兼業トラブルの違いは!? 公務員と会社員の不動産投資

「約7,000万円の賃貸収入は兼業を禁じる地方公務員法に違反し、改善命令に従わなかった」として、8月末に佐賀消防署の消防副士長が懲戒免職されました。少なからぬ数のサラリーマン大家さんがドキッとしたのではないでしょうか。
7,000万円もの収入があるからこそ、この人は甘んじて懲戒免職を受けたのかもしれません。しかし、まだしばらくの間は勤めを続けたいと思っている兼業大家さんは、兼業リスクの確認と、その対策が不可欠です。
マイナンバー制度の導入で国は個人の副業を把握しやすくなります。しかし、マイナンバー制度は国が勤務先にその個人情報を直接教えるような仕組みではありません。ただし、マイナンバー導入により、企業が副業違反に関心を持つ可能性は否定できません。
そこで今回は、公務員と会社員、それぞれについての兼業トラブルとその回避策について考えてみます。

公務員の兼業トラブル

公務員における副業の禁止は、国家公務員は国家公務員法104条、地方公務員は地方公務員法38条によって定められています。
その主な理由は「職務専念、秘密保持、信用保証」です。他の仕事をすることで本業に集中できず、仕事に支障が出ることを防ぎ、本業の秘密を副業の際に利用・流出されないためと、世間的にイメージが良くない職業に就くことなどで、勤務先の社会的信用を損なわせないためです。
例えば、職務中に不動産投資用の物件検索ばかりしているのは職務専念違反に該当します。
また、副業の規模についての制限もあります。懲戒免職となった消防副士長への「改善命令」とは、「個人名義の物件を5棟10室、駐車台数10台未満、賃貸収入500万円以下に縮小」という内容でした。
これは、国家公務員のルールである人事院規則に明記されている「独立家屋の賃貸であれば5棟以上、独立家屋以外の建物の賃貸なら10室以上が本業以外の事業、つまり副業」に基づいています。
つまり、4棟以下の独立家屋、または9室以下の独立家屋以外の建物、賃料500万円未満なら副業に当たらず、問題はないと言えそうです。
では、この規模を超える場合は、絶対に許されないのでしょうか。本業の公務に精進し、かつ親から大規模の不動産を相続した公務員もいるはずです。これについては、不動産管理業者に委託するなど、職務に支障がない体制を整えて、上司に事前に許可をもらうことで公認となる場合もあるようです。

会社員の兼業トラブル

上述の通り、公務員は公務員法により原則副業を禁止されていますが、民間企業では、自社の就業規則によって副業禁止が定められている場合があります。「職務専念、秘密保持、信用保証」など、基本の考え方は公務員とそう変わらないかもしれませんが、とにかく、自社の就業規則の確認が必須です。
もし副業の禁止が定められていた場合、兼業大家を諦めねばならないのでしょうか。
必ずしもそうではありません。労働者を守る労働基準法では、会社が労働者の行動を制限できるのは勤務時間内だけであり、それ以外の時間について制限を加えることは憲法に記された「就業の自由」に反しているという考え方が一般的です。
もしも、本業をしっかりと勤めている会社員が、不動産投資をしていただけで就業規則違反として解雇された場合、裁判になれば「解雇は不当」という結果になる可能性は少なくありません。
しかし、以下のような場合には、処分や解雇も合法とみなされるので注意が必要です。
まず、副業が本業の勤務に悪影響を与えて職務に専念できていない場合です。勤務時間内に不動産投資を行っていれば、職務専念違反について言い訳ができません。
また、勤務時間外に不動産投資を行っている場合でも、睡眠不足などでコンディションを悪くし、本業に集中できていないと判断されれば、本業に支障があるとみなされてしまうでしょう。
さらに、不動産投資のために、勤務によって知り得た情報を売ったり引き換えたりするなど、会社に損害を与える場合も合法です。
サラリーマン大家であるためには、自社の就業規則の何に違反するのか、しないのかをよく理解することが肝心です。公務員と同様に、不動産管理業者への委託など職務に支障がない体制を整えて、上司に事前に許可をもらうという方法もあります。
また、変に勘繰られたりするなどデメリットの方が大きいと考えて、内緒で不動産投資を続ける方法を選ぶ人もいます。

まとめ

今回は副業として不動産投資を行う場合に、気を付けたいポイントを紹介しました。
会社員であれ公務員であれ、まずは本業をしっかり行うことが第一条件です。その上で、法や規則に抵触しない範囲で、時には周囲の理解を得ながら取り組むことになります。
いずれも、得られるメリットを思えば、そう難しいことではないでしょう。臆することなく、不動産経営という魅力的な副業にチャレンジしてみてください。
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