「ETF」って何? REIT-ETFとJ-REITを比較

皆さんは「ETF」をご存じでしょうか。投資信託の一つですが、言葉は聞いたことがあっても、詳しい意味や内容についてはよく知らないという方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、不動産投資家も知っておきたいETFについての解説と、ETFの一種であるREIT-ETFと、J-REIT(不動産投資信託)の比較をしてみたいと思います。

ETFは投資資金がゼロになるリスクが低い

ETFとは、「Exchange Traded Fund」の略で、日本語では「上場投資信託」と呼びます。日経平均株価などの「指数」に連動する運用結果を目指した投資商品で、株式市場での売買が可能です。この「指数」には日経平均株価の他にも、さまざまなものがあり、外国株価指数に連動するETFもあります。
ETFは、指数に連動するように、さまざまな株式を取り入れた商品であるため、1銘柄への株式投資とは異なり、投資した資金がゼロになるリスクが極めて低いのが特徴です。1銘柄の株式のみを保有している場合、その会社が倒産すれば保有している株式の価値も無くなります。一方ETFの場合は、取り入れている株式のうち1社が倒産したとしても、投資した資金がゼロになることはありません。

ETFと投資信託との違い

色々な株式を取り入れた商品という点で、ETFは投資信託によく似ています。いずれも、さまざまな金融資産を組み入れて運用を行う商品です。ここではETFと投資信託との違いについてみてみます。

1. 投資信託よりも信託報酬(手数料)が安い

ETFも投資信託も、信託報酬が発生するのが一般的ですが、ETFは投資信託よりも信託報酬が安いという特徴があります。
投資信託の場合、運営会社・資産管理会社・販売会社への手数料が信託報酬となりますが、ETFの場合は販売会社への手数料が発生しません。ETFは株式市場で売買が行われるため、販売会社への手数料は信託報酬ではなく、株式売買手数料となります。
近年のインターネット取引による手数料競争により、株式の売買手数料は非常に安くなっています。その結果、ETFは投資信託よりも、発生する信託報酬が一般的に安くなるのです。

2. 投資信託と違い、リアルタイムな価格で売買可能

ETFは株式と同じように売買ができるため、市場が開いている時間であればいつでも売買が可能です。
一方、投資信託の場合は、解約の受付終了後に基準価格が計算され、売買価格が決定します。
想定よりも高い価格での購入になることもありますし、安い価格で売却されてしまうこともあります。

REIT-ETFとは

冒頭でも少し触れましたが、ETFの一種に「REIT-ETF」というものがあります。REIT-ETFとは、REIT指数に連動するETFのことです。
現在、東京証券取引所で扱われているREIT-ETFは全部で8銘柄あり、6銘柄が東証REIT指数に連動する商品となっています。残りの2銘柄は海外のREIT指数に連動する商品です。この東証REIT指数は、J-REIT(不動産投資信託)の全銘柄を対象に算出した指数です。
つまり、REIT-ETFとは、東京証券取引所に上場しているJ-REITを取り入れ、東証REIT指数に連動した運用結果を目指す投資商品ということになります。

REIT-ETFとJ-REITとの比較

1. REIT-ETFのメリット

東証REIT指数に連動するREIT-ETFのメリットは、やはり投資リスクの低さにあります。
J-REITも、多くの不動産から得られる不動産収益を分配する仕組みであり、安全性が高いと言われていますが、REIT-ETFはその安全性の高いJ-REITをさらに分散投資した商品であるため、ゼロとは言いませんが、破綻リスクはほぼありません。
(注:安全性が高いとされるJ-REITでも、ニューシティ・レジデンス投資法人が2008年11月に破綻しており、投資リスクゼロではありません)
また、REIT-ETFは、小口の株式として販売しており、非常に参入しやすい投資と言えます。東証REIT指数に連動するREIT-ETFは、「上場インデックスファンドJリート隔月分配」を除き2万円以内で購入することが可能です。J-REITの中で、2万円以内で投資できる商品はありません。

2. J-REITのメリット

東証REIT指数に連動するREIT-ETFは、良く言えばバランスの良い商品ですが、悪く言えば特色の無い商品とも言えます。J-REITに分散投資しているため、どの商品も大きな差はなく、利回りは3%以下です。
一方、J-REITは「商業施設主体型」「ホテル主体型」「住居主体型」など、個々に抱えている不動産物件は異なり、運営方針も異なります。現在、運用利回りが最も高いJ-REITは、サムティ・レジデンシャル投資法人(証券コード3459)で、年間利回りは6%以上の商品となっています。個別のJ-REITの特性をよく理解し、より高い利回りの商品へ投資するといったこともできます。
また、REIT-ETFは、組み入れているJ-REITのひとつが破綻した場合は、分配金の減少や時価総額の下落などの影響を受けますが、個別のJ-REIT投資の場合は、他のJ-REITが破綻しても直接的な影響はありません。ただし、株式の特性上、REIT商品全体の人気が下がり、株価の下落が発生することは考えられます。
ETFは指数に連動するように様々な株式を分散して取り入れ、小口で販売している商品です。少額での分散投資が可能でリスクが少ない点が特長です。連動する指数はETFにより異なります。利回りが多少低くても、リスクを抑えた不動産への分散投資を希望する方にはお勧めでしょう。
また、J-REIT商品は、運営方針やリスクを理解して投資を行うことで、REIT-ETFよりも大きなリターンが期待できそうです。
ETFと個別商品の特性をよく理解し、自分にとって最適なポートフォリオを構築していただければと思います。