単身世帯を狙え! 2030年には50代男性の単身世帯が突出

未婚の中高年男性の一人暮らしや、配偶者と死別した高齢者の一人暮らしが増えています。これらの「単身ミドル」は、住まいの選び方という点でも特徴があります。
増え続ける「単身ミドル」の状況と住まいに対するニーズについて考えます。

一人暮らしの背景に、未婚の増加

一人暮らしが増えている背景の一つにあるのが、未婚の増加です。みずほ情報総研のリポートによると、もともと女性より男性の単身世帯は多く、しかもこの20年間で大きく上昇しています。1985年はわずか5%だった50代男性に占める一人暮らしは、その割合を増やし続けています。
現在の30代が50代になる2030年代には、50代男性の4人に1人弱が一人暮らしになるそうです。これに対して、女性の増え方は男性より緩やかです。2030年代でも15%程度の予想。男性の方が突出している状況が目立ちます。
未婚化の進展には目を見張るものがあります。ニッセイ基礎研究所のリポートでは、今の日本は男性の5人に1人、女性の10人に1人が生涯未婚である可能性が高いそうです。特に男性の未婚化の急上昇ぶりが目立ち、30年前の10倍になっているということです。
一方で未婚者の9割が「結婚するつもり」であると回答している調査もあります。つまり、結婚願望はあるのに、それが実現しないまま50代を迎える男女が急増するのが2030年代なのです。

単身男女の生きがいの違い

それでは、そうした人たちに共通するライフスタイル、暮らしぶりはあるのでしょうか。上述のみずほ情報総研リポートでは、単身男女で生きがいの対象を比べたところ、男性は「仕事」、女性は友人関係など「人との交流」を挙げる人が多いとされています。
単身者の住まい選びに顕著に表れる要素が、男性の場合はまさにこの「仕事」かもしれません。こうした人は、立地にこだわり職住近接を優先させます。日当たりや間取りよりも、職場に近く駅から近いマンションなどを選ぶ傾向が高いでしょう。
設備についても、洗濯する時間を節約するため浴室換気乾燥機は必須。スマホを使えば十分なので、インターネット設備より宅配ボックスがあることなどが条件になりそうです。

実家暮らし単身ミドルとは

また、「実家暮らし単身ミドル」というカテゴリーにも注目です。親と同居している若い一人暮らし世帯は、実家を出たいものの年収が低く自立できていないというイメージがあります。
しかし、ここで言う単身ミドルは、特に実家を出る必要に迫られなかった世代。転勤などがない仕事を続け、実家暮らしのため貯蓄も十分あり、両親が健康なうちのいずれかのタイミングで、住宅ローンは組まず、現金でマンションを買ってしまうような人たちです。
その動機の一つに挙げられているのが、「老老介護」です。両親が介護の状態になった時、自分が面倒を見るのは当然だと思っていますが、それならば「両親が元気なうちに一度、一人暮らしをしてみようか」と考えるケースです。マンションを買っても、考えが変われば賃貸に出してもいいわけですので、決断が早く、現金で購入という結果になります。
こうした単身ミドルは、比較的自由になるお金と時間があります。日銀・金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯の平均貯金額について、20代は200万円、30代は461万円ですが、50代は802万円もの貯金額があるとなっています。
さらに、東京ガス都市生活研究所のリポート「単身者のマンション購入と暮らし~マンション購入の経緯とライフスタイル」によると、結婚した場合の理想的な住まい方として、別居である「隣居」「週末婚」「通い婚」の形式を挙げ、これを志向している男性はわずか1割なのに、女性は3~4割と高い割合でした。
女性の方が「一人暮らしが自分に合っている」と思う割合も高いという結果になっています。
また、マンションについては、女性は年収に関わらず1LDK~2LDKを購入したのに対し、男性は年収400万円以上グループの約半数が3LDKを購入しています。男性は将来結婚することを見越して、広いファミリータイプのマンションを選んでいるということでしょうか。

間取り変更が容易なマンションが人気

こうした観点から、中古マンション購入に関して、「間取りの変更が容易な」マンションを勧めている業者もあります。将来、ライフスタイルが変わった場合や家族が増えるなど、家族構成が変わっても対応できるマンションです。
こうしたマンションは、住戸の間口が広く、場合によっては床の工法が二重床となっています。間口が広いとさまざまなプラン変更が可能になる上、二重床は水回りの配管を床下で移動させることができるため、部屋の配置変えなどのメリットが大きいのです。また、水回り設備が1ヵ所に集中していれば二重床でなくてもスペース変更などが容易になります。
ファミリータイプだったマンションのリビングと寝室を一緒にし、広めの1LDKにリノベーションするというようなニーズを予感させます。結局、結婚はしなくても、趣味や自分の好きなことに没頭する単身ミドルの姿がそこにはあるようです。
長期前提の不動産投資では、こうした動向を的確につかむことが大切です。