土地活用で気軽に「時間貸し駐車場」化

コインパーキング(24時間無人時間貸駐車場)は、今や生活に欠かせない便利なものとなりました。利用者はもとより、空き地を有効活用したい土地オーナーにとってもありがたいサービスです。
しかし、35年前は都心でさえ一時貸しの駐車場は路上パーキングくらいで、人件費もかかるためほとんど存在しませんでした。有人運営から無人運営への革新は、1991年12月にオープンした「タイムズ上野」から始まりました。バブル崩壊後の売れ残った空き地を一時的に借り上げ、駐車場運営会社負担で駐車機器を設置するという、当時では画期的なビジネスモデルでした。
地主自ら設備を整える動きもありながら、順調に増え続けるコインパーキングですが、需要はまだまだありそうです。警視庁によれば東京23区における四輪車の瞬間路上駐車(違法)台数は年間約4万5,000台にのぼり、都市部では今も駐車対策が求められているからです。今回は、時間貸駐車場の新たな革新となるかもしれない、2つの動きに注目します。

IoTが可能にした、スマートパーキング

IoTとは「Internet of Things」の略で、モノをインターネットにつなぐことで、利用者のデータを蓄積したり利便性を向上させたりする技術の総称です。この技術が人々の暮らしを豊かに変えると、ありとあらゆるモノ・業界で取り組まれています。
その中の一つ「スマートパーキング」(http://smart-parking.jp/)は、インターネットにつながった駐車コーンによって、簡単に空き地をコインパーキングとして貸し借りできるサービスです。スマホで駐車場を検索し、駐車したらスマホをコーンに近付けて入庫申請。出庫も同様にスマホをコーンに近付けて、クレジットカードで清算します。利用者は相場よりも安めの駐車が可能で、土地オーナーは塗装や輪留めさえ必須ではなく簡単に駐車場経営を始められます。

土地オーナーがスマートパーキングを開始するまで

1. 土地オーナーがサービスサイトに駐車場情報を登録(無料)
2. 1を運営会社がエリア相場から判断して値付けをし、情報を利用者に公開(無料)
3. 運営会社から届けられた駐車コーン(無料)を、土地オーナーは当該駐車場に設置
4. オーナーとしてWEB上の管理画面にログインして、売上状況などを閲覧可能

オーナーは初期費用も運営費用も無料で、収益の50%が振り込まれます。コーン設置のみの手軽さで、短期間あるいは1台のみでも収益を生み出します。月極駐車場のオーナーが、たった1台空いているスペースを、月極の利用者が決まるまで時間貸駐車場にすることも可能なのです。
さらに運営会社は、この駐車利用情報の分析により、次の新しいサービスの足掛かりが得られます。

Airbnb的な「軒先パーキング」

民泊仲介サイトAirbnbは、自宅などをホテル代わりに貸し出す人と、それを借りる人を結び付けるWEBサイトです。日本を含む世界中で200万以上の宿を提供しています。営利目的だけでなく、「シェア」するという心持ちで自宅を開放する、信頼の上に成り立つコミュニティです。
「Airbnb」のように、自宅の駐車場の空いている時間などを登録することでコインパーキング化できるサービスが、「軒先パーキング(https://parking.nokisaki.com/)」です。
土地オーナーは、軒先パーキングのウェブサイトに好きな時間と駐車料金を登録(無料)することで簡単に開始できます。当該サイトのみならず、株式会社ナビタイムジャパンが運営するカーナビアプリ「カーナビタイム」「NAVITIMEドライブサポーター」上にも駐車場情報が表示されます。
利用者は、予約した時間に相場よりも安めの駐車が可能です。事前にWEBから駐車場を予約し、予約成立時にクレジットカード決済をします。同時に、借り手と貸し手の個人情報が相互に公開されます。
先のスマートパーキングと比較すると、IoTの駐車コーンで管理するのではなく、お互いの信頼によって入庫・出庫が行われるため、即時利用は難しく、延長やキャンセルはできません。一方、駐車コーンすら不要なためコストが抑えられ、土地オーナーの取り分は収益の65%とスマートパーキングの15%増しです。

知っておきたいIoTサービスのリスク

順調に利用者を増やした「軒先パーキング」でしたが、実は、2016年9月23日現在、すべてのサービスが停止しています。5月から7月末までに提供されたサービスに対して不正アクセスがあり、最大3万8,000件余りのクレジットカード情報、11万件余りもの会員情報が流出したことがわかったのです。
インターネットそのもののセキュリティリスクは今さら説明するまでもありません。IoTも例外ではなく、むしろ攻撃目標がPCやスマホに限定されず、多くのものがインターネットに接続していくので、リスクは増大すると言えます。
IoT製品自体に組み込まれた不正プログラムをはじめ、インターネットを介してプログラムの改ざんによる不正操作や情報搾取などの危険もあります。今後IoT製品が普及すると、情報被害にとどまらず、外部からの悪意ある機械操作による身体への害も考えられます。
インターネットやIoTの技術を活用した、低価格で利便性の高い「時間貸し駐車場」は、現時点では、セキュリティ面での脆弱性を露呈する事件がありましたが、魅力的なサービスとして、今後ますます広まるでしょう。
こうしたサービスは土地オーナーにとって非常に魅力的です。しかし、実際に利用する際には、インターネットのメリットとリスクをよく考え、決裁システムの安全性などセキュリティ対策を考慮したうえで、導入するかどうかの判断を下すようにしましょう。

>>賃貸不動産の管理にも!IoT/スマートホーム化に興味のある方へ