赤水放置で健康トラブル発生! アパート経営に赤信号!?

分譲マンションでは、管理会社による給水設備点検、排水設備点検や受水槽点検などのメンテナンスが定期的に行われています。
しかし、賃貸マンションや賃貸アパートではどうでしょうか? 残念ながら、法定点検もなく、直接目に触れないためか入居者の関心も低く、日本全国にいるすべてのオーナーが、物件に対して十分なメンテナンス費用をかけているわけではありません。
たとえば、築30年の賃貸住宅で鉄製の水道管にメンテナンスをしていない場合、水道管から赤さびが発生して水に溶け出し、入居者の健康に害を与えている可能性があります。敏感な入居者から、水の味が変わった、異臭がしたと連絡が入って早期発覚することもありますが、かなり悪化するまで気付かないのが現実のようです。
今回は、赤水・赤さびリスクと、それに備える給水設備メンテナンスに注目します。

赤水・赤さびの漏水トラブル

水道管に鉄管が用いられている場合、宿命として「さび」のリスクがあります。鉄が酸化すると、金属の表面に赤茶色の酸化第二鉄、いわゆる「赤さび」が発生します。水道水に含まれている塩素も、強力な酸化剤として鉄のさびを進行させてしまいます。
赤さびは通常の黒さびより、もろくて水に溶け込みやすく、この赤さびが水を赤く染めて出てくる現象を「赤水(あかみず)」といいます。ただし、赤水が見えるのは末期的な状況、あるいは大量の水を一気に流した時に起きることがほとんどです。赤さびは、少しずつ水道水の中に溶け出すので、水が透明に見えたとしても、内部に赤さびが発生している場合があります。
また、水道管の鉄が赤さびに変化していくと、管の壁が薄くなり「漏水」を引き起こす可能性があるほか、赤さびが固まって「さびコブ」となり、水の出が悪くなることもあります。
古い建物の場合は、内配管方式、つまり床や壁に配管を埋め込む方式が多く、給水管を取り替えるには壁や床を壊さなければなりません。しかし、賃貸住居では、入居中の工事は難しいため、また多額の費用も掛かることから、外壁やベランダに外配管の給排水管を新設してしのいだりします。

赤水・赤さびの健康トラブル

もしも、赤さびの混じった水を入居者が飲めば、どうなるでしょう。赤さびはそもそも鉄ですから、鉄分の過剰摂取につながります。鉄分は人間にとって重要な栄養素の一つですが、他の栄養素と同様に、過剰摂取は悪影響を及ぼすことがあります。
水道法の水質基準によれば、鉄およびその化合物が0.3mg/L以下、つまり1リットル中に鉄分が0.3ミリグラム以上混入すると、赤く着色された赤水となります。
千葉県水道局は、「鉄は人体への吸収率が低く大部分が排出されるので、少量の赤水を誤って飲んでしまったとしても、直ちに有害ということはなく特に心配はありません。ただし、多量の赤水あるいは鉄の濃度が異常に高い赤水を飲用した場合は、嘔吐や下痢を催すことがあります。特に幼児には注意が必要です。」と述べています。とはいえ、赤水の摂取が健康へ無害とは言い切れません。

赤水・赤さびへのクレーム対応

水道水は日々の生活に欠かせないもので、しかも口から体内に入れます。赤水が出れば、「洗濯物が汚れた」「こんな水は飲めない」「水のせいで体調が悪い」「もう住めない。引っ越し代を負担してほしい」など、さまざまな苦情が寄せられる可能性があるでしょう。アパート・マンションの経営者や管理者は、赤水の影響、原因と対策について正確な知識を持ち、迅速に対応する必要があります。
万が一、赤水が発生した場合には、まずは入居者に迷惑をかけた旨の謝罪を伝えるとともに、先述の水道局の見解を説明します。そのうえで、次のように対応しましょう。
なお、受水槽があれば赤水がたまっている可能性があるため、併せて受水槽の点検も必要です。
1. 入居直後、出張・旅行後など、長期間にわたって水道を使用していなかった場合は、給水管や継手などの赤さびが原因と考えられます。長期不在による赤さびは、水を流し続ければ解消することが多いことを説明します。それでも解消しない場合は、給水管の洗浄などで対応します。
2. 突然、かつ広く赤水が出た場合は、給水管の破裂が疑われます。原因確認と対応が急務です。
3. 赤水が常時、それも長時間にわたって続いている場合は、給水管が腐食している可能性があります。水質検査など各種調査を行った上で、給水管内のさびを落として塗装する管更生工事(ライニング)などを行います。傷みがひどければ、給水管取替などの根本的な解決策が必要です。

法定点検ではないが、重要な給水管点検

給水設備に関する法定点検は、簡易専用水道(10立方メートル超の受水槽)について、年1回の水質検査と水槽掃除がありますが、それ以外の規定はありません。
しかし、簡易専用水道の規模に満たない受水槽と給水管なども、適正な管理が求められています。給水設備は衛生面に加え、365日24時間稼動することが大切です。設備点検は年に1回は行うなど、定期的に各種設備の作動状態や損傷、劣化状況などを点検しましょう。
今回は赤水の問題について取り上げました。もしアパートやマンションで赤水が出てしまったら、健康への影響が大きくないとはいえ、入居者に少なからず不快感を与え、かつ迷惑を掛けてしまうことは間違いありません。その程度や期間によって、ポット型浄水器の提供や迷惑料など、入居者への配慮は不可欠です。
経営者が入居者の健康を守り、安心して暮らせる住まいを提供するためには、問題発生前の給水設備メンテナンスも重要といえるでしょう。
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