な方が料理を担う場合で、それぞれ異なります。2人で同時に作業するには、シンクとガス台が一列の方が良く、背面スペースも必要です。一人作業には効率が良いL字型や、食べる人と作る人に分かれるカウンターキッチンは、一緒に料理する際には使いにくいと感じるかもしれません。
カウンターキッチンの調理台前の収納スペースをなくして、台の端からもう片方の端までの高さが同じ形式の「フルフラットキッチン」は、「2人で料理と食事が楽しめる」ということで人気があります。
料理と洗濯が同時進行できるように、キッチン・洗濯機・バルコニーが近い間取りや、多少の雨も気にせず干したまま出勤できるひさしの深いバルコニーも理想です。実際には、「平日は室内干し、休日に大物洗い」をする共働きカップルが多いようです。洗濯機の上などのデッドスペースに干せるように棚とバーを付けたり、天井に設置する室内干し器具があったりすると喜ばれます。
また、なるべく掃除をしなくても部屋が整頓されているように、たくさんの服と靴を収納できるような「収納力」が必要です。共働きカップルは2人がそれぞれオンとオフの服と靴を持っています。若い人たちの中には、ファッションにこだわりを持つ人も多いので、寝室などにたっぷりしたクローゼットが求められます。また、外から帰ったらそのままコートなどが掛けられるハンガーバーや、シューズイン・クローゼットなど玄関周りも注目されています。
また、リビングには大きなソファも必要でしょう。家事や仕事のあとでゆっくりとくつろげるように、そして、今日の疲労度も明日の予定も異なる共働きの2人には、どちらか先に就寝してもいいように、寝室とリビングがしっかりと間仕切りされ、相手を思いやりながら、映画・音楽やゲームなどを、大きなソファに体を横たえて、楽しめる時間が必要になるはずです。

物件に装備すべきは宅配ロッカーより、大型郵便受箱

次に、物件全体の設備には何が求められているのでしょうか。
amazonや楽天などインターネット通販の普及で増えている送付物ですが、受領印を必要としない物でも従来の郵便受けに入らなければ、対面の受け取りが必要になっています。留守にしがちな共働きカップルにとって、宅配ロッカーは一つの解決策ですが、そもそも受け口と容量が大きな郵便受けが設置されていれば、受け取りの負担が減ります。
日本郵便では、大型郵便受箱設置を促進するために、2017年3月末まで、集合住宅に設置した一戸当たり500円の手数料を払っています。
24時間いつでもゴミ出しができる物件も人気です。収集日と朝の時間帯に縛られることなく、帰宅後の遅い時間や休日など、都合の良いタイミングでゴミを捨てられるためです。また、ゴミが溜まり次第捨てられることは、特に夏場の生ごみによる不快なニオイや害虫発生が避けられるので好評です。

時間の束縛を解消する、ご近所情報

共働きカップルに物件をアピールする際には、立地も重要です。駅から物件までの間にスーパーや商店街・郵便局などがあると、日々の時間を有効に使えます。また、共働きカップルは忙しいので、24時間ゴミ出し可能物件のように、時間の縛りを解消してくれるサービスの恩恵は小さくありません。駅からの距離は重要ではありますが、すべてではないのです。
コンビニエンスストアをはじめ、24時間営業のスーパー、日曜日や夜間も診療している歯科・眼科などのクリニック、夜間も営業する総菜屋や定食屋、リーズナブルな居酒屋や、デリバリーが充実した深夜や早朝も開いているカフェなどを紹介できれば、さらに魅力的な物件として訴求できるかもしれません。
共働きカップルのライフスタイルに合い、喜ばれる賃貸住宅のポイントについて紹介しました。共働き夫婦の望みのすべてを叶えることは難しいでしょう。しかしその立場に立ってニーズを知れば、過大な予算を掛けなくても工夫はできます。彼らが魅力を感じる物件の紹介方法について検討してみてはいかがでしょうか。