賢いアパート経営のために知っておきたい「減価償却費」

アパート経営は、物件を手に入れた時がゴールではありません。大切なのは、これから「収益維持のために高い入居率を維持すること」と、「経費の管理をすること」だと言えます。
そして、経費管理と税金の面で密接な関わりを持つのが「減価償却費」です。今回はこの減価償却費について取り上げます。

減価償却費とは

減価償却とは、建物や自動車のような、年を追うごとに価値が減る固定資産を取得した際に、取得費用をその固定資産が持つ耐用年数に応じて費用計上していく会計処理のことを指します。そのため、土地など「何年使っても価値が減らないもの」は減価償却の対象となりません。
ここで言う耐用年数とは、その固定資産が実際に減損・破損するまでの期間ではありません。固定資産の種類によって定められているもので、国税庁のホームページには固定資産別の耐用年数が一覧でまとめられています。また「耐用年数」と言う場合と、「法定耐用年数」と言う場合があります。

減価償却の計算方法

減価償却費の計算方法は3つあります。

1. 定額法

定額法とは、減価償却の対象になる固定資産の購入代金を、耐用年数の期間内で同額で償却していくものです。例えば300万円で購入した商品の耐用年数が6年の場合、毎年50万円ずつ均等に配分された額が、減価償却費として計上されていきます。

2. 定率法

定率法は、毎年未償却の固定資産額から、定められた割合(償却率)で償却していく方法です。そのため定率法では、固定資産を購入した初年度が最も固定資産税の額が高くなり、徐々に減少していく傾向にあります。なお、固定資産ごとに「この額を下回ってはいけない」という最低額(償却保証額)が定められます。

3. 少額減価償却資産の特例

対象の固定資産の額が30万円未満の場合は、複数年度に分けて計上する減価償却の例外的措置として、「購入・使用開始した初年度」に一括償却することができます。これを「少額減価償却資産の特例」といいます。この制度の適用は、年間300万円まで可能です。

アパート経営者は青色申告書を忘れずに

アパート経営においても、賃貸オーナーが不動産管理業に使用する一般的な価格帯のパソコンや電話機器などは、上述の「3. 少額減価償却資産の特例」に該当し、一括償却が可能になります。
この制度を適用するためには、オーナーが個人事業主登録をしていること、かつ青色申告書を税務署に提出していることが必要です。ちなみに、青色申告の承認を受けていない白色申告者の場合は、10万円未満の減価償却資産のみが対象と定められています。
ですから、賃貸アパート経営を開始する際は、個人事業開始届と合わせて青色申告開始の手続きを忘れないようにしましょう。複式簿記の会計処理が必要になりますが、現在は、初心者でも手軽に使用できる会計ソフトも充実しており、大きな負担にはならないと思います。
もちろん、少額減価償却として計上せず、法定年数に沿って所定の年数で均等分割することも可能です。どちらを選択するかは個人事業主が自由に選択できます。また、税金の扱いに関しても、個人事業主が税金を支払う義務があるのか、ないのかによって対応が変わることになります。

賃貸オーナーが減価償却を学ぶメリット

賃貸オーナーが減価償却を学ぶことには、どのような意味があるのでしょうか。
不動産の収益性を計る「利回り」には、単純な利益のみを算出する「表面利回り」と、諸経費や税金などを踏まえてより現実に近い利回りを算出する「実質利回り」があります。
ここまで説明した「減価償却」について理解していると、税金の算出方法についても肝心な部分が理解しやすく、上述の「実質利回り」で不動産の運用成績を見るようになります。結果的に財務面から実態に即したアパート経営を行うことが可能です。
実際の現場では、こうした分野を顧問税理士に見てもらっていることも多いと思います。税理士の説明をより深く理解できれば、より堅実な運営が可能となるでしょう。
今回はアパート経営における減価償却費について解説しました。減価償却費は、実際の支出がなくても毎年の損益計算で経費計上できるという、財務上非常に大切な項目です。ましてアパートやマンションは自動車やパソコンと違って購入額が大きく、その減価償却はアパート経営に少なからず影響してきます。
賃貸オーナーとしては減価償却の仕組みをしっかり理解して、賢いアパート経営に取り組むことを目指しましょう。
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