投資家に最適な不動産ローンの組み方を検証! 固定型と変動型どっちがお得?

当初は短期的な措置かといわれていた日銀のマイナス金利は、2016年10月現在も継続中です。もともと都心の不動産が活性化していたところにマイナス金利が浸透し、不動産投資に興味を持つ人が増えています。新規で始める人はもちろん、既に物件を持っている個人投資家が、さらに保有不動産を増やすケースも多いでしょう。
低金利の今、金利リスクについてどう考えれば良いのでしょうか。

不動産投資と不動産ローンの考え方

不動産投資の目的は利益を得ることですが、その利益には家賃収入だけではなく土地を転売した時の売却益などもあります。家賃収入のみを目的とするなら、ローン金利が高いと家賃収入との差益が圧迫されてしまうため、金利は低ければ低いほどが良くなります。
しかし不動産投資には、転売や一括返済、追加購入など多くの選択肢があります。事業状況や今後の見通しなどによって、取るべき手段は変わるため、ローン金利がすべてではありません。
不動産ローンで重要なことは、どのような返済方法を取るかということです。返済方法に合わせて借入方法を考えることが大事なのです。

金利3種類のメリット・デメリット

不動産ローンには、変動型、固定期間選択型、全期間固定型という3種類の金利があります。この3つのメリット・デメリットを個別に見ていきましょう。

1. 変動型

変動型は、金利が半年ごとに見直されます。金利下落時には返済額が減りますが、上昇時には増えるので注意が必要です。ただし立地が良ければ、金利上昇という経済の活性化に伴い、空室の低下や家賃の値上げなどで返済額の増加をカバーできる可能性もあります。
また、資金に余裕があれば繰り上げ返済もできます。立地と資金力がある場合は、変動金利のデメリットを克服できるかもしれません。

2. 固定期間選択型

3年、5年といった一定期間、金利が固定されます。固定期間後は、通常は変動金利に移行しますが、再度、固定期間を選択することも可能です。一定期間、返済額が変わらないため、返済の見通しが立てやすいのが特徴です。
金利下落時はややもったいない思いをするかもしれませんが、安定性を第一に考えるなら固定期間型が安心でしょう。

3. 全期間固定型

全期間固定型といっても、「フラット35」のような長期のものではなく(最長返済期間が20年程度という金融機関が多いです)ここでは、5年や10年の固定期間選択型を選択し続けた結果、最終的に全期間固定型になってしまった場合を指しています。
メリット・デメリットは固定期間選択型とほぼ同じです。大事なのは、固定期間が終わり変動型か固定期間選択型かを再び選ぶ時です。金利下落時には変動金利、上昇時には再度固定期間選択型、という判断が求められるため、今後の金利状況を見極める目が必要になります。

繰り上げ返済の注意点

変動金利は、金利上昇時に繰り上げ返済して、固定期間選択型・全期間固定型は、金利下落時には繰り上げ返済をすることによって金利変動リスクをある程度抑えることができます。
しかし、不動産ローンにおいて、繰り上げ返済は契約の解除ともみなされ、繰り上げ返済手数料が発生します。料金はさまざまですが、返済元本の1~2%程度を手数料とする金融機関が多いです。
ただし、一部銀行系の金融機関では、「一部繰り上げ返済は無料」「インターネットバンキング利用にて無料」「手数料は定額5,000円」など、安い手数料で繰り上げ返済が可能な例もあります。
繰り上げ返済は金利リスクを軽減してくれる他、投資計画の財務にも影響を与えます。そのため借入時から、将来の繰り上げ返済の可能性を検討しておきましょう。

「変動型」と「期間固定型」で金利は異なるのか

住宅ローンの場合、変動型は固定型より金利が低いのが常識です。しかし不動産ローンの場合は返済期間そのものも短く、変動型と固定型の「垣根が低い」ため金利差も小さく、変動・期間固定型も2~3%程度の基準金利となっています。
大事なのは、基準金利からの振り幅です。審査によって適用金利が決定するため、資金力や返済能力に不安がある場合は、しっかりとした事業計画で金融機関の信用を勝ち取りましょう。
なお金利に関して言えば、借入先が銀行系の場合は金利が低め、ノンバンク系であれば金利が高めといわれています。しかし銀行系は金利が低い分審査に時間がかかり、ノンバンク系はスピード感を持って融資が受けられるとされています。
いずれにせよ、変動型や固定型では大きな違いはなく、借入先や審査によるところが大きいです。そのため変動型および固定型の選択は、今後の金利がどうなるのか見極めることが重要です。

まとめ

今回は、変動型・固定型それぞれの特徴や両者の差異について説明しました。
いずれを選ぶかを判断するためには、「今後どれだけ下がるか」よりも、収益性や自己資金との兼ね合いで、「どこまでの金利上昇に耐えられるか」をシミュレーションすることです。
3~4%の金利上昇にも耐えられるならば、変動型を選択してもリスクは小さいでしょう。逆に少しの金利変動でも返済が苦しくなるようなら、固定型を選択すべきです(その場合も、土地の価値が高く転売が容易であれば、変動型も選択の余地があります)。
金利選択は事業計画の一部です。ご自身の投資スタイルや投資先の価値を吟味し、事業計画を立てることによって最適のローンの組み方は見えてくることでしょう。